再就職を機に貯蓄プランを見直したいが…


伊藤 美和先生 プロフィール
貯蓄や投資を始めてしばらくすると、誰の頭にも思い浮かぶのが1000万円という夢の数字。「1000万円お金を貯める」ということはハードル走に似ています。100万円、300万円とハードルをクリアするごとに貯まるスピードはどんどん加速していきます。この「貯める・殖やす」のコーナーでは、皆さんがハードルを楽に越え、早くゴールにたどりつけるよう、お手伝いができればと思います。何でもお気軽にご相談ください。

板垣 譲さん(仮名)のご相談

半年の求職期間を経て再就職して2ヶ月、新しい職場にも慣れてきました。失業中は看護士をしている妻が生活を支えてくれましたが、共稼ぎ→片働き→共稼ぎとめまぐるしく家計状況が変わったことで、毎月の収支ペースがすっかり狂ってしまいました。共稼ぎで子育てをしていて毎日がせわしく、今後の貯蓄の方法やローンの返済など、なかなか勉強できません。是非アドバイスをお願いします。

板垣さん(仮名)のプロフィール
38歳会社員。29歳看護士の奥さまと2歳になるお子さんとの3人家族。

収支の状況

1.収入
 月収(夫/手取り) 262,000 円  ボーナス(妻/手取り) 46万円×年2回
 月収(妻/手取り) 243,000 円    
2.月間支出費用
 住宅ローン・管理費 102,519 円  食費 48,000 円
 外食費 5,000 円  水道・光熱費 22,000 円
 通信費(携帯代を除く) 6,700 円  携帯電話代 15,600 円
 子ども費 37,000 円  夫こづかい 35,000 円
 妻こづかい 20,000 円  新聞・雑誌代 6,500 円
 被服費 8,700 円  交際費 3,000 円
 学資保険 10,300 円  生命保険 14,800 円
 残金(普通預金へ) 169,881 円    

現在の貯蓄等

   毎月の積立額 積立総額 満期(満期金額)・その他
 普通預金(銀行) 320万円  
 学資保険(郵便局) 10300 円  長男分(18歳満期200万円)

※ 夫死亡の場合、育英年金が毎年24万円ずつ18歳まで受け取れる

毎月&ボーナスの支出について

  • 毎月決まった金額を貯蓄していない。余ったお金が普通預金に積みあがっている。
  • 被服費や交際費など不定期の支出は、その都度普通預金から払っている。
  • 家電費やレジャー費も必要なだけ普通預金から支払っている。不定期な出費とあわせて年にいくら使っているのかは不明。
  • 子ども費は保育園代+服・おもちゃ・絵本代など。初めての子どもで、保育園にも行っているので季節の変わり目は洋服代がかさむ。

相談

  • 結婚してだいぶ我慢できるようになったが、家電製品によくお金を使ってしまう。今欲しいのは薄型テレビ。パソコンも買い換えたい。
  • 子どもはもう1人ほしい。教育費をどのぐらい用意したらいいかわからない。
  • 住宅ローンを返し終えるのは67歳の予定。少なくとも定年までには繰り上げ返済したいが、教育費や老後費の貯蓄との兼ね合いがわからない。
  • 父(70歳)が65歳の時に借りたリフォームローン(借入額700万円・20年)の返済を手伝った方がいいか悩んでいる。

給料が出たらまず貯蓄、残りのお金で生活する習慣を!

アドバイス1:毎月&ボーナスの支出を見直します

毎月の支出に大きなムダは見当たりません。食費、水道光熱費、携帯電話代などが少し多い気がしますが‘共稼ぎ’しながら小さいお子さんを育てていることを考えると、許容範囲でしょう。問題なのは‘不定期の支出’の管理が全く出来ていないことです。

被服費、交際費やレジャー費は年間の予算を決めて12で割った金額を毎月積み立てていき、そこから支出するようにします。不定期な支出でも年間予算を決めることにより、節約する発想が生まれます。毎月の積立額は3費目合計で、手取り月収の7~10%が適正範囲。7%までに収まればベストですが、無理なようであれば10%以内で配分を考えましょう。予算が余ったら翌年に繰り越したり、足りなくなりそうな他の支出に回してもいいでしょう。3費目の合計で年間予算内におさまれば良しとします。レジャー費の繰越分を何年分か貯めて海外旅行に行くということでもOKです。費目ごとに専用の通帳を作るか、袋分けしてプールしておき、そこから使うようにすれば予算オーバーを防ぎやすいです。

アドバイス2:ボーナスは’ゆとり費’を除いて全額貯める(繰り上げ返済に回す)

最近は雇用の流動化が進み、不況の出口も中々見えてきません。これからの時代は月収をベースに生活費をまかなうという発想が大切です。住宅ローンを‘月払い’のみで返している板垣さんは賢明です。ボーナスは家電製品の購入やレジャー費のプラスアルファ分など、日常生活費とは切り離したゆとりの支出に充てていくのが、健全な家計運営のコツです。一般的には8割を貯蓄(もしくは住宅ローンの返済)、2割をゆとり費へ配分できればベスト。夫婦共にボーナスがもらえるようになったら、ゆとり費を3割まで引き上げても良いでしょう。

アドバイス3:板垣家は「月収で貯蓄、ボーナスで繰上げ返済」

貯蓄は毎月の手取り月収の2割とします。給与が出たらまず最初に貯蓄分を別口座に預け換えて、残りのお金で生活する習慣をつけましょう。ボーナスはゆとり費を除いた分を繰り上げ返済に回しましょう。ご自身(夫)もボーナスをもらうようになれば、毎年140~160万円ずつ繰り上げ返済していけます。計画通り返済が進めば50代の前半で住宅ローンを完済できそうです。

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アドバイス4:家電ビンボーにならないためには

‘再就職祝い’として薄型テレビもしくはパソコンを貯金から購入されても良いと思います。でも大型の液晶テレビなど値の張る商品が欲しいなら、ご自身(夫)がボーナスをもらえるようになるまで待つべきかと思います。家電製品の購入はボーナスのゆとり費の範囲内でまかなうのが‘家電ビンボー’にならないコツ

アドバイス5:教育費の準備は1人400万円を目標に

共稼ぎの板垣さんは少しゆとりを持ってお子さん1人あたり400万円を目標に教育費を貯めましょう。学資保険に加えて毎月1万1000円ずつ積み立てていけば、お子さんの大学進学までに元本のみで400万円貯まります。勤務先が財形を扱っているとのことなので、教育費専用として積み立てを始めてみてはいかがでしょうか。

アドバイス6:お父様のリフォームローンを引き継ぐなら

1人っ子の板垣さんは、いずれご実家(一戸建て)を相続することになります。ご実家の預貯金は1000万円ほどなので、この先介護などで貯金を大きく取り崩すことになると、相続時にリフォームローンが残ってしまう可能性があるとのこと。ですからリフォームローンの繰上げ返済を手伝って、早く完済できれば確かに安心です。でもご自身の住宅ローンの返済もあるので無理は禁物。ご自身のボーナスを安定して受け取れるようになってから検討してみてはいかがでしょうか。またお父様のローンを肩代わりすれば、贈与税がかかるケースが考えられます。年間110万円を超えた分が課税対象となりますので、その点は注意してください。

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