第14回:お小遣いにも税金はかかるの?【子供に話すお金の話】

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「お金をもらう」と聞くと、なんとなく嬉しい気分になります。

例えば、お小遣いをもらう時や、お年玉をもらうときなどは、ウキウキした気分になりますよね。でも、もらう金額が大きくなると、税金がかかることをご存知でしょうか。

実は、ある個人からお金などを受取った場合には、『贈与税』という税金を支払わなければならないのです。では、お年玉やお小遣いをいくらぐらいもらうと税金がかかるのか想像がつくでしょうか。

そこで今回は、『お金をもらう』ということについて考えてみたいと思います。


いくらぐらいもらうと税金がかかるの?

まず、『お金をもらう』ときの税金のパターンを覚えておきましょう。

大きくわけて3種類の税金があります。「所得税」「贈与税」「相続税」の3つです。

種類 税金の説明
所得税 個人が稼いだお金に対してかかる税金 ・給料
・株での儲け、銀行の利子など
贈与税 個人が無償(つまりタダ)でもらう場合にかかる税金 ・お金持ちがくれるお金など
相続税 ある人が死亡したことにより、財産を引き
継ぐ時にかかる税金
・生命保険金
・死亡退職金など

まず、所得税というのは、自分で稼いだ場合にかかる税金となります。例えば、サラリーマンであれば「給料」、プロ野球選手であれば「年俸」が所得税の対象になります。また、働く以外にも株などの投資で儲けたお金や銀行の利子、お年寄りの年金などに対して支払う税金も所得税になります。

次に贈与税ですが、個人が無償でお金をもらう場合にかかる税金となります。一見、所得税と違いがないように見えますが、『無償(つまりタダ)でお金をもらう場合』であることが所得税との違いです。例えばおじいちゃんがお金持ちで、孫に1000万円ぐらいポンと渡す、などというときには、贈与税の対象となります。

最後に相続税です。相続税の場合は「ある人が死亡したことにより、財産を引き継ぐ場合」にかかる税金です。例えばお父さんが死亡した場合に、その財産を引き継ぐ際にかかる税金であり、「死亡したこと」が条件となります。相続税も「個人がタダでお金をもらう」という点では贈与税と一緒なのですが、お金をもらう原因が「死亡」であるかどうかが相続税と贈与税の違いとなります。

ちなみに、「贈与」や「相続」は、お金だけに限らず、土地や家などの不動産や車、株や絵画、宝石など、価値のあるものに対してもいくらぐらいになるかを換算して計算されます。

では、いったいいくらぐらいもらうと税金がかかるのでしょうか。それぞれの3つの税金を比較してみましょう。

お金をもらう額 所得税* 贈与税 相続税**
200万円 8万円 9万円 0円
400万円 26万円 29万円 0円
600万円 70万円 82万円 0円
800万円 112万円 151万円 0円
1000万円 164万円 231万円 0円
2000万円 505万円 720万円 0円
5000万円 1705万円 2220万円 0円
1億円 3705万円 4720万円 600万円

*所得税・・基礎控除38万円のみ(その他控除なし)で計算
**相続税・・配偶者なし、子1人として計算

上の表は、1年間に得たお金に対して、どれくらいの税金がかかるかを示したものです。

まず、所得税と贈与税を比較すると分かるかと思いますが、贈与税の方が税金が高くなっています。これはなぜかというと、贈与税は「タダで」お金をもらっているからであり、その分他の税率と比べて税率を高く設定されているのです。

例えば、600万円で比較した場合、所得税だと70万円なのに対し、贈与税だと82万円かかります。これが1000万円になると、所得税は164万円に対し、贈与税は231万円。

したがって、例えばお金持ちのおじいちゃんが孫に「1000万円あげよう!」ということになると、1000万円のうち、231万円は税金を支払わなければならない、ということになります。1億円となると、贈与税は4700万円以上支払うことになるため、およそ半分を税金として納めなければならないことがわかります。

ちなみに、相続税は5000万円までは税金がかからず、また子供等の人数によっては更に税金が軽減されます。これはあまり税率を高くしてしまうと不都合が生じてしまうためです。例えばお父さんが亡くなったときに、贈与税のように高い税率がかけられてしまうと、それまで住んでいる家を売らなければならないかもしれません。したがって、ある一定の額までは税金がかからないようになっているのです。したがって、実際はお金を相当持っていない限り相続税を支払う必要はなく、実際に相続税を支払う必要のある人は20人に1人ぐらいしかいないのです。

お小遣いにも贈与税がかかるの?

さて、話を戻しましょう。お金をもらうと税金がかかることを説明してきましたが、それではいくらぐらいお年玉やお小遣いをもらうと税金がかかるのでしょうか。まず、お年玉やお小遣いは、「タダでもらう」お金ですから、贈与税が適用されます。ここで、贈与税がかからない代表的な2つのケースを説明しておきましょう。

1. 年間110万円までは贈与税はかからない
贈与税は、1人あたり110万円までであれば税金はかかりません。先ほどの例でおじいちゃんが孫に1000万円をポンと渡すと贈与税がかかると説明しましたが、1年あたり110万円までは税金がかかりませんので、例えば1年に100万円を10年間にわたってお金をあげれば、贈与税はかからないことになります。(ただし、贈与の方法には注意が必要です。この点は最後にお話します)

2.生活費や教育費には贈与税はかからない
夫婦・親子や兄弟などの間での生活費や教育費は、贈与税の対象にはなりません。例えば、お小遣いだけでなく学校に通うための学費や塾の月謝などは贈与税を支払う必要はありません。同様に、大学生の子供などがいる場合の親からの仕送りについても「生活費」ということで対象外になります。ただし、仕送りのお金が極端に多いという場合や、あるいは仕送りのお金で株やマンションを買うなど、「生活費」や「教育費」とは関係のない使われ方をしている場合は、贈与税の対象となるので注意が必要です。

以上より、少なくとも1年間で110万円までは税金がかかりませんし、1万円や2万円など、額が大きくなければ「生活費」の範囲です。したがって、相当な額のお小遣いやお年玉をもらわない限りは、税金はかからないということになります。

贈与のときの注意点

最後に、贈与の際の注意点を説明します。
贈与を受ける金額が大きい場合には、その年にいくらもらったかが後で証明できるような書類を揃えておいた方が安全です。そのためには少々面倒でも、お金をもらう際に契約書を作成し、実際にお金が振り込まれたときの証拠となる通帳などのコピーを取っておくと良いでしょう。

また、毎年110万円までは贈与税はかからないと申し上げましたが、毎年100万円を定期的に10年間にわたって贈与すると、贈与税がかかる場合があります。

毎年同じ額を贈与していると、「1000万円の贈与を単に1年ずつ10回に分けている」と税務署で判断されることがあります。この場合は、「1年に100万円の贈与を受け取る」という解釈ではなく、「毎年100万円ずつ10年間に渡ってもらえる権利を最初の年に受け取った」と解釈されてしまいます。したがって、最初の年に1,000万円分の贈与税を支払うことになる可能性があります。このことを避けるためには、毎年贈与額を変える、贈与日を変える、などの工夫が必要となってきます。

具体的なアドバイスは税理士に相談してみましょう。

執筆:坂本光(さかもと ひかる)CFP
一級ファイナンシャルプランナー・CFPR、日本キャリア開発協会認定キャリアカウンセラー、日本応用カウンセリング審議会認定心理カウンセラー。2006年5月週末起業を決意し、通信事業者に勤務しながら合同会社FPアウトソーシング代表を務める。ファイナンシャルプランニングに関する個別相談・セミナー講師としても活動中。