物価スライド特例分2.5%の解消 ~嵐がすぎるまでじっと我慢の3年~


嵐がすぎるまでじっと我慢の3年

この春日本列島は、台風並みの強風を伴う春の嵐に襲われました。今後も予断を許さない状況とはマスコミの情報です。天候の変化や怖さは誰の目にもはっきり分かります。
ただ、高齢者や将来の高齢者にとって毎日の暮らしに危機的なことがこれから始まる厳しさの現実を、どれくらいの人が実感しているのか疑問です。今回は、平成24年度~26年度の3年間で行われる物価スライド特例分2.5%の解消についてお話ししましょう。

物価スライト特例分とは?

現在支給されている年金は、平成12年度~14年度に物価下落したにもかかわらず特例で年金額を据えおいたことなどにより、本来の年金額より2.5%高い水準(特例水準)となっています。現在受給している人の年金額を本来の水準に軽減し、現役世代の将来の年金額を確保と社会保障の充実を目指すが2.5%解消の目的です(法案成立後)。


40年後は1.2人の現役世代が1人の高齢者を支える時代へ

年金の財政は現役世代からの保険料と全国民の税金で成り立っています。人口の高齢化と現役世代の減少などで、高齢者と現役世帯の給付(年金)と負担(保険料等)の不公平感も大きくなってきました。
このままでは、1965年には1人の高齢者を9.1人で支える社会でしたが、2050年には1.2人で支えることになりそうです。将来の高齢者への負担の先延ばしは限界にきている事情も納得ですね。

1965年、2012年、2050年


平成24年度の年金額は0.3%引き下げ

平成24年度の年金額は前年比で0.3%引き下げられます。年金は偶数月の15日に前2ヵ月分が口座に入金されます。年金額は4月から変わるので、実際の受取額が変わるのは4月分と5月分が入金される6月からです。

平成24年度のモデル世帯の年金額

  平成23年度(月) 平成24年度(月)
国民年金(老齢基礎年金1人分) 65,741円 65,541円(▲200円)
厚生年金(夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額) 231,648円 230,940円(▲708円)

※厚生年金は、夫が平均的収入(平均標準報酬36.0万円)で40年間就業し、妻がその間全て専業主婦だった世帯の給付水準


さらに平成24年10月から物価スライド分2.5%を3年間で減

平成24年4月0.3%減となりますが、さらに物価スライド特例分2.5%が平成24年10月、25年4月、26年4月に各0.9%、0.8%、0.8%減額されます。1年のうちに2回も年金額が減少するのは今まで例がありません。年金額は10月から変わるので、実際の受取額が変わるのは10月分と11月分が入金される12月からです。


情報を自分のものとして、先を読んだプランニングをたてましょう!

年金などの相談を高齢者から受けて感じるのは、実際に口座の入金が減ってから「こんなに減ったのはなぜ? これでは暮らせない!」と途方にくれる人が多いことです。

国は先行きの年金給付に関する情報を、日々マスコミを通してまたはお手紙などで提供しています。今既に年金が支給されている人も、これから年金を支給される人も、単に減額率だけでなく実際の金額をある程度予想して、家族で危機感を共有し、早めにこれからのライフプランの準備をする必要があるでしょう。

現在年金が支給されている高齢者の中には、年金が減少すると年金だけで生活できないと言われる人もいます。逆に言えば、今まで年金だけで暮らしてきた人も少なからずいたということです。ただ、はっきりしているのは、これからの人は『公的年金だけで生活できる人はほとんどいない』ということです。

そうはいっても継続的に支給される年金はありがたい収入です。だからこそ老後生活のベースとなる年金に関心を持ちながら、保険や預貯金などで年金の減少分と高齢期特有の支出の増大分を自己責任で着々と準備する才覚もこれから益々必要かも知れません。

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