今からだと、NISAとつみたてNISAは、どちらがよいでしょうか?


今回、回答いただく先生は…
村井 英一先生(むらい えいいち) プロフィール
  • NISAで投資ができるのは、今年を含めてあと4年だけです。
  • つみたてNISAは、スタートしてから20年は投資できるように改正される予定です。
  • 20年の投資であれば、総額最大800万円が20年間、非課税で運用できます。

  吉川 章さん(仮名 40歳 公務員)のご相談

今年から資産運用をしようと思います。NISA口座を作ると利益に税金がかからないそうですが、NISAとつみたてNISAではどちらがよいでしょうか?

吉川 章さんのプロフィール

家族構成
家族 年齢 年間収入
ご相談者 吉川 章さん 40歳(会社員) 年収480万円
恵理さん 38歳(会社員) 年収450万円
金融資産 普通預金 300万円
定期預金 800万円

長く続けることを考えると、つみたてNISAがよいでしょう。

1.少額投資非課税制度

吉川様、こんにちは。新しい年を迎え、今年から投資にチャレンジしようというわけですね。ご承知のように、株式や海外の金融資産、それらで運用する投資信託には値下がりする可能性があります。しかし長期間で見ると、預貯金を上回る成果を期待できることが多く、余裕資金の範囲で資産運用をされるのは、将来への備えとなります。
投資商品にはいろいろなものがありますが、やはり税金面で優遇されている制度を活用するのが得策です。確定拠出年金もありますが、すでに職場で加入されているとのことですので、「NISA(ニーサ)」と「つみたてNISA(ニーサ)」について検討してみましょう。

いずれも正式名称は「少額投資非課税制度」で、「NISA(一般NISA)」、「ジュニアNISA」、「つみたてNISA」の3種類があります。ジュニアNISAは、未成年の子どものために親や祖父母が投資をするものですので、ここでは「NISA」と「つみたてNISA」について見てみます。
NISA(一般NISA)は、証券会社や金融機関に専用の口座を開設すると年間120万円までが投資でき、5年間は値上がり益や配当、分配金に税金がかからない制度です。本来なら、利益に対して20.315%の税金がかかりますので、お得な制度です。つみたてNISAは、同じく専用の口座で年間40万円まで投資でき、こちらは20年間が非課税となります。

2.どちらも期間限定の優遇制度

イギリスで実施されている制度をまねて、実験的に2014年にNISAが創設されました。その後、ジュニアNISA、つみたてNISAができましたので、当初からのNISAは「一般NISA」とも言われます。ここでも区別のため、一般NISAと記載します。
いずれも、実験的に導入されましたので、期間限定の制度となっています。とりあえずやってみて、評判が良ければ、恒久的な制度にしようというわけです。一般NISAは、10年間の期間限定とされましたので、投資ができるのは2023年までとなっています。今年から始めた場合は、4年間しか投資できません。1年に120万円までとなっていますので、投資額は最大でも480万円です。
国としては国民に、資産形成を5年間(当初は繰越しをすると10年間だった)してもらうつもりだったようですが、予想外に短期で利益を取る人が多かったようです。5年間を過ぎると利益の非課税がなくなるばかりか、損失となっても他の利益との相殺ができずに、長期の運用に向かなかったからです。毎年120万円というのもハードルが高く、「富裕層を優遇している」との批判も出ました。今のところ、制度の恒久化は見送られる見込みとなっており、2024年以降は廃止されそうです。

一方、つみたてNISAは、現時点では2037年までとなっています。今年から始めた場合は18年間投資できます。さらに、今度の税制改正で、「積み立てを始めてから20年」まで非課税での投資ができるように改正される予定です。今年から始めた場合でも20年間は運用できるわけで、投資額は最大で800万円となります。

3.長く続けるなら、つみたてNISA

つみたてNISAは、一般NISAに比べて年間の投資限度額は小さいのですが、20年続けられることになり、投資の総額は一般NISAよりもかなり多くなります。また、投資した金融商品は20年間、利益が非課税です。余裕をもって長期の保有ができます。さらに、つみたてNISAの投資対象となる金融商品は、販売手数料がゼロ、信託報酬(運用の費用)が低い、など長期の保有に向いている投資信託に限定されています。逆に言えば、つみたてNISAであれば、費用が安く、長期保有に向いたものばかリとなっていますので、安心して商品を選べます。一般NISAに比べると、利用者数はまだ少ないのですが、将来に備えた資産形成として若年層の利用も多く、国としても後押しをしたい意向のようです。いずれは制度の恒久化が検討されるかもしれません。
吉川様の場合も、定年まであと20年あり、リタイアはさらに先のことになるでしょう。老後に向けて、長期間にわたって資産形成ができます。5年以内の売却で利益を狙うのでない限り、つみたてNISAの方を選ばれるとよいでしょう。

政府・与党は、「一般NISA」を刷新して、「新型NISA」の創設を検討しているとの報道がありました。今後の制度改正にご注意ください。


定期預金だけではもったいないと友人に言われました。投資は不安ですが少しは興味があります。何から始めればよいでしょうか。
資産運用で「NISA」と「つみたてNISA」、どちらを選べば良いですか?
投資に関心がありますが、どのように始めれば良いでしょうか。

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