住宅ローンに付ける疾病保障は多い方がいいですか?


今回、回答いただく先生は…
森田 和子先生(もりた かずこ) プロフィール
  • 仮審査は複数の金融機関に申し込むことができます。
  • 疾病保障の内容はさまざまです。
  • 金利や返済期間にも注意しましょう。

  清田 裕翔さん(仮名 38歳 会社員)のご相談

マイホームを購入します。3大疾病保障のある住宅ローンで仮審査が通っています。あとになって他のローンでは8大疾病や全疾病の保障があることがわかり、そちらの方が良さそうにも思います。仮審査とは別の銀行に申し込んでもよいのでしょうか。

清田 裕翔さん(仮名)のプロフィール

家族構成
家族 職業
清田 裕翔さん(38歳)会社員
妻(39歳)パートタイム勤務
長男(9歳)

住宅ローンは、複数の金融機関に仮審査を申し込むことができます。疾病保障だけでなく金利や返済額を確認しながら再度検討してみましょう。

こんにちは、清田さん。ご相談ありがとうございます。住宅ローンは、複数の金融機関に仮審査を申し込むことができます。現在仮審査が通っている金融機関とは別のローンを選んでも構いません。疾病保障にはさまざまな種類があり、ローンが違えば疾病保障が違うと考えた方がよいかもしれません。詳しく確認していきましょう。

仮審査は複数の金融機関に申し込むことができます

マイホームの購入では住宅ローンがとても重要です。 ところが、特に初めてマイホームを購入した方からは次のような話をよく聞きます。
「売り出し中の物件を見学して、まだ購入するか決めていない段階で、とりあえず不動産業者にすすめられた銀行に住宅ローンの仮審査を申し込みました。仮審査が通ったので、購入を決めた時には同じ銀行で住宅ローンに申し込みました。 ローンについて詳しくなかったので、 そういうものかと思ってしまい、提案された内容を変更するという考えがありませんでした」。
契約した住宅ローンに満足できるならよいのですが、後になって他の住宅ローンにすればよかった、部分的に変更すればよかったと後悔したくはないものです。契約した後で他のローンに変更するのは手間も費用もかかります。

住宅ローンの仮審査は事前審査とも呼ばれ、ローンを契約する人の返済能力などが審査されます。仮審査が通り、物件の売買契約を行うと、ローンの本審査を申し込みます。本審査では契約者の返済能力や物件の担保価値などが詳細に審査されるため、仮審査が通っても本審査が通らない場合もあります。仮審査は複数の金融機関に申し込むことができるので、今から別の金融機関に仮審査を申し込み、そちらで本審査を申し込んでも構いません。今から変更できるわけですから、ぜひ他の住宅ローンと比較してみましょう。

疾病保障の内容はさまざまです

多くの金融機関の住宅ローンでは、団体信用生命保険への加入契約の条件となります。通称「団信」と呼ばれる保険で、死亡または高度障害時には保険金によってローンが完済(残債務が全額弁済)されます。死亡・高度障害以外の疾病の保障も加えられているものがあります。

清田さんが仮審査を申し込んだ住宅ローンには3大疾病の保障があります。死亡・高度障害時に加えて、がんの診断確定がされた場合、急性心筋梗塞・脳卒中により所定の状態になった場合にも住宅ローンが完済されます。「所定の状態」とは、急性心筋梗塞では60日以上労働が制限されると医師が診断した場合、脳卒中では60日以上所定の後遺症が継続すると医師が診断した場合です。
3大疾病保障の他に高血圧症・糖尿病・慢性腎不全・肝硬変・慢性膵炎を加えた8疾病を保障するものや、さらにウイルス肝炎も加えた9疾病を保障するもの、その他の疾病全てを保障する全疾病保障の団信もあります。疾病ごとに保障の内容が異なり、ローンが完済される条件が異なります。また、「3大疾病保障」、「8疾病保障」のように同じ名称であっても保障内容が同じとは限らないので、ローンごとに確認する必要があります。

【8疾病保障の例】

疾病などの種類 状況 保障内容
がん 診断されたら 住宅ローン残高が0円
脳卒中
急性心筋梗塞
就業不能状態が継続した場合 最長2カ月間毎月の返済相当額を保障
所定の状態が60日以上継続したら 住宅ローン残高が0円
高血圧症
糖尿病
慢性腎不全
肝硬変
慢性膵炎
就業不能状態が継続した場合 最長12カ月間毎月の返済相当額を保障
就業不能状態が12カ月を超えて継続した場合 住宅ローン残高が0円
倒産、会社事由による解雇など
非自発的な失業
失業状態が1カ月を超えて継続した場合 最長6カ月間毎月の返済相当額を保障

疾病保障を付けることによる費用の負担には注意が必要です。保険料が最初からローン金利に含まれている場合は追加の費用はありませんが、保障を付けることによって金利が上乗せされるものや、保険料を別途支払うローンもあります。保険料を含めて毎月の返済額がいくらになるかを金融機関で計算してもらったうえで検討する必要があります。

疾病保障のないシンプルな団信を選ぶと、病気で働くことができない場合が心配かもしれません。しかし、会社員であれば健康保険から1年6ヵ月を限度に、傷病手当金(※)が支給されます。また、病気やケガで働けない場合に給付金を受け取れる所得補償保険(就業不能保険)を利用することもできますが、団信の疾病保障と同様に、ローンの返済額と保険料を合計した負担額で考える必要があります。
(※傷病手当金の1日当たりの金額:支給開始日以前12ヵ月間の標準報酬月額の平均額×1/30×2/3)

金利や返済期間にも注意しましょう

とりあえず不動産業者にすすめられた銀行で住宅ローンの仮審査が通り、本審査を申し込んで契約したというケースでは、変動金利で返済期間35年のローンが多いと感じます。しかし、住宅ローンの契約では、変動金利ではなく全期間固定金利や10年固定金利にすることや、35年返済ではなく31年返済や23年返済にすることもできます。他の条件も含めて再検討しましょう。契約した後から他の住宅ローンに変更するのは手間も費用もかかります。本審査を申し込む前の今だからこそ、他の住宅ローンとしっかり比較検討して、清田さんが納得できるローンを選んでください。


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