子どもが専門学校へ進学したら、学費はどれくらいかかるのでしょうか?


今回、回答いただく先生は…
村井 英一先生(むらい えいいち) プロフィール
  • 就学期間が2年なので、学費、生活費ともに4年制大学より安上がりです。
  • 1年間の費用は安いわけではなく、大学よりも高い場合もあります。
  • 卒業後の進路もふまえ、本人に関心があることが必須の条件です。

  安田 啓子さん(仮名 55歳 契約社員)のご相談

子どもが高校卒業後の進路で、大学に進むか専門学校に行くかで迷っています。専門学校は大学に比べて費用が安くすむのでしょうか?

安田 啓子さん(仮名)のプロフィール

家族構成
家族 年齢 年間収入
ご相談者 安田 啓子さん 55歳(契約社員) 年収120万円
配偶者 健司さん 55歳(会社員) 年収400万円
長女 美咲さん 17歳(高校生)
金融資産 普通預金 800万円

修学年限が短い分4年制大学よりも安上がりですが、1年あたりでは安くありません。学費よりも将来目指す職業をイメージして検討を。

1.私立の4年制大学と比べると半分程度です

安田様、こんにちは。お子様は高校3年生ということで、卒業後の進路を決めなければならない時期ですね。学習内容や入学の難易度、将来の職業まで考えねばならず、ご本人も迷っているのでしょう。ご両親にご負担を掛けたくないともおっしゃる親孝行なお子さんですね。親としては、できるだけ本人の希望をかなえてあげたいだけに、学費については事前に確認しておきたいところです。

専門学校は、専修学校のうち高校卒業者を対象にした1年以上の課程で主に職業教育を行う学校です。修学期間は2年が多く、専攻によっては3年、1年などもあります。
大学はその多くが4年ですので、それと比べるとトータルでの学費は安くなります。例えば私立大学の場合、4年間の学費の合計は平均で約460万円にもなります。それに対して、専門学校の場合、2年間の学費の合計は平均で約233万円です。もっとも、大学でも国立だと4年間の合計が約242万円で、専門学校の2年間とそれほど変わりません。
自宅外通学の場合、アパート代や生活費の送金などもあり、2年と4年ではトータルな負担は大きな違いとなります。

2.初年度納付金は事前の準備が必要

専門学校は私立大学の4年間と比べると総費用は半分程度ですが、ほとんどが私立ですので、1年あたりで見るとそれほど変わりません。「専門学校は大学よりも安い」というイメージがありますが、それは修学期間が短いためであり、学費そのものが安いわけではありません。専攻の内容によっては、1年間の学費は大学より高い場合もあります。
専門学校では、卒業後に仕事の現場で使える技術を習得します。それだけに、マンツーマン教育や高価な設備を必要とすることが少なくありません。常に最新の機器や技術を導入する必要もあり、費用がかかるのです。

専攻によってもかなり違います。比較的安いのは看護師養成のコースで、入学金を含めた初年度納付金が約96万円となっています。ところが、同じ医療系でも理学療法士・作業療法士養成だと約178万円となります。ゲーム・コンピューターグラフィック部門は約134万円、介護福祉は約109万円と、それぞれ異なります。2年間修学した場合で、おおよそ170~330万円と差があります。

専門学校の学生も日本学生支援機構の奨学金の対象です。また、さまざまな奨学金制度でも大学と同等に扱っているものがあります。ただ、奨学金は入学後に月額で支給されるのが一般的です。初年度納付金については、入学前に納める必要があり、あらかじめ準備しておく必要があります。

3.本人が興味を持っていることが進学の前提

トータルでの学費や生活費を考えると、修学期間が短い専門学校の方が4年制大学よりも安上がりです。しかし、学費や入学のしやすさだけで進路を選択するのはお勧めできません。専門学校に進学した後に退学してしまうケースが少なくないからです。専門学校の授業は実践的で、大学などと比べると履修科目の選択の余地がありません。資格が必要なコースでは、修学中の合格が必須になります。卒業後の進路は明確、周りの学生もその分野を目指す人ばかりです。
大学であれば、専攻選択後にあまり興味が持てなくても何とかやり過ごすこともできなくはありませんが、学習内容が絞られる専門学校ではそうはいきません。その結果、ドロップアウトして退学となる学生もいるのです。

専門学校に進学するということは、進学先で勉強することはもちろん、その後の職業まで進路を絞ることになります。もちろん、高校生のうちから仕事の向き不向きまで見極めることは難しいのですが、少なくとも興味や関心を持てる分野に進みたいものです。大学に比べて学費が少なく、入学しやすいのは確かです。しかし、そのことだけでなく、将来の職業までイメージできた上で専門学校への進学を選択したいものです。将来の希望が漠然としているうちは、短期大学も併せて検討するとよいでしょう。

※学費については、専門学校は公益社団法人東京都専修学校各種学校協会調べ。大学は文部科学省調べ。


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