国民年金の保険料を節約する方法はありますか?


今回、回答いただく先生は…
村井 英一先生(むらい えいいち) プロフィール
  • 毎月払いの納付書とともに、割引となっている「前納」の納付書も送られてきます。
  • 銀行口座からの自動引き落としで「前納」を選ぶと、さらに割引になります。
  • 2月末までが申込み期限ですが、令和3年度のために今から申し込みができます。

  山下 純さん(仮名 28歳 フリーランス)のご相談

国民年金保険料の支払いが負担です。将来のことを考えると、滞納はしたくないのですが、少しでも負担を少なくする方法はないものでしょうか?

山下 純さんのプロフィール

家族構成
家族 年間収入
本人28歳
(フリーランス)
年収350万円
金融資産 普通預金 300万円

早く、まとめて納付すると割引があります。銀行口座からの自動引き落としは更にお得です。

1.国民年金の保険料

山下様、こんにちは。企業にお勤めの方は厚生年金に加入しており、その保険料は会社と折半で給与から天引きされています。それに対して、自営業者やフリーランスなど、お勤め以外の人が加入している国民年金は、保険料全額を自ら支払うようになっています。毎月のことでもあり、負担は小さくありませんね。
だからといって支払いを怠っていると、老後になって受けとる年金の金額が小さくなってしまいます。また万が一、障害となった場合に障害年金を受け取れない場合もあります。それだけに、保険料の支払いを怠る〝未納〟は避けたいものです。だからこそ、山下様も毎月きちんと保険料を支払っているのですね。
その上で、少しでも保険料の支払いを節約できれば、それに越したことはありません。国の方も、納付忘れを防ぐために、支払い方法に応じて、保険料の割引を用意しています。それを利用すれば、国民年金の保険料を節約することができます。もちろん、割引の制度を利用しても、それによって将来の年金額が減ってしまうことはありません。

割引の制度を見る前に、国民年金保険料の金額を確認しましょう。国民年金の保険料は、年度(4月から翌年の3月まで)によって異なります。基本となる金額は一定ですが、名目賃金の状況に応じて調整を加えています。令和元年度は月額16,410円でしたが、令和2年度は月額16,540円令和3年度は16,610円と、すでに令和3年までが決まっています。
原則としては、毎月の保険料を、その翌月の末日までに支払うようになっています(月末の日が土日の場合はその後の月曜日になります)。毎年4月中旬ごろに、国民年金の加入者に対して、「納付書」と呼ばれる振り込み用紙が送られてきます。それを使って、金融機関やコンビニエンスストアで支払います。

2.まとめて払うと割引になる

事前に登録しておけば、銀行口座からの自動引き落としとすることもできます。この時に「早割」という制度を選んでおくと、毎月の保険料が50円割引になります。銀行口座からの自動引き落としの場合、通常は「翌月の末日」の引き落としとなりますが、それを「その月の末日」とするのです。毎月引き落としが続きますので、最初の1回目が2ヶ月分となる以外に違いはありません。それで毎月の割引が続くのですからお得な制度です(1年で600円の節約)。
なお、クレジットカード払いも、事前に登録しておけば利用できますが、こちらには「早割」の制度はありません。(ただし、たいていのカード会社でポイントの加算対象になっていますので、その点ではお得です。)

現金払いでも、まとめて払うと割引が適用されます。まず、半年分を一括で払う「半年前納」だと、6ヶ月分で本来99,240円(令和2年度の場合。以下同じ)のところが98,430円となり、810円の割引です(1年で1,620円の節約)。支払いの期限は、4月-9月分は4月末まで、10月-翌年3月分は10月末までとなっています。4月中旬ごろに送られてくる納付書一式の中に、「半年前納」の納付書も入っていますので、それを使います。1か月分ずつの納付書を6枚まとめて払っても割引にはなりませんので、注意してください。
同様に、1年分を一括で払う「1年前納」もあります。こちらは1ヶ月ごとだと198,480円のところが、194,960円となり、3,520円の節約になります。支払期限は4月30日です。「1年前納」の納付書も、一緒に送られてきています。
さらに、2年分をまとめて払う「2年前納」もあります。令和2年度と令和3年度の合計397,800円のところが、383,210円となり、14,590円の割引となります(1年で7,295円の節約)。こちらも支払期限は4月30日で、あわせて送られている納付書を使いますが、金額が大きいのでコンビニエンスストアでは支払いができません
クレジットカード払いも事前登録の際に、前納(まとめ払い)を選択することができます。割引額は、前述した現金払いと同じになります。

3.まとめ払い&口座引き落としでさらにお得に。

銀行口座からの自動引き落としを申し込む際に、一括での前納(まとめ払い)を選んでおくと、さらにお得になります。
「半年前納」だと、97,340円となり、1,120円のお得です(1年分で2,240円の節約)。引き落とし日は4月末日と10月末日です。
「1年前納」の場合は192,790円で、1年分で4,130円の節約です。「2年前納」だと、379,640円となり、15,760円の割引です(1年分で7,880円の節約)。割引額がもっとも大きいのは、銀行口座からの自動引き落としで2年前納を選択した場合となります。いずれも引き落とし日は4月30日です。

まとめ払いの「前納」を選択していたのに、口座残高が不足して引き落としができなかった場合は、1ヵ月ごとの自動引き落としとなり、割引が適用されません。4月中旬に「口座振替額通知書」が送られてきますので、口座残高を確認しておきましょう。
割引の程度が大きい、銀行口座からの前納ですが、申し込みの期限が2月末までとなっています。しかし、3月以降は申し込みができない、というわけではありません。例えば、3月以降に、銀行口座からの「1年前納」を申し込むと、引き落としの登録ができ次第、毎月翌月末に引き落としがなされ、翌年の4月末に1年分が割引で引き落としになります。今年度分については割引となりませんが、申し込みを忘れないためにも早めに引き落としを始めるのがよいでしょう。思い立ったが〝節約〟です。


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