働き方を見直すきっかけにして欲しい! ~被用者保険(厚生年金・健康保険)の適用拡大


厚生労働省が「被用者保険の適用拡大に伴う専門家活用支援事業」に2021年5月から取り組みます(専門家とは社会保険労務士)。働きたい人が働きやすい環境を整え、短時間労働者について年金等の保障を厚くするために、被用者保険(年金・医療)の適用拡大を進める目的です。
企業や従業員に改正内容等を積極的に周知・広報を実施予定です。

今後、パート従業員にも社会保険適用の一般化が予想され、従業員も企業も目先の負担(保険料)だけでなく将来を見据えた視点が求められます。従業員は長寿化で年金受給期間が長くなり総受給年金額の増加、傷病手当金・障害年金といった所得補償等、企業は社会保険完備で従業員雇用の信用度が増し、共にメリットが大きいです。

長寿化、コロナ、災害頻発…。過去の経験だけでは対応できない時代になりました。今回は、従業員も企業も未来の危機に備え各々の居場所を確保して欲しい気持ちでお話しします。

短時間労働者といえば女性のイメージですが、定年後働き続ける高齢男女も増えています。50歳くらいから自分の老後の働き方のイメージをしておきましょう。長寿時代は成り行き任せで超えられるほど甘くはありません。

適用拡大で厚生年金加入となった多くは女性または高齢者

短時間労働者の年齢構成は、男子は60~64歳、65~69歳の割合が高く、女子は、45~49歳の割合が最も高く、平均年齢は男子53.4歳、女子は48.7歳となっています。

厚生年金保険(第1号)短時間労働者の年齢構成(令和元年度末)

令和元年度厚生年金保険・国民年金事業の概況

パート・アルバイトの方の年金や医療保険が変わる (令和2年改正年金法)

今回改正で50人超規模の企業まで適用範囲を拡大、雇用期間1年以上といった条件が以下のように撤廃されました。

加入対象者は以下のすべてに該当したパート、アルバイトの人です。

社会保険適用拡大ガイドブック  厚生労働省

気になる年金額と保険料のイメージ (目安)

国民年金から受給する老齢基礎年金額は約6,500円(月) (令和3年度 約78万円 (年) 40年加入) 60歳を超えた人を含め加入期間が40年に満たない場合、厚生年金加入で年金額が増える

事例国民年金に30年加入(納付済後)50歳から厚生年金に65歳まで15年間加入した場合

★厚生年金に50歳から15年加入で、差額加算5年分≒10万円増は魅力
結果、受給額は、65歳からの(老齢厚生年金 A+③ ) + 国民年金 (30年+10年)

① 定額部分の上限月数は40年(昭和21年4月2日以降生まれ)
② 厚生年金に50歳から加入した場合、老齢基礎年金額に反映するのは60歳までの10年
③ 経過的加算(年金事務所等での65歳からの見込み額のデータでは差額加算)

※上記は、国民年金のみの加入者が厚生年金に加入して働いたときの年金額のイメージです。
なお、65歳以上で在職中(厚生年金加入)の老齢厚生年金の加入者は、2022年4月から、1年に1回、それまでの加入期間を反映して年金額が改定されます。

厚生年金に加入して受給できる年金額は、報酬額(賞与含)に比例する◆報酬比例部分と加入期間に比例する定額部分(65歳以降は◆老齢基礎年金に移行)で計算します。

厚生年金に1年加入で増える◆報酬比例部分の年金額 (月)と支払う保険料(月)の目安

社会保険適用拡大ガイドブック  厚生労働省

被用者金に加入するメリット

年金

・2階建て(厚生年金+国民年金の年金を受給可
・老齢・障害・遺族の保障が手厚くなる

医療

・医療保険の内容が手厚くなる
 傷病手当金・出産手当金(病休中)
 給与の3分の2相当額支給(産休中)

働き方は生き方・・・まずは内容を理解からスタート

配偶者の扶養の範囲で働いた方がお得?の質問もありますが、改正で扶養基準(130万円)を意識せず働けるようになると考えてもいいでしょう。

パート・アルバイトの方

健康保険と厚生年金の保険料は口座振替から給料天引きに

配偶者の扶養の範囲内で勤めていた方

これまでは被扶養配偶者の年収が130万円を超えると保険料負担増かつ保障内容は変わりませんでした。今後は要件を満たし厚生年金・健康保険に加入した場合、保険料の負担はありますが、その分保障も充実します。

社会保険適用拡大ガイドブック  厚生労働省

今後、年金改正が軒並みですが年金制度は複雑です。今後、セミナーや相談会開催のチラシを見つけたら是非興味を持って手に取り、参加していただけると嬉しいです。今関係なくてもいつか知識が役にたつことを信じて前に進めたらいいですね。

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