長女が推薦入試に合格したら11月に入学金が必要です。来年1月満期の学資保険は解約するしかないのでしょうか。


今回、回答いただく先生は…
森田 和子先生 (もりた かずこ) プロフィール
  • 生命保険に加入していることでお金を借りられる場合があります
  • 借り入れ日数が短いほど利息は少なくなります
  • 学資保険以外の保険でも契約者貸付を利用できます

  小野麻里さん(仮名 46歳 会社員)のご相談

高校3年生の長女が推薦入試で受験します。合格すれば11月中に入学金などで100万円を納めなければなりません。学資保険の満期金300万円をあてにしていましたが、満期が来年の1月であることに気付きました。冬のボーナスが出るのも12月なので入学金の締め切りには間に合いません。保険は満期よりも前に解約すると損をすると聞きますが、教育ローンを借りるよりは学資保険を解約した方がよいのでしょうか。

小野麻里さん(仮名)のプロフィール

家族構成
家族
本人(46歳):会社員
夫(43歳):会社員
長女(17歳):高校3年生

生命保険には「契約者貸付」という制度があり、審査無しでお金を借りることができます。解約とどちらが有利になるかを窓口で計算してもらいましょう。

こんにちは、小野さん。ご相談ありがとうございます。現金が不足しているとはいえ、学資保険があるのは心強いですね。満期よりも前に入学金が必要になるのは心配ですが、学資保険を解約する前に、生命保険にある制度の利用を検討してみましょう。

生命保険に加入していることでお金を借りられる場合がある

小野さんの現在の状況から入学時納付金を準備するには下記の3つの方法が考えられます。

  • (1)学資保険を解約する。
  • (2)学資保険は解約せず、教育ローンで100万円を借りる。
    学資保険の満期金300万円を受け取ったら教育ローン100万円を返済する。
  • (3) 契約者貸付制度を利用して、学資保険から100万円を借りる。

小野さんは(1)と(2)のどちらにするかでお悩みですね。(1)の学資保険を解約する方法で現金を準備することはできますが、満期前の解約には抵抗があります。(2)の教育ローンで借りる方法であれば、学資保険を解約しなくても済み、2ヵ月後には満期金でローンを完済すればよいので合理的にも思えます。
しかし、ローンを利用すれば利息や手数料を支払うことになります。一括で返済する必要がないために分割での返済を選ぶと、さらに利息は増えていきます。必要のない借金はおすすめできません。(3)の学資保険の契約者貸付でお金を借りる方法を検討してみましょう。

借り入れ日数が短いほど利息は少なくなる

生命保険には、解約返戻金の一定範囲内でお金を貸し付ける「契約者貸付」の制度があります。解約返戻金とは保険を解約した場合に受け取れるお金です。この制度を利用すれば、保険を解約することなくお金を借りることができます。自分の加入している保険を担保にしてお金を借りるようなものなので、教育ローンの融資を受ける時のように年収などを審査されることはありません
借りられる金額や金利は契約ごとに違います。そのため、利息をどれだけ支払うかは契約ごとに違いますが、満期の2ヵ月前(61日間)に契約者貸付を利用した場合の例で試算してみましょう(ここでは配当金と税金を考慮しません)。

一般的に、契約者貸付の利息は1日単位の日割りで計算されます。例えば、1月満期の満期金300万円の学資保険から、11月に100万円を借りるとします。この保険の貸付金利を3%として試算すると、2ヵ月間の利息は約5,000円です。

契約者貸付で100万円を61日間、貸付金利3%で借りた場合の利息の例

貸付を受けた金額×貸付金利×借り入れ日数÷365日(または366日)
=100万円×3%×61日÷365日=5,013円

このケースでは、11月に100万円の貸付を受け1月に満期を迎えると、満期金の300万円から借りた100万円と利息の約5,000円が引かれた残りの金額199万4987円を受け取ります。返済する手間を省けるのもメリットの一つと言えるでしょう。

また、満期まで期間が短いのであれば、契約者貸付を受けて利息を支払うよりも、解約する方が最終的な受取額が大きくなる可能性もあります。解約と契約者貸付のどちらを選ぶ方が有利になるかについては保険会社の窓口で計算してもらいましょう。

学資保険以外の保険でも契約者貸付を利用できる

契約者貸付は、加入してから年数の浅い保険や、解約返戻金の無い保険などでは利用することができませんが、学資保険以外の生命保険でも利用することができます。貸付を受けている間も万一の保障などが変わることはありません。 「11月に契約者貸付を受け、12月に冬のボーナスが出たら返済する」という使い方もできます。ただし、もしも貸付金の元利金が解約返戻金を超えてしまうと、最悪の場合には保険が失効してしまうこともあります。短い期間で返済できるあてがないのであれば、学資保険以外の生命保険では安易に利用しない方がよいでしょう。


この春から子供が小学校に入学します。学資保険に入っていないのですが、今から教育費を準備する方法がありますか。
子供の教育費を貯める自信がありません。 もしも奨学金を使った場合、返済していけるでしょうか?
子どもの教育費負担が大きいので、 教育ローンや奨学金などを活用したいと思っています。

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