消費税10%になったことで、住宅のリフォームや自動車購入に対する負担軽減策などはありますか?


今回、回答いただく先生は…
井上 信一先生(いのうえ しんいち) プロフィール
  • リフォームには商品と交換できるポイントが付与され、車の購入には2種類の税の軽減があります
  • 生活支援策等の恩恵を受けようと、ムリな実施プランにすることがないよう注意が必要です
  • 増税による官民一体での景気対策は今後も期待できますので、情報にアンテナを張っておきましょう

  神野宏一さん(62歳 仮名)のご相談

築40年を超える自宅なので近いうちにリフォームをしようと考えています。消費税の負担も軽くはないので、税率が上がったことによる軽減策は何かありますでしょうか?
また、車を買い替えようか迷っていますが、こちらについての軽減策があれば教えてください。

神野 宏一さん(仮名)のプロフィール

家族構成
家族 年間収入 貯蓄額
本人 62歳
(会社員)
約360万円 約3,800万円
妻 60歳
(パート)
約60万円
子2人は別居で各々の家族があり

期間限定の支援策もありますが、大きな買い物の計画は慎重に。
キャッシュレスでの買い物の恩恵も決して小さくはありません。

神野様、ご相談ありがとうございます。中高年齢層の方の中には、神野様のようなニーズのある方も少なくないと思われます。
10月から消費税の標準税率が10%となりましたが、前回の増税時に消費が冷え込んだ反省から、今回は政府が様々な生活支援策を講じています。住宅リフォームや車の購入時の支援策もその一例です。

住宅のリフォームをすると、ポイントで好きな商品と交換できます

建物の老朽化や将来の要介護期に備え、ご自宅の改修を検討されている方は多いと思われます。今回の支援策は住宅取得だけでなく、一定の「省エネ・耐震・バリアフリー性能を満たす」か、「家事負担軽減に繋がる」リフォーム等を行う場合も対象となっています。

例えば自宅の階段に手すりを設置すると5,000ポイント、段差解消で6,000ポイント、外壁断熱改修で10万ポイント、耐震改修で15万ポイントといった具合に、リフォームの種類に応じたポイントが付与されます。この貯まったポイントは家電やインテリア、食料品等の指定商品と交換できる※というしくみです。
※1戸につき2万ポイント以上が申請の条件となります。

2020年3月末までに少なくとも施工業者との契約締結が必要と、あまり時間的な猶予はありませんが、大掛かりな工事だけでなく、キッチンに「ビルトイン食器洗機」や「ビルトイン自動調理対応コンロ」、トイレに「掃除しやすいトイレ」、浴室に「浴室乾燥機」などのちょっとした設備を設えるだけでもポイントの対象となります。そして、交換できる商品は2万件超の豊富さでどれも生活に役立つものばかり。
リフォーム費用が軽減されるのではなく、普段購入するような商品を貰えるというしくみですが、思った以上のお得感はありそうです。詳しくは、以下の国土交通省のサイトを確認してみてください。

〇リフォーム等の種類に応じたポイントの検索
https://www.jisedai-points.jp/manufacturer/search/
〇交換できる商品の検索
https://goods.jisedai-points.jp/jjp01/jjp/viewCategoryTop

なお、ご利用の際には、工事等が「次世代住宅ポイント」の対象となっているかどうかを確認の上請負契約締結をし、その工事等の完了後(一定の場合は工事完了前でも可能)に、次世代住宅ポイント事務局へ郵送または窓口にてポイント発行の申請をおこないます。
申請が受理されれば事務局よりポイント発行の通知等が届きますので、期日(2020年6月30日)までに、ご希望の商品と交換する申込をする流れとなります。

車の税金が概ね下がります

車の買い替えを検討されている方への支援策は、自動車に関する税金の減税措置となります。これまで車の購入時には自動車取得税がかかり、保有中は自動車税が毎年かかっていました。ですが、10月からは自動車取得税が廃止となる代わりに、車の環境性能に応じた環境性能割(自家用自動車は0%~3%)の課税制度が導入されています。
今回の支援策では2020年9月末までの購入に対し、この環境性能割が各々1%減税となります。新車だけでなく中古車も対象なのが嬉しいところでしょうか。

また、新車の自家用乗用車(軽四輪車を除く)だけが対象ですが、保有時の税負担については排気量に関わらず毎年かかる自動車税が軽減されます。名称も「自動車税」から「自動車税(種別割)」と変更になっています。こちらは恒久措置なので、この先もずっと減税後の税率が適用されます。特に2,000CC以下の車は引き下げ前と比べると毎年10~15%の減税と大幅な引き下げとなっています。

生活支援策を賢く利用しましょう

消費税は日常の生活に直接関わるので、増税は確かに痛いところです。ですが、生活支援策は今回ご紹介したもの以外にも様々あり多岐に渡っています。
子育て世代や低所得高齢者向けのものが中心ではありますが、どの世代でも幅広く恩恵を受けられるものもあり、日常の飲食料品等の購入(外食のテイクアウト含む)が8%の軽減税率となるのはご存じだと思います。

また、中小小売店やコンビニなどのフランチャイズ店でも、現金決済でなくキャッシュレス決済であれば、2%~5%のポイント還元を受けられます。大手コンビニのフランチャイズ店では、決済時にポイント還元分を還元(値引き)した支払額としています。
キャッシュレス決済というと敷居が高いように感じますが、レジで対応していることを確認できれば、既に生活の中で馴染みのある交通機関系電子マネーやクレジットカード払いにするだけで恩恵を受けられます。
また、少しハードルが上がるかもしれませんが、「〇〇ペイ」といったスマホ等での各種コード決済では、期間ごとに更なる還元を受けられるキャンペーンを実施しています。こうしたキャッシュレス決済は余計な手数料がかかるようなイメージを負いがちですが、プリペイド方式や即時払い方式であれば余計な負担はかかりません。また、後払い方式であっても、・利用代金の精算は翌月の一括払いにしておく、利用する「電子マネー」・「〇〇ペイ」等の精算は同一のクレジット会社1~2社程度に紐づけしておくといった工夫をすれば、つど現金で支払うのと比べ、余計な支払い負担がかかることなく次の買い物の支払から差し引けるポイントが付与される、といったメリットを受けられます。

ただし、このような支援策は適用期間が限定的なものも少なくないため、リフォームや車の買い替えなどその恩恵を受けようとムリに計画を早めたり、買い物で使い過ぎることがないよう、生活設計をしっかりと持つことが大切です。とくに高額な出費をする際には入念な購入プランが必要ですが、下調べが不十分であったり資金が不足しているうちに借入をしてしまったりしては本末転倒です。

ただでさえ競争が激しいなか、景気が冷え込むと企業やお店にとっても死活問題です。今回ご紹介した以外にも、今後も官民一体での恒常的なサービスを期待できると思われます。その際には、新聞等のニュースだけでなく、当サイトのように中立的な情報を提供するサイトで適宜発信されていくと思いますので、情報にアンテナを張っておかれるのが賢明でしょう。
支援策を上手に利用して、増税前よりも逆に支出を減らしていく工夫をしたいものですね。


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