保険とか投資とかお金のことが全くわかっていません。このままではよくない気がします。何から始めればよいでしょうか。

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今回、回答いただく先生は…
森田 和子先生(もりた かずこ) プロフィール
  • 加入している健康保険や年金制度は必ず確認。
  • 勤務先によっては給付の上乗せもある。
  • 最低限身に着けておきたいお金の知識がある。

  橘 雄介さん(仮名 26歳 会社員)のご相談

友人が、投資をしたり保険に入ったりするのを見て、自分もこのままではいけないような気がしています。お金のことが全くわかっていません。入社した時に周囲にすすめられて、給料から天引きで財形をしているだけです。何から始めればよいでしょうか。

橘 雄介さん(仮名)のプロフィール

家族構成
家族 職業
本人(26歳)会社員

加入している社会保険や勤務先の制度をまず確認。
お金の知識を増やして、投資や保険を検討していきましょう。

こんにちは、橘さん。ご相談ありがとうございます。周囲の方からすすめられたとのことですが、積み立ては貯蓄の王道ですから、資産形成の第一歩として財形貯蓄は良い選択ですね。投資や保険をはじめる前に、自分の加入している社会保険や勤務先の制度を確認しておきましょう。その他のお金の知識を増やすことも大切です。詳しく確認していきましょう。

加入している健康保険や年金制度は必ず確認

橘さんご自身が加入している社会保険を確認することから始めましょう。社会保険とは公的な保険制度のことです。健康保険厚生年金保険雇用保険などに加入しているかを確認してください。給与明細を見れば、これらの保険料が給与から支払われていることがわかります。不明な場合には総務や人事に尋ねてみましょう。自分が加入している社会保険制度がわかると、自助努力で補うべき部分が見えてきます。

例えば、医療保険に加入する時には、もしもの場合が心配だから保障は大きければ大きいほど良いと考えるかもしれません。しかし、公的な保険である健康保険に加入していれば、病気やケガで休業した場合に、給与の3分の2が保障される「傷病手当金」の制度を利用できます。医療費がとても支払えそうにない金額になることを心配するかもしれませんが、医療費の自己負担が高額になるのを防ぐ「高額療養費」の制度もあります。
また、若い世代でも老後のお金を心配する方が増えていますが、勤務先を通して厚生年金保険に加入していれば、給与の金額に応じて老後の年金が増える部分もあります。
一般的に、会社員は自営業者よりも加入する社会保険によって、病気や失業、老後などの保障が手厚くなっています。

勤務先によっては給付の上乗せもある

さらに、会社員の社会保険には、勤務先によって給付などが上乗せされる場合があります。
例えば、先ほどご紹介した傷病手当金については、勤務先が独自の上乗せ給付を行うことによって、健康保険の傷病手当金と合わせて給与の8割が給付される場合もあります。勤務先の保障が厚いのであれば、医療保険などに加入する時にも、とにかく保障を大きくすればよいとは考えないでしょう。
老後への備えとして厚生年金保険に加入していることを確認したら、退職金や企業年金の制度についても確認しておきましょう。勤務先によっては厚生年金保険に上乗せする企業年金制度を持つところもあります。
勤務先の制度によっても保障に違いがあるので、この機会に確認しておきましょう。

最低限身に着けておきたいお金の知識がある

もう一つお勧めしたいのがお金の知識や判断力である「金融リテラシー」を身に着けることです。金融商品が良いものばかりとは限りません。詐欺まがいの投資商品の購入や、ローンやクレジットの残高を膨らませてしまうのは避けたいところです。お金と上手く付き合っていくにはお金の知識が欠かせません。具体的には、金融庁が示す「最低限身に着けるべき金融リテラシー」が参考になります。

最低限身に着けるべき金融リテラシーの4分野・15項目

【1】 家計管理
(1) 適切な収支管理
(赤字解消・黒字確保)の習慣化
【2】 生活設計
(2) ライフプランの明確化及びライフプランを踏まえた資金の確保の必要性の理解
【3】 金融知識及び金融経済事情の理解と適切な金融商品の利用選択
(3) 契約にかかる基本的な姿勢の習慣化
(4) 情報の入手先や契約の相手方である業者が信頼できる者であるかどうかの確認の習慣化
(5) インターネット取引は利便性が高い一方、対面取引の場合とは異なる注意点があることの理解
(6) 金融経済教育において基礎となる重要な事項(金利、インフレ、デフレ、為替、リスク・リターン等)や金融経済情勢に応じた金融商品の利用選択についての理解
(7) 取引の実質的なコスト(価格)について把握することの重要性の理解
(8) 自分にとって保険でカバーすべき事象(死亡・疾病・火災等)が何かの理解
(9) カバーすべき事象発現時の経済的保障の必要額の理解
(10) 住宅ローンを組む際の留意点の理解
①無理のない借入限度額の設定、返済計画を立てることの重要性
②返済を困難とする諸事情の発生への備えの重要性
(11) 無計画・無謀なカードローン等やクレジットカードの利用を行わないことの習慣化
(12) 人によってリスク許容度は異なるが、仮により高いリターンを得ようとする場合には、より高いリスクを伴うことの理解
(13) 資産形成における分散(運用資産の分散・投資時期の分散)の効果の理解
(14) 資産形成における長期運用の効果の理解
【4】 外部知見の適切な活用
(15) 金融商品を利用するにあたり、外部の知見を適切に活用する必要性の理解

金融庁「最低限身に着けるべき金融リテラシー」より作成

金融リテラシーについては、金融広報中央委員会が調査をしています。調査結果によると、金融知識・判断力に関する問題で正答率が高い人には、「情報をみる頻度が高い」、「家計管理がしっかりしている」、「緊急時の資金的備えを持っている」などの行動や考え方の特徴がみらます。
そしてこの結果、「金融トラブルに遭いにくい」、「消費者ローンの利用が少なめ」、「経済的ショックへの耐性が強め」などの状況になっています。(金融広報中央員会「金融リテラシー調査 2019年」)

橘さんもお金の知識を増やし、投資や保険へと進んでいきましょう。公正な立場で情報提供されている金融広報中央委員会の情報サイト「知るぽると」もおすすめです。迷ったとき、困った時には弁護士やファイナンシャル・プランナーなどの専門家に相談する方法があることも覚えておいてください。

知るぽると
https://www.shiruporuto.jp/public/

【参考サイト】
金融庁「最低限身に着けるべき金融リテラシー」
https://www.fsa.go.jp/news/25/sonota/20131129-1/01.pdf

金融広報中央員会「金融リテラシー調査 2019年」
https://www.shiruporuto.jp/public/document/container/literacy_chosa/2019/pdf/19literacy.pdf


社会人になりました。貯金の目安とコツを教えてください。
なかなか貯蓄ができません。勤務先には社内預金も財形の制度もありません。何か良い方法があるでしょうか。
定期預金だけではもったいないと友人に言われました。投資は不安ですが少しは興味があります。何から始めればよいでしょうか。