「女性のための保険」ってどういう保険?加入したほうがいいですか?


今回、回答いただく先生は…



鈴木 暁子先生(すずき あきこ)
プロフィール
  • 女性のための保険は、女性を主な対象とした医療保険です。
  • 上乗せ保障に価値観を見いだせるかがポイントです。
  • 加入するのであれば、タイミングも重要です。

 小田 美紀子さん(仮名 30歳 会社員 独身)のご相談

女性のための保険という言葉をよく耳にしますが、具体的にどのような保険ですか?私は加入したほうが良いでしょうか。

小田 美紀子(仮名)さんのプロフィール

家族構成
本人(30歳 会社員 独身)

女性疾病特約が付帯された医療保険です。妊娠していると加入に制限がかかるなどがあるので、タイミングも重要です。

1.「女性のための保険」は、女性を主な対象とした医療保険です。

小田さん、こんにちは。テレビCMや女性向けの雑誌などで「女性のための保険」という言葉をよく見かけますよね。これは「女性保険」や「女性疾病特約」という商品のことで、医療保険の中でも特に女性を主な対象としたものです。新しいカテゴリーの保険と思われている方もいますが、そうではなく、医療保険に特約として付帯するのが女性疾病特約。もともと医療保険に女性疾病特約が付帯されているのが女性保険とイメージしていただければよいでしょう(今回は総称して、以下、女性保険と記述させていただきます)。これらは、女性特有の部位の病気、女性に多い病気に対し、主契約である入院や手術の給付金に上乗せがあるなど保障が手厚くなっています。

女性にとっては若いうちからこれらの病気の心配がありますから、小田さん同様、女性保険が気になっている、加入した方がよいかというご相談は少なくありません。

2.自分にとって上乗せ保障をどのように考えるかがポイントです。

女性特有の部位あるいは女性に多い疾病は、女性保険でないと保障してもらえないのかというと、そうではありません。一般の医療保険でも、乳がんや子宮がん、子宮筋腫といった疾病であっても保障はあります。ですから、「女性保険でないといけないか」と言われると、決してそういうわけではありません。

保険については、人それぞれの価値観が大きく影響しますが、特に医療保険ではその傾向が強くあらわれます。
たとえば、入院や手術となり医療費が高額になった場合でも、高額療養費という制度があり、医療費の自己負担分が一定額を超えた場合、その分が払い戻されるので、実質の自己負担がかなり軽減されます。このように日本は公的医療保険がそれなりに手厚いので、女性保険はおろか、ある程度貯蓄のある方であれば、一般的な医療保険ですら不要と考える方もいらっしゃるくらいです。
(※収入によって自己負担上限額は違います。また、対象は、保険適用されたものに限ります)
ただ、小田さんの場合はまだお若いですし、貯蓄もそれほど多くはないと思われますので、いくら自己負担上限額があるといっても、まとまった医療費の負担は厳しいですよね。ですから、医療保険については加入を検討されても良いでしょう。その場合、女性保険にしたほうが良いのかについて、考えてみましょう。

ポイントは、女性保険の上乗せ保障をどのように考えるかということになります。医療保険は、そもそも所定の入院や手術、治療が発生しなければ給付金は受け取れませんから、決して給付の確率が高いわけではありません。ですからその確率にどこまで保険料を払うかということですが、女性保険の手厚い保障部分は、さらにカバーの範囲が狭まるわけです。その点を念頭に置いておきましょう。

とはいえ、たとえば家系的に乳がんや子宮がん、子宮筋腫など婦人科系の疾病に罹患したご親族が多いということであれば、ご自身のリスクも高めですから、保障が手厚いことは安心材料になるでしょう。また、いわゆるがんのような疾病だけではなく、妊娠中毒症や帝王切開のように、妊娠・出産に起因する疾病や手術なども女性保険の対象となります。この場合は普通分娩よりも入院が長引く可能性があり、入院費もより高額になります。

また、最近では不妊治療に対する給付金を受け取れるものもあります。不妊治療は令和4年4月以降、人工授精などの一般不妊治療や、体外受精や顕微鏡受精など、従来の特定不妊治療は保険適用となりましたが、それでもまだ助成の年齢や回数に制限はあります。また不妊治療の場合は、ある程度長期になることも予想されます。少しでも経済的な負担が軽減できるのであればありがたいとも思うでしょう。

保険(特に医療保険)については、実はFPの間でも意見は多様です。ですからここからはひとつの考え方として筆者個人の考えを述べますと、一般の医療保険よりも保険料が割高なのに、その部分のカバー範囲は一部というと、経済合理性からみればもったいないと言えなくもありません。ただ、女性特有の部位の疾病などは、ご本人にとっては繊細な部分も大いにあると思っています。

たとえば、乳がんで乳房摘出となったとき、あるいは流産してしまった場合など、多床病室で入院するのはしんどい、個室でゆっくりしたいということもあるでしょう。女性の場合は長いライフステージの中でも身体的な変化も多いですし、年代ごとに罹患率が高くなる疾病もあります。そのような時に入院給付金が多ければ選択肢も増えます

女性特有の部位に関する疾病は、身体的なダメージだけでなく、精神的なダメージがあるケースもあるように、経済合理性だけで無駄、もったいないと言い切ってよいとは限らないでしょう。

3.加入のタイミングも重要です。

小田さんは、今後結婚、妊娠・出産という可能性もある方です。妊娠中の医療保険(女性保険含む)加入については、保険会社や商品によって契約の可否が異なります。契約できない、あるいは契約できても特定部位不担保といって、たとえば子宮に関する疾病で入院しても給付金が受け取れない、また、特定疾病不担保といって、妊娠中毒症で入院したとしても給付金を受け取れないといった扱いとなることもあります(特定部位、特定疾病以外で入院や手術などの場合は給付金を受け取れます)。

今の小田さんにとっては、婦人科系のがんに罹患するよりも、妊娠・出産の可能性のほうが高いと思われます。妊娠・出産へのリスクにも備えたいということであれば、医療保険(女性保険含む)の加入について、独身の今は適切なタイミングといえると思います。その際、女性保険にするかどうかは前段に述べたようなポイントも考慮して判断されるとよいでしょう。上乗せ保障に特段の価値を見いだせない、あるいは割高になる保険料の負担が重いということであれば、一般の医療保険でも良いでしょう。

なお、各社から女性保険は販売されていますが、選ぶ際は、女性特有の部位における疾病以外に、女性に多い疾病というところで、どこまでの疾病がカバーされているのかを十分比較してくださいね。

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