持ち家を購入すると、賃貸と違う支出はローン以外に何かありますか?


今回、回答いただく先生は…
村井 英一先生(むらい えいいち) プロフィール
  • 持ち家を購入すると、購入時にかかる費用以外にも毎年かかる費用があります
  • 資産としてみると、購入の方が費用はかかりましたが、不動産が残ります
  • 火災保険など、工夫次第で安くできるものがあります

  高田 翔太さん(仮名 31歳 会社員)のご相談

子どもが生まれ現在の賃貸の部屋が手狭になってきました。親から少し資金援助をしてもらえることになり、自宅の購入を考えています。ローンの返済以外にどのような費用が必要になるのでしょうか?

高田 翔太さん(仮名)のプロフィール

家族構成
家族 年間収入
ご相談者 高田 翔太さん 31歳(会社員) 370万円
家族 妻 28歳(会社員・育児休業中) 復職後は330万円
長女 0歳
貯蓄額 430万円

戸建て・マンションに関わらず購入時にかかる費用と毎年かかる費用があります

1.持ち家を購入した場合に、頭金とローンの返済以外にかかる費用

お子様が生まれたのを機に、持ち家の購入を検討されているのですね。今は金利が低い状況ですので、住宅ローンを組んで持ち家を購入するには比較的、良い環境だと言えるでしょう。毎月の返済額が、賃貸住宅の家賃よりも低いことも少なくありません。ローン完済後には住居にかかる費用は少なくなりますし、不動産という資産が残ります。これだけを聞くと、購入した方がお得に思えます。とはいえ、持ち家を購入すると、ローンの返済だけでなく、さまざまな費用がかかります。それを踏まえて、どちらが良いかを判断し、資金計画を立てることが大切になります。では、どのような費用がかかるのかを見ていきましょう。

購入時に支払いが必要になる諸費用>

  • 融資手数料:定額方式だと3~5万円、定率方式だと融資額の2.2%程度となります。定率方式では数十万円~100万円程度になります。
  • ローン保証料:一括払いだと数十万円~100万円程度です。金利上乗せ方式では、住宅ローンの金利に0.2%程度上乗せされます。無料という金融機関もあります。
    • ・いずれも、金融機関によって大きな差があります。ただ、ローン保証料が無料でも融資手数料が高いというケースも多く、住宅ローンの金利も含めてトータルでの支払額で比較するとよいでしょう。
  • 団体信用生命保険料:民間の銀行はほとんどが無料(金利に含まれている)です。住宅金融公庫融資のフラット35ではこの保険への加入が任意となっていますので、加入する場合は別途保険料が必要になります。
  • 不動産取得税:不動産を購入した際に、都道府県に支払う税金です。原則は、固定資産税評価額の3%ですが、土地、建物それぞれに軽減措置があります。
  • 登録免許税:不動産を購入したら登記をしますが、その際にかかる税金です。売買の場合、原則は固定資産税評価額の0.2%ですが、条件によって軽減措置があります。
  • 登記費用:登記手続きをする司法書士に支払います。司法書士によって異なりますが、10~20万円程度を見ておけばよいでしょう。
  • 仲介手数料中古の物件や土地を購入する場合に、仲介した不動産業者に支払います。新築のマンションや戸建て分譲ではかかりません。物件価格の3%+6万円です。

<購入後に毎年必要になる費用>

  • 管理費マンションの場合は毎月1~3万円程度が必要です。戸建ては必要ありません。
  • 修繕積立金:こちらもマンションの場合に必要になります。戸建ての場合は毎月の支払いは必要ありませんが、ある程度の期間が経過したら修繕が必要で、その際にまとまった金額がかかります。10年ごとに100万円程度を見込んでおくとよいでしょう。
  • 固定資産税・都市計画税:住宅を保有していると毎年かかる税金です。合わせて、固定資産税評価額の1.7%ですが、軽減措置があります。
  • 火災保険料:住宅ローンを組む際には、火災保険への加入が求められます。必要でない場合でも加入しておいた方が良いでしょう。かつては長期契約でまとめて支払いましたが、今は最長5年となっていますので、毎年必要になる費用としました。

2.持ち家購入と賃貸を具体例で比較すると…

それでは、持ち家を購入した場合と、賃貸に住み続けた場合でどのくらい違うのかを、あるケースで比較してみましょう。

購入の場合

物件価格3,500万円の新築マンションを購入するものとします。住宅ローンは3,150万円を35年で返済します。全期間固定金利で、利率は1.8%とします。

  • ・頭金:350万円
  • ・住宅ローンの返済総額:4,248万円
  • ・購入時に支払いが必要になる諸費用:合計167万円
    • ・購入時に支払う諸費用は、新築の場合は物件価格の3~5%、中古の場合は6~10%程度と考えておくとよいでしょう。
  • ・購入後に毎年必要になる費用
    • ・管理費・修繕積立金:月額3万円
    • ・固定資産税・都市計画税:年額8万円
    • ・火災保険料:年額1万円
  • ・40年間の合計:6,565万円
    • ・このほか、引っ越しや家具の買い替えなどに費用がかかります。

賃貸の場合

月額家賃10万円、共益費1万円の賃貸住宅に40年間住み続ける場合を考えます。

  • ・毎月の費用:月額11万円
  • ・2年ごとの更新時にかかる費用
    • ・更新料(家賃1ヶ月分):10万円
    • ・更新事務手数料(家賃0.5ヶ月分):5万円
    • ・賃貸入居者用火災保険:1万円
    • ・更新保証料:年額1万円
  • ・40年間の合計:5,640万円
    • ・住み替えをした場合は、敷金(または修繕費)、礼金、仲介手数料のほか、引っ越し代や家具の買い替え費用がかかります。物件や地域によって条件は異なります。

3.どちらが得かは一概には言えませんが、費用を抑える工夫もあります

上の例では、賃貸に比べて購入の方が925万円多くかかりました。ただし、購入の方は、自宅という不動産を保有することになり、売却することも可能です。住宅ローンを完済した後は、毎月の負担が少なくなります。ただし、築40年以上が経過するようになると、将来の建て替えなどの懸念材料も生じてきます。人口の減少や地域の人口動態によっては不動産価格もどうなるかわかりません。
一方、上の例の賃貸の方は40年だけを見れば購入よりも支出は抑えられますが、家賃が1万円違えば40年で約500万円変わってきます。さらには老後も家賃の支払いが続きますので、その分の貯蓄を十分にしておく必要があります。住み替えも年齢によっては選択肢が限られてしまう可能性があります。
持ち家を購入するとその家に縛られてしまうことにもなりますし、住み替えれば再び費用がかかります。一方、賃貸は不動産に縛られないので、ライフステージにあわせて好きな所へ転居できます。このように購入と賃貸で、一概にどちらがお得とは言えません。

また、購入・賃貸に関わらず住居費は工夫次第で抑えることができます。
購入の場合では住宅ローンは金利だけでなく、融資手数料、ローン保証料も含めて比較したいものです。火災保険は、住宅ローンを組む際に加入を求められますが、金融機関に勧められるままに加入する必要はありません。金融機関が提示する条件に合った火災保険であれば、自分で選んだもので構いません。事前に条件を確認し、それに合った火災保険を自分で探すとお得に加入できます。すでに加入されている人も契約更新の際に他社の保険に切り替えることが可能ですので、金融機関に問い合わせてみるとよいでしょう。

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