最後まで自分らしく生きるために ~知っておきたいアドバンス・ケア・プランニング(ACP) ~

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知っておきたいアドバンス・ケア・プランニング(ACP)

高齢期の最大の関心事は「介護」ですが、介護を受けている高齢者の多くは複数の医療の治療を受けている人も少なくありません。終末期は介護と医療が密接に関係しています。
2018年度は介護と医療の報酬改定が同時に行われています。国は団塊の世代が75歳以上になる2025年に向けて様々な取組みをしています。その1つが、終末期の医療・ケアに関する指針の改定です。
今回は、上記の改正の土台となる、最期まで自分らしく生きるために、ぜひ知っておきたいアドバンス・ケアプランニング(以下、ACP)についてお話しします。
実は昨年、所属する法人(成年後見を受任する)で、ある金融機関の助成金をいただき、エンディングノートを会員で作成しました。そのときも認知度が低いという理由でACPの掲載を迷いましたが、大切なこと皆に知っておいて欲しい願いを込めて掲載した経緯があります。

アドバンス・ケア・プランニング (ACP)

「ACP」とは、人生の最終段階を迎えた患者・家族等と医師をはじめとする医療・介護関係者が、最善の医療とケアを作り上げるプロセスをいいます(人生の最終段階における医療の決定プロセスに関するガイドライン・2018年3月14日改定 2018年4月施行 厚生労働省)。

ガイドラインの基本的な主な内容
・担当医師、看護師やソーシャルワーカー、介護支援専門員等の介護従事者などの、医療・ケアチームで患者・家族等を支える体制つくりが必要。
・できる限り早期から肉体的な苦痛等の緩和が重要、その上で医療行為の開始・不開始、医療内容の変更や中止などにつき、適切な情報に基づく患者の意思決定の確認が大切
・患者のこれまでの人生感や価値観、望む生き方の把握が必要。患者の意思は変化し、意思を伝えられない状態になる可能性もある為、信頼できる家族等を含めた話し合いが重要。
・プロセスにおいて、話し合った内容は、その都度、文書にまとめておくことが必要。


認知度が低いACP

患者本人がACPのことを知らないことはある程度理解できますが、最期の医療に携わる医師の認知度が低いのも現実です。何と、ACPを知らない医師が約42%もいるとは驚きです。 どの病院に入院するかで最期の幸せ度が決まるなんてやりきれませんね。


思いと行動が一致しないのが現実
~親のこと、自分のこととして、そのときを受け止めよう~

いい情報だと分かっていても、自分の親とか自分のことに当てはめて受けとめていないケースが多いことも統計から見えてきます。例えば、自分が意思決定できなくなったときに備えて、どのような医療・療養を受けたいか、受けたくないかなどを記載した書面 (事前指示書) の作成の場合、一般国民の約70%、医師の約73%が「事前指示書」の作成に賛成しています。
しかし、賛成した人で実際に作成しているのは一般国民の約3%、医師でさえ5%とごくわずか。

本当に利用したいとき、既に判断能力がなくなっていれば、患者が真に希望していた最期の暮らし、生き方は全うできないこともありそうです。人生は長いように見えて過ぎてしまえばあっという間と言うのは、高齢者がよく口にするフレーズです。高齢期の豊かさは、いろんなことに気づいたとき即行動できるかどうかで決まりそうですね。


課題は単独世帯増 ~65歳以上人口の6人に1人が一人暮らし~

単独世帯 (死別、生涯未婚、離婚等) の増加に歯止めがかかりません。
単独世帯は1841万8000世帯と、一般世帯の3分の1超を占めています。65歳以上人口に占める割合は、17.7%、65歳以降の6人に1人が1人暮らしです。
男女別にみると、男性が約192万人、女性が約400万人、65歳以上の男性の8人に1人、65歳以上の女性は5人に1人が1人暮らしです。

「事前指示書」的なものを記録している、または記録できる人はごく稀です。若いときから、情報を集めてイザというときのために記録する習慣をつけていないと中々出来ません。エンディングノート(名称はいろいろ)に記載する重要度は理解している人でさえ難しいのです。
ましてや高齢になればなるほど、テレビの前に座る時間も多くなるようで・・・。
だからこそ、高齢期は1人暮らしが多くなることを予想して、早めにやっておくことを知り、やるべきことを箇条書きに残し、すぐ行動することを習慣化しておきましょう。

日々の啓蒙セミナーを通じて感じるのは、せっかくセミナーに参加されても、知識のみ増えるけど実践までいかない人が多いのが残念。私たちも、思いを残す大切さをお話すると共に、その場で一緒に考え、ノートなどに記載してもらうことも大切だと改めて感じています。