育ち盛りの子どもが3人、いくら備えておけばよいかわからず不安で、やりくりしても達成感がありません


内田 ふみ子先生 プロフィール
家計簿は、5年10年あるいはそれ以上先にある目的を達成するために有効なツールです。
ゴールを確認したらまず資金計画。今の貯蓄ペースで実現できるか、難しければやりくりできるかをチェックします。ゴールは一つとは限りません。今しなければならないことや、先のことでも大事なことなど、優先順位を考えながらアドバイスさせていただきます。

丹羽 汀子さん(仮名)のご相談

育ち盛りの子ども3人の食費や教育費がかさんでいます。子どもたちは現在公立中・高校生で、大学も公立を志望し、奨学金の利用についても話し合っています。
今は海外駐在していた間の遅れを取り戻すため、塾や家庭教師代がかかっています。毎月赤字ぎりぎりで、いくらやりくりしても達成感がありません。今後、どのように教育資金などを準備していけばよいでしょうか。ほかに贅沢もしていませんので、希望として、今のうちに家族で海外旅行に行きたいとも思っております。また預貯金の運用についてもアドバイスください。

丹羽さん(仮名)のプロフィール
38歳、パート勤務。会社員のご主人(42歳)と15歳(高1)、13歳(中2)、5歳(幼稚園)のお子さん3人、およびお母様(69歳)との6人家族。

家計状況

 月収(税金・社会保険料を除いた可処分所得)
520,000 円
 夫 470,000 円
 妻 30,000 円
 母から食費・光熱費として 20,000 円
 月間支出 546,000 円
 住宅ローン 65,000 円
 駐車場代 5,000 円
 水道光熱費 45,000 円
 交通通信費
 (通学定期・携帯等含む)
40,000 円
 食費 80,000 円
 教育費 94,000 円
 教養娯楽費
 (各人こづかい含む)
57,000 円
 日用雑貨・被服費 5,000 円
 医療衛生費 20,000 円
 ガソリン代 17,000 円
 子ども保険(3人分) 25,000 円
 養老保険(今年満期) 11,000 円
 生命保険 27,000 円
 自動車保険(2台分) 9,000 円
 積立貯蓄 30,000 円
 その他の貯蓄 16,000 円
 年単位の収入
 夫のボーナス 1,250,000 円
 ボーナスからの支出 1,250,000 円
 住宅ローン 453,000 円
 固定資産税 100,000 円
 火災保険料 44,000 円
 その他の支出
 (自動車関連等)
400,000 円
 貯蓄 253,000 円
 貯蓄
 預貯金 620万 円
 持ち株会 37万 円
 米ドル預金(時価)
 (為替相場をみて
 円に換える予定)
400万 円

<<希望・予定>>
  • 子どもたちは公立学校、大学は奨学金の利用も検討
  • 夫は定年退職後も健康であれば5年は働きたい
  • 妻は末子が中学生になる頃にはフルタイムの仕事に就きたい
  • 2、3年に一度、家族で海外旅行に行きたい(予算70万円)
  • 車2台は新車で、乗れる間は買い替えない
 <<住居>>
  • 持ち家(二世帯住宅)
    ローン2本のうち1つは4年後、もう1つも12年後に完済
    (現在:毎月返済額6万5000円、ボーナス返済額45万3000円→4年後:毎月返済額1万8000円、ボーナス返済額12万3000円)

やりくりを頑張った成果が出ています。住宅ローンの負担が軽くなるのと、パート収入の増加で、教育費のピークも乗りきれそうです。

毎月赤字といっても、貯蓄はしっかりされています。教育費と食費は金額的には多くても、3人の育ち盛りのお子さんがいらっしゃる家庭では、使い過ぎとはいえません。お子さんが高校、大学と重なる時期は、教育費のピークになりますが、住宅ローンを繰り上げ返済されていたので、負担はかなり緩和されます。先の見通しを考えて行動したことがプラスに働いていますので、あまり不安になる必要はないでしょう。

まず、教育費のかかり方を確認、3年後から8年後、支出が膨れます

これから数年は上の2人のお子さんが受験と入学を繰り返します。貯蓄の取り崩しが始まりますので、どの程度教育費がかかるか把握しておかないと、どこまでも心配になってきます。まずは、いついくらかかるか、ざっと確認してみましょう。(高校までは公立、大学は公立希望とのことですが、私立大学の授業料で検討してみます。)各欄の上段は学年、下段は年間教育費。高校までは学校教育費および塾等の費用、大学は私立大学の授業料から通学費を含む学費。入学年度は入学金等がかかります。

現在 1年後 2年後 3年後 4年後 5年後 6年後 7年後 8年後
高校1 高校2
53万円
高校3
53万円
大学1
132万円
大学2
132万円
大学3
132万円
大学4
132万円
中学2 中学3
44万円
高校1
53万円
高校2
53万円
高校3
53万円
大学1
132万円
大学2
132万円
大学3
132万円
大学4
132万円
年長 小学1
29万円
小学2
29万円
小学3
29万円
小学4
29万円
小学5
29万円
小学6
29万円
中学1
44万円
中学2
44万円 
パート
時間増 
      住宅ローン
返済額
89万円減少
  フルタイム
勤務
 
貯蓄残高
1020万円
1081万円 1142万円 1103万円 1064万円 925万円 786万円 747万円 708万円 

現状で年間教育費が約113万円かかっていながら貯蓄の取り崩しがないことから、本格的に取り崩すのは3年後、上のお子さんが大学に進学してからになりそうです。2番目が大学入学の年には住宅ローンの返済額が年間約89万円少なくなりますので、負担はその分軽くなります。学資保険もありますし、このまま家計が推移すれば、末子だけの教育費は、年間収支のなかで賄うことができます。

老後資金の確保も意識して、奨学金なども利用していきましょう

上記の貯蓄残高は、持ち株会等を除いて、毎月3万円とボーナス25万円の計61万円の積立は継続(プラス)し、大学生1人につき年100万円貯蓄を取り崩す(マイナス)という条件でおおまかに計算しています。
末子だけになった時点の貯蓄残高からみて、これから家族で海外旅行をするゆとりはあるでしょう。今のうちに家族で楽しむことも大切ですね。
ただ、気をつけなければいけないのは、末子が大学卒業の時点で、定年がすぐ目の前であることです。50歳を過ぎれば、何らかの病気にかかったり体力にも個人差が出てきます。働きたくても働けないこともあるでしょう。また、お母様の病気や介護の心配もあります。お子さんたちには返済に無理のない程度に奨学金を利用してもらい、定年後の生活にしわ寄せがいかないように気をつけましょう

貯蓄の運用は当面はローリスクで、投資の勉強を少しずつしてみてはいかがでしょう

預貯金の運用ですが、今後数年は出し入れも多いため、預貯金中心になるでしょう。持ち株会と外貨預金以外に投資の経験がなければ、しばらく置いておける分は、今なら個人向け国債など、ローリスクの商品に限られます。ただ、これからは投資の勉強として、株式投資を20~30万円程度から始めてみるのもよいのではないでしょうか。

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