自分を変えるきっかけの「サイン」をどう受け止める? ~目を凝らせば人生のお手本が一杯


コロナが収まりそうもなく外出が必要な仕事が減った分、ゆとり時間でオンライン講座(ZOOMやeラーニング)の受講が増えました。当初、高齢でもあり操作に苦手意識がある私は、受講案内が来ても無反応。きっかけは、「高齢者も時代の波に乗らないとドンドンおいていかれるよ!」の子どもからの厳しい一言。
会に所属しているからこそ学びのチャンスを得ていると気づいた今は、社会保険労務士会や社会福祉士会等から届く仕事関係の講座、興味がある講座で学び直しの毎日。新しい発見が次の学び先に繋がり楽しみの枝分かれが増えています。

不思議ですねー。一日のスケジュールが埋まって来ると、時間の管理も上手になりました。八方ふさがりの現在だからこそ、今回は、何が起ころうとも新しいことを吸収できるコツをお話したいと思います。誰もが生存していれば、いずれは高齢者ですが、今日が一番若いのだから。
何もせず冬眠を決め込んで不安ばかりで募らすのも1つの生き方、未知の世界にトライして楽しむのも1つの生き方。人生の3~4割が老後となるこれからは、自分が変わるきっかけ(=サイン)に気づき行動できれば光も見えてきそうです。

100歳以上8万450人 ~57年で約526倍に

100歳以上の高齢者の数は、昭和38年には全国で153人でしたが、令和2年9月15日現在、8万450人(前年比+9,176人)、うち女性は7万975人(全体の約88%)です。ちなみに国内最高年齢は、男性は110歳、女性は117歳。地域で話題の高齢の方がお住まいの市町村からの一言紹介から、元気なメッセージが伝わってきます。

住民基本台帳に基づく100歳以上の高齢者の総数

総数
昭和38年 153人 20人(13.1%) 133人(86.9%)
令和2年 80,450人 9,475人(11.8%) 70,975人(88.2%)

厚生労働省  令和2年9月15日現在  ( )は、全体に対する割合

地域で話題の高齢者 ~お住まいの市町村からの一言紹介から抜粋 (敬称略)

東京都
八王子市
荒井 モト
(女)
100歳 毎日デイケアに通われリハビリに全力投球されています。100歳とは思えない体力と筋力をお持ちで、立派な力コブもあります。算数に国語にと頭の体操も日々実行し、日常生活はすべて自立されています。施設の人気者です。
大分県
佐伯市
古田 春子
(女)
101歳 歯科医である息子さんの歯科医院で今も現役で窓口に座り受付をされています。101歳となった現在も大変お元気な方で、通院に来られる方を笑顔で迎えられています。
熊本県
上益城郡
山群町
緒方 留男
(男)
100歳 電動自転車に乗り10分かけて、近くの温泉に入りに行き、常連さんや地域の方とおしゃべりをすることを楽しみにしています。日中はテレビで野球観戦や読書をしており、野球選手の打率をノートに記録しています。また、自転車で通う月1回の散髪や地域の食堂での外食で地域との交流を図っています。

厚生労働省

年齢で括れない時代になった  

ごく普通の高齢者自立して暮らしを楽しんでいる様子が目に浮かびます。かつ、周りも年齢で決めつけるのでなく、1人の人間として対応し始めつつある様子が嬉しい変化です。長寿化は高齢者の経済・健康・知力・気力等の格差を拡大させ、年齢で括れない時代になってきました。

事例 1 ~地域で仲間と生きる

人生が長くなった分、最期まで納得した生き方ができるかどうかは本人次第。私が通うストレッチ体操の会は20年以上通う方がかなり参加。皆さんお元気で「もうすぐ90歳だからねー」の言葉が謙遜にしか聞こえません。但し、環境は変わったと曰く、「昔、子供の声が聞こえた団地も、日中は高齢妻が1人でひっそり住む家ばかり。ここに来れば話し相手もいて体も動かせるのが嬉しいと・・」。続けてきたからこそ体力と仲間も増えたのですね。

事例 2 ~見ている人がいた

私は仕事で成年後見人等を複数受任しています。昨年10年近く支援してきた方が病気で亡くなりました。無事葬儀も終わり本人の荷物の整理や会計の精算等で施設に伺ったとき、思いがけず施設の方から成年後見人受任を打診されました。
支援する高齢者との年齢差が2歳なので一旦は断りましたが、施設の方の「ここまで面倒を見ていただけると思っていませんでした」の一言で、「見ている人がいた」嬉しさから引き受けました。健康に気をつけてやり遂げようと思ったとき、私の方が生き甲斐を頂いたことに気が付きました。

事例 3 ~100m走 90~94歳クラス 16秒86「世界新」!

お元気高齢者が増えたとは言え、青森市の田中博男さん(90歳)が(90~94歳)の男子100メートル走で16秒86の世界新記録を樹立したニュースに感動しました(2021年5月1日 岩手県トラック競技記録会花巻大会  出典:東奥日報)。ちなみに200メート走も38秒09の日本新記録。タイムは勿論、体躯が真っすぐで腿を高く上げて走るパワーに圧倒され、準備体操をする体のしなやかさは、いい意味で高齢者のイメージを変えてくれました。希望が出てきました。

ありたい姿(お手本)をイメージして行動する

高齢期の特徴は、脳の老化・身体的な機能低下・価値観・配偶者や子との死別や定年退職等の経験などの影響により個人差が大きいこと。以下の加齢に伴う心理的変化を前向きに受け止めた今からの対策も可能です。例えば、社会的孤立を避けるため仕事以外の仲間づくりに取り組む、新しいことを覚えざるを得ない環境に身を置くのも一案でしょう。

高齢期の加齢に伴う心理的変化

低下しやすい 低下しにくい
新しいことを覚える・新しい環境に順応する能力 言葉の意味や一般的な知識
処理速度・複数のことを平行して処理する能力 自転車の乗り方・ピアノの演奏など習得された技能や動作
社会的孤立等の状態から不安・ストレスを抱え、うつ状態、無気力になりがち

公益財団法人長寿科学振興財団  フレイルと心の健康     2121年1月14日更新

学習・社会参加の実態

60歳以上の者の社会的な活動の状況を見ると、特に活動をしていない割合は前回統計より減少しています。活動していない理由は、「体力的に難しい30.5%」、「活動をする意思がない28.7%」、「時間的な余裕がない28.0%」。面白いのは「活動の誘いがない7%」、「活動する仲間がいない4.9%」です。

現在行っている社会的な活動 (複数回答) (年齢別)

令和2年版高齢社会白書

社会的な活動をしていない理由 (複数回答)

令和2年版高齢社会白書

高齢期、待つだけでなく自分で動くのも選択肢の1つ

私も含め高齢者の残り時間は限られています。①仲間がいない②活動の誘いがないとあきらめず、自分で居場所作りに関与する③限られた時間を有効に使う‥等も大切かもしれもません。
以下は私の場合。

  1. ① せっかく入会した会が退会者の続出で廃部の危機。会を続けたい私は、会の募集チラシを作成・広報、毎週の場所取りを引き受けた結果、人数も増え私の居場所確保ができました。
  2. ② 前述のストレッチ体操の会の入部時、「自分から参加した人は珍しい」と喜ばれ(ほとんどが知人からの口コミで入部)、視点が前向きになってきた気がします。
  3. ③ 友人からお誘いを受け山里を散策してきました。夫の介護をする友人は、限られた時間内で、自分もリフレッシュさせ、声掛けして人の輪を広げています。仕事漬けだった私も誘って下さる人がいたことで、人間関係に少し自信がつきました。

高齢者を年齢で一括りできない時代の到来は、若い世代にヒントを与えてくれそうですね。