結婚後もそれぞれが自由にできるお金を確保しつつ、上手に家計管理する方法は?


今回、回答いただく先生は…
 
鈴木 暁子先生(すずき あきこ) プロフィール
  • 家計管理のスタイルもさまざまあります。
  • 各自の自由度を高める場合、貯蓄の確保ができる工夫をしましょう。
  • ライフプランに変化があることも踏まえておきましょう。

 内藤 清香さん(仮名 32歳 会社員)のご相談

今春結婚予定です。共働きなので、ある程度それぞれが自由にできるお金もほしいと思っていますが、どのような家計管理がおすすめでしょうか。

内藤 清香さん(仮名)のプロフィール

家族構成
本人(32歳 会社員)
※今春、33歳の会社員男性と結婚予定

いきなり財布の紐を締めるのは難しいので、最初のルール作りが大事

1.家計管理のスタイルもさまざまなので、自分たちに合ったスタイルで

内藤さん、こんにちは。今春ご結婚とのこと、おめでとうございます。結婚後の家計管理はいろいろ考え方がありますが、本日のお話が参考になれば幸いです。

共働きカップルの場合、これまでそれぞれが自分の自由に使ってきたお財布事情に干渉されたくないという思いがあるのでしょう。私が受ける相談でも、完全に一元管理されているほうが少ないように思います。管理のしかたといってもいろいろなスタイルがあるので、メリットやデメリットを見ていきましょう。

【家計管理のスタイル比較】
家計管理のスタイル 特徴とメリット デメリット
夫婦の収入や貯蓄を一元管理
  • ・生活費、固定費、小遣い等すべて共通財布から支出
  • ・収支や貯蓄が把握しやすい
  • ・小遣いなどの自由度が低い
  • ・各自の貯蓄も把握される
生活費全般は共通財布から支出
それ以外は各自の自由
  • ・生活費を、夫婦の収入に応じた割合で共通財布に入金。残りは各自の管理とする
  • ・小遣いや貯蓄が干渉されにくい
  • ・各自のお金の使い方をチェックしづらい
  • ・貯蓄は自己責任のため世帯貯蓄が把握しづらい
費目ごとに支出を分担
それ以外は各自の自由
  • ・食事、光熱費は妻、住居費は夫など、費目ごとに分担する
  • ・小遣いや貯蓄が干渉されにくい
  • ・一方の収入が減ったり、ライフステージの変化により負担感が変わる可能性が生じる
  • ・各自のお金の使い方をチェックしづらい
  • ・貯蓄は自己責任のため世帯貯蓄が把握しづらい

世帯ごとに収入やお金の使い方など価値観は違います。ですからすべての世帯に向く家計管理というものはありません。お二人で何を優先するかをしっかり話し合われると良いでしょう。
どのようなスタイルも一長一短はありますが、世帯丸ごと把握するには一元管理がやりやすいといえるでしょう。ただしこの場合、家計はガラス張りということになります。

2.お互いの自由度を高める場合、貯蓄の確保は絶対

共働きカップルがお互いに干渉されたくない部分として、お小遣いや貯蓄という方は多いです。生活にかかわる支出は共通財布に入れるけれど(最低限の義務は果たすけれど)、それ以外は秘密にしておきたいということです。各自の自由度としては高いのですが、一方で「共働きなのに思ったほど貯蓄ができない」というのもここに原因があることが多いのではと感じています。

独身時代は、お金の使い方をチェックされることもないですし、お二人とも社会人として10年近く経ちますから、お金を使ってもそれなりに貯蓄もできていたでしょう。ですから結婚後もこのペースを維持していけば良いと思っていらっしゃるかもしれません。でも、今後のライフプランでは、マイホーム資金、教育資金、老後資金をはじめ、独身時代にはなかったまとまった支出が控えています。これまでのように毎月余った分がそのまま通帳に積み上がっているだけだと、必要な資金が準備できなくなるおそれもあることを意識しましょう。

夫婦間で自由裁量部分が大きいとき、自由になるお金にはお小遣い以外に貯蓄分も含まれているのですが、使うお金のチェッカーがいないためコントロールが甘く、貯蓄分が少なくなりがちです。お小遣いや貯蓄には干渉されたくないという気持ちを尊重するとしても、たとえば「毎月、手取りの3割は貯蓄する」といったルールを決めておくのはいかがでしょう。そして共通財布への入金と、貯蓄分を確保した後の残りについては小遣いとして、その使い方については干渉しないとすれば、貯蓄の確保とお互いの自由裁量部分について、ある程度両立できるのではないでしょうか。特に共稼ぎでお子様がいらっしゃらない今はまさに「貯め時」ですよ。

ただ、貯蓄はできてもお互いの貯蓄がわからないことの弊害があります。今後生命保険や医療保険の加入を検討する際、貯蓄でカバーできる分がわからないため、必要な保障額もわかりません

3.ライフプランの変化にあわせて、家計管理も柔軟に

家計の支出はライフステージが進むにつれ変化していくものです。共働きでお子様誕生前であれば、死亡保障の必要性も低いですが、家族が増えて共働き解消となれば、必要な保障は一気に大きくなります。遅かれ早かれいずれお互いの貯蓄を共有する必要性が出てくると思います。

片働き世帯ですと比較的節約に対する意識が高いのですが、それに比べ共稼ぎ夫婦はゆとりのある生活費がスタンダードになりがちなため、今後住宅資金や教育資金など支出が増えると、使えるお金の自由度が縮小し、お小遣いが足りない、貯蓄ができないといった状況に陥ってしまうこともあるのです。生活水準を下げることは難しいので、二人での生活スタート時に確認することが肝心です。
私が以前ご相談を受けたカップルの例ですが、奥さまが退職される可能性を踏まえ、DINKSの時から、ご主人様の収入のみでもやっていける生活水準とされていました。もちろんそれが正解ということではありませんが、後からルールを変えようとすると、不満が生じることもあります。ご夫婦間でお金のことについて本音を言い合えないことは望ましいとはいえません。共働きを継続できるとは限らない可能性も踏まえ、生活水準、お金の使い方や貯蓄の確保、情報共有についても今からお二人で話し合っておくと良いでしょう。良い家庭を築かれることを願っております。


夫婦別管理の家計で注意すべきことはありますか?
子どもを授かりました。できるだけ長く育休を取得し、育児に専念したいのですが、その間の支出や減収が心配です。
夫婦間でのお金の移動。問題ありませんか?

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