自動車保険に自転車の特約がついていますが、自転車保険は必要ですか?


今回、回答いただく先生は…
森田 和子先生(もりた かずこ) プロフィール
  • 自転車保険への加入義務化が進んでいます。
  • 自転車傷害補償特約は自分のケガなどを補償する保険です。
  • 自転車事故の相手への補償をする保険が必要です。

  駒田 徹さん(仮名 40歳 会社員)のご相談

私が入っている自動車保険には自転車傷害補償特約が付いていますが、それとは別に自転車保険も必要ですか?子供も自転車に乗るようになり心配しています。

駒田 徹さん(仮名)のプロフィール

家族構成
家族 職業
駒田 徹さん 40歳会社員
妻 41歳会社員
長男 7歳

自転車傷害補償特約は、被害を受けた場合を補償するものです。他の人に被害を負わせてしまった場合を補償する保険への加入が必要です。

こんにちは、駒田さん。ご相談ありがとうございます。お子様が自転車を使うようになると事故が心配になりますね。名称に「自転車」があっても、自転車傷害補償特約と自転車保険は補償内容が違うので注意が必要です。自転車保険の加入義務化も進んでいますので、自転車の保険について詳しく確認していきましょう。

自転車保険への加入義務化が進んでいます

全国の多くの自治体で自転車保険の加入義務化が進んでいます。気軽に乗れる自転車ですが、法律上は軽車両にあたります。重大事故の発生や、加害者への高額賠償の事例もあり、損害賠償責任に備える保険への加入を義務化しているのです。実際に、9,000万円を超える高額賠償の支払いが命じられた事例もあります。

自転車事故での高額賠償の例

判決認容額9,521万円

男子小学生(11歳)が夜間、帰宅途中に自転車で走行中、歩道と車道の区別のない道路において歩行中の女性(62歳)と正面衝突。女性は頭蓋骨骨折等の傷害を負い、意識が戻らない状態となった。

(神戸地方裁判所、2013年7月4日判決)

判決認容額9,330万円

男子高校生が、夜間、イヤホンで音楽を聞きながら無灯火で自転車を運転中に、パトカーの追跡を受けて逃走し、職務質問中の警察官(25歳)と衝突。警察官は、頭蓋骨骨折等で約2か月後に死亡した。

(高松高等裁判所、2020年7月22日判決)

判決認容額9,266万円

男子高校生が昼間、自転車横断帯のかなり手前の歩道から車道を斜めに横断し、対向車線を自転車で直進してきた男性会社員(24歳)と衝突。男性会社員に重大な障害(言語機能の喪失等)が残った。

(東京地方裁判所、2008年6月5日判決)

※判決認容額とは、上記裁判における判決文で加害者が支払いを命じられた金額です(金額は概算額)。上記裁判後の上訴等により、加害者が実際に支払う金額とは異なる可能性があります。
出典:一般社団法人日本損害保険協会「知っていますか?自転車の事故 ~安全な乗り方と事故への備え~」2021年8月版
https://www.sonpo.or.jp/report/publish/bousai/ctuevu00000053ot-att/book_bicycle.pdf

自転車傷害補償特約は自分のケガなどを補償する保険です

駒田さんが加入している自動車保険には「自転車傷害補償特約」が付いています。これは自転車に乗っている時の事故や、歩いている時に自転車と衝突する事故などによる、本人や家族の入院・死亡・後遺障害等の場合に保険金が支払われるものです。駒田さんやご家族の自転車事故による入院や死亡などが補償されるもので、他の人にケガなどを負わせてしまった場合を補償するものではありません。自転車傷害補償特約とは別に、他の人に損害を与えてしまった場合の賠償責任を補償する保険を準備する必要があります。

自転車事故の相手への補償をする保険が必要です

自転車保険の加入義務化の対象になる主な保険には、以下のものがあります。

【日常生活での賠償責任保険等】

自転車損害賠償責任保険の種類
個人賠償責任保険 自転車向け保険
自動車保険の特約
火災保険の特約
傷害保険の特約
団体保険 会社等の団体保険
PTAの保険
共済
TSマーク付帯保険
クレジットカードの付帯保険

出典:「神奈川県 自転車損害賠償責任保険等加入状況確認シート」より抜粋
https://www.pref.kanagawa.jp/documents/46139/si-to.pdf

個人賠償責任保険は人や物に損害を与えてしまった場合を補償する保険です。高額賠償の事例を考慮すると補償限度額は1億円以上にしたいところです。自動車保険、火災保険、勤務先で加入する団体保険などにも付けることができるので、意識することなく加入している方も少なくありません。クレジットカードに付帯していることもあるので確認してみましょう。

自転車を購入する時などにTSマークを取得している場合があります。自転車にステッカーが貼られていないでしょうか。点検整備した安全な自転車が対象になるもので、相手に死亡・重度後遺障害(1~7級)を負わせた場合には、青色TSマークでは1,000万円ですが、赤色TSマークなら1億円までの補償があります。しかし、TSマークの有効期間は1年間なので、期限切れによって補償を失わないよう注意が必要です。少なくとも一年に一回以上、定期的に自転車の点検を受けている人に向いていると言えます。

赤色TSマーク

これらをチェックした上で、相手を補償する保険がないようであれば、自転車保険への加入を検討しましょう。保険料が月数百円の保険もあります。自転車保険は自転車に乗る本人のケガなどを補償に加え、相手への補償を備えています。高額賠償に備えられるよう数億円までの保険金額を設定できる保険もあり、自転車のさまざまなリスクに対応できる内容になっています。スマホやコンビニに設置された端末から加入できるものもあります。
お子さんの行動範囲も広がり自転車の利用回数が増えれば、ぶつかって物を壊したり通行人にケガを負わせたりするようなことがあるかもしれません。自転車保険加入が義務化されている自治体でなくとも加入しておきましょう。


この春から子供が小学校に入学します。学資保険に入っていないのですが、今から教育費を準備する方法がありますか。
来店型保険ショップで医療保険の相談をしたら余計悩む結果になりました
保険を検討したいのですが、どのように考えていけば良いのでしょうか?

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