夫の両親の家を建て替えて同居する予定です。


内田ふみ子先生 プロフィール
家計簿は、5年10年あるいはそれ以上先にある目的を達成するために有効なツールです。
ゴールを確認したらまず資金計画。今の貯蓄ペースで実現できるか、難しければやりくりできるかをチェックします。ゴールは一つとは限りません。今しなければならないことや、先のことでも大事なことなど、優先順位を考えながらアドバイスさせていただきます。

二宮 たまきさん(仮名)のご相談

食費や衣類の支出もぎりぎりに抑え、子どもたちの習い事もひとつずつと決めてできるだけ貯蓄をするようにしています。夫のボーナスも減ったのでパートに出ようと仕事も探しはじめましたが、これから子どもにお金もかかるし、家の建替え費用はローンを組まなければならないので、やっていけるか不安です。

二宮 たまきさん(仮名)のプロフィール

35歳、現在求職中。会社員のご主人(41歳)と小学生3年生、1年生、4歳のお子さん3人の5人家族。現在は社宅住まい。

・家計状況

月間収入(税金・社会保険料を除いた可処分所得)
350,000 円
月間支出 398,000 円
家賃(社宅、駐車場代込) 35,000 円
教育費
(習い事・保育料含む)
53,000 円
水道光熱費 17,000 円
電話代 13,000 円
食費 41,000 円
教養娯楽費 22,400 円
食費(嗜好品含む) 48,000 円
日用雑貨・被服費 11,000 円
ガソリン代・雑費 20,000 円
夫のこづかい 30,000 円
保険料
(生命保険・自動車保険)
42,000 円
学資保険 39,600 円
財形貯蓄 5,000 円
その他の貯蓄 21,000 円
ボーナス
年間 1,400,000 円
ボーナス支出(年間)
家族旅行 250,000 円
車検 100,000 円
学習机など家具 80,000 円
交際費 60,000 円
その他 110,000 円
貯蓄 800,000 円
貯蓄残高
預貯金 7,000,000 円

<<希望>>
  • 建替え費用の予定は3000万円ぐらい。
  • 子どもたちは高校までは公立で、大学まで行かせたい。
  • なるべく早くパートで働く予定。

3世代が同居する家の設計や資金計画は、将来の住み方のことも視野に入れて決めましょう。ただし資金面での無理は禁物。

3人のお子さんがいらして、これだけ生活費を抑えた上、貯蓄ができているのはよく家計を管理されている証拠ですね。
ただ、ローンを抱えると貯蓄が難しくなるのも確か。無理な資金計画は禁物です。
具体的な設計はこれから、とのことですが、ご両親とどのようにお付き合いし住まわれるのか、それによってはキッチンを2つ作ったり介護しやすい構造にするなどの工夫が要りますし、当然費用も違ってきます。建替え費用だけでなく、同居後の光熱費など生活費の分担についても話し合っておくことは、資金計画を立てるだけでなく、お互い気持ちよく暮らしていくためにも必要な作業です。

このまま住宅ローンを組んだら毎月10万円の支出増加。教育資金の準備にも影響が出てしまいます。

ここに住宅ローンを借り入れた場合を考えてみましょう。
たとえば、建替え費用3000万円のうち2000万円を、返済期間20年、固定金利3%で住宅ローンを組んだとき、毎月の返済額は約11万円。これに固定資産税を加え、現在の家賃を差し引きすると月額にしてほぼ10万円の負担増加です。これではまったく貯蓄はできなくなってしまいますし、現在の貯蓄も、頭金や諸費用でほとんど取り崩さなければなりません。
学資保険の満期金は3人ともそれぞれ18歳で300万円程ですが、私立大学の入学金と4年間の学費だけでも平均400万円はかかりますので、年間100万円という現在の貯蓄ペースを大幅にダウンさせるのは避けたいところです。
支出は確実に増え、収入の見通しがあまり明るくはない現状では、たまき様の求職活動も給与重視となるでしょう。ただ必ずしも希望通りの職がみつかるとはかぎりませんし、単純に負担増をそっくりパート収入でまかなうというのでは、就労条件が変更になったときなど余裕がなくなることもあります。

ご両親に資金援助をしていただくのも一案です。

可能であれば、ご両親に資金を贈与していただくか(注)、出していただいた資金額に応じて、建物を共有名義にする方法もいっしょに検討してはいかがでしょう。仮に費用の3分の1=1000万円を負担していただければ、現在の貯蓄を取り崩さずに済みます。また同居後に一定の生活費を家計に入れていただくことも相談してみては。
そうした援助が見込めない場合は、建築費を負担できる範囲に抑えるか、思いきって建替えを見送る判断も必要になるでしょう。 ご両親も老後の生活不安もおありでしょう。また、たまきさんご夫婦にも今後の生活設計があります。どちらか一方が我慢したり負担を背負うのではなく、事情をお話して折り合えるところを探してみましょう。

(注) 住宅取得資金の贈与の特例:一定の条件を満たした場合、父母などから贈与された住宅購入資金の贈与税が軽減される特例がある。詳細は税務署や税理士に確認を。

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