老々介護(同居世帯)の実態 ~75歳以上同士が35.7%


仕事で高齢者(認知症や精神疾患等の方)支援をしており、施設・病院等に月1で面会に伺います。先日の訪問先は私の自宅と同じ都内ですが、往復4時間かかりました。(山奥の病院で電車の便が少なく、駅と病院間のシャトルバスの連絡が悪い・うち面会時間は15分のみ)
やっとお会いできたものの、ご本人の状態から納得いく交流はできず残念でした。元気なときと状況が変わりがちな高齢期、若いときの本人を知る親族にとってそのギャップによるストレスは、別居でも大変ですが、同居で終日介護せざるを得ない場合は猶更でしょう。

ともすれば、高齢期の不安はお金のことが表面化しやすいですが、今後心配なのは「介護」問題かも知れません。ゴールが決まっている子育てと異なり、何年続くか不明な介護。長寿化で、介護される人(要介護者等=要支援・要介護者)、介護する人(介護者)ともに体力的にも精神的にも昔より大変な時代になってきました。
今回は、介護環境がより厳しい同居世帯の老々介護(認々介護含)の実態を知って、どう対応しつつ生きて行けばいいのかについてお話しします。

少子高齢化、未婚者増、女性の社会進出・晩婚化、子育てと親の介護が重なる等、家族を取り巻く環境も変わってきた。介護が必要になったそのときの備え、あなたならどうする?

主な介護者 ~同居・別居とも女性が多い

「要介護者等」と主な「介護者」の同居別の状況をみると、同居が45.9%。同居の主な介護者を要介護者等からみると「配偶者」が22.9%で最も多く、ついで「子」が16.2%。同居・別居とも主な介護者は女性が多く、同居の方が別居に比べ高齢の世代の割合が多くなっています。

「要介護者等」からみた「主な介護者」の続柄別構成割合

別居の場合:別居の家族等11.8%、事業者15.7%、その他0.6%、不詳26.0% 「主な介護者」の性・年齢階級別構成割合

※参照(2023年11月13日時点):厚生労働省 2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況 IV 介護の状況

同居における老々介護の年齢の組み合わせ ~60歳以上同士が77.1%

「60歳以上同士」が77.1%、「65歳以上同士」が63.5%、「75歳以上同士」は35.7%、年々割合は上昇しています。ちなみに「要介護者」に介護が必要になった主な原因は、「認知症(23.6%)・脳血管疾患 脳卒中)・19.0%・骨折・転倒(13.0%)」と、長寿化も関係しています。

「要介護者等」と「同居の主な介護者」の年齢組み合わせ

「要介護者等」と「同居の主な介護者」の年齢組み合わせのイメージ

「同居の主な介護者」の性・続柄別構成割合

「同居の主な介護者」の性・続柄別構成割合のイメージ

※参照(2023年11月13日時点):厚生労働省 2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況 IV 介護の状況

<参考>
同居の主な介護者の介護時間は「要支援1~要介護2」までは、必要なときに手をかす程度が多く、要介護3以上は「ほとんど終日」が最も多い。「ほとんど終日」の者は、「男」が25.5%、「女」が74.5%、介護者の続柄別は、妻が45.7%、女の「子」が18.5%、夫が15.7%)。依然として女性が介護の主な担い手です。

高齢者の健康について

①若いときから健康を心がけている人は健康状態が良い

若いときから健康のために行動(休養・散歩など)している人ほど健康状態の「良い」人の割合が高いです。私が所属するストレッチクラブでも50代から20年以上継続している人も多く皆さんとてもお元気です。まさに「継続は力なり」ですね。

健康についての心がけ・心がけを始めた年齢と健康状態(択一回答)

健康についての心がけ・心がけを始めた年齢と健康状態のイメージ

②社会活動に参加した人は健康状態が良い

この1年間に社会活動(健康・スポーツ・地域活動など)に参加した人の健康状態も良い割合が高く、社会と繋がることで世界を広げ健康度も上がるのでしょう。

社会活動への参加の有無と健康状態(複数回答)

社会活動への参加の有無と健康状態のイメージ

社会活動に参加して良かったと思うこと(複数回答)

社会活動に参加して良かったと思うことのイメージ

※参照(2023年11月13日時点):内閣府 令和5年版高齢社会白書(概要版) 〈特集〉高齢者の健康をめぐる動向について

<まとめ> 街に出てみよう!若い(50代)うちから仕事・家庭外の世界に触れておこう!

長寿化で、現在の高齢者の厳しさが分かってきました。問題は、今以上に未来の高齢者の介護現場の厳しさが予想されること。共倒れは絶対に避けたいからこそ提案です。
50歳位から仕事・家庭外の世界に出て心と体を徐々に柔軟にしておきましょう。

年齢が高くなるほど、体力・気力もなくなり、イザ、介護が始まったそのとき、別の選択肢があることすら気付きません。スポーツ・趣味・地域で活動、何でもいいのです。
上手下手は気にせず「継続」することで人とより良い交流の知恵も身に付き情報も得られます。「忙しい・高齢」を言い訳にしない前向きな生き方に人は引き寄せられ、自然と会話も弾みます。楽しんで暮らしていれば、健康度も増し介護期間も短くなりそう。
高齢期の豊かさは、今からの「心」「体」のメンテナンス次第と言えそうですね・・・

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