第3回:お金を稼ぐ【子供に話すお金の話】


「稼ぐ」という言葉を国語辞典で調べると、「働いてお金を得る。儲ける」とあります。 しかし、「働いてお金を得る」と一口に言っても、色々な稼ぎ方があります。会社で働いて給料をもらったり、自分で商売をしたりと選択肢は様々です。

ではどんな職業に就くといくらぐらい稼げるのでしょうか。また、一生涯でどれくらいのお金を稼ぐことができるのでしょうか。
今回は「稼ぐ」ということをテーマにいろいろと探ってみたいと思います。

職業によってこんなに差がある

まずは、職業別に平均年収の高いベスト10を見てみましょう。
ホームページ「年収ランキング~職業&平均年収ランキング(2006年度)」によると、以下のようになります。

Ranking 職業 年収(万円) 人数
1 内閣総理大臣 4165 1人
2 最高裁判所長官 3964 1人
3 プロ野球選手 3751 750人
4 国務大臣 3041 14~17人
5 検事総長(検察官) 2896 1人
6 事務次官 2432 12人
7 警視総監 2295 1人
8 国会議員 2228 722人
9 弁護士 2097 22000人
10 都道府県知事 2097 47人
61 サラリーマン 436 4450万人
圏外 フリーター 106 200万人

栄えあるランキング第1位は、内閣総理大臣で4165万円です。
内閣総理大臣のスケジュールは分刻みとなり、テレビ局や新聞社の取材などで大忙しで自由な時間はほとんどなくとても大変な仕事ですので、給料が高いのもうなずけます。

第2位は最高裁判所長官です。裁判所には最高裁判所、高等裁判所、地方裁判所、家庭裁判所、簡易裁判所の5つがあり、そのなかでも最高裁判所は文字通り最高機関になります。最高裁判所の判決は裁判所の中でも最終の判断となるため、他人の意見や世論、外部からの圧力などに屈しない断固とした意志をもって仕事を行う必要があります。

第3位はプロ野球選手。しかし、全員がこれだけのお金をもらえるわけではありません。2006年度現在、日本での最高年俸は5億5千万円(阪神:金本選手)なのに対し、2軍選手の年俸は440万円であり、なんと100倍もの開きがあります。また、野球選手は平均在籍年数は10年未満であり、稼ぐことができる期間も短いという特徴があります。

また、サラリーマンの平均が436万円となっていますが、これもたくさんもらっている人から少ししかもらえない人まで幅が広く、あくまでその平均がこの金額になります。2006年度の産労総合研究所によると、社長の平均年収が約3100万円です。新入社員の平均が約340万円なので、約10倍となっています。

ちなみに、フリーター(アルバイトのみで生計を立てている人)の平均年収は106万円で、サラリーマンと比較しても1/4しかありません。収入が少ないと、どうしても生活が不安定になってしまうため、現在日本政府は、一生懸命フリーターに対して、正社員(サラリーマン)になるように支援することが急務になっています。

一生にどれくらいのお金を稼ぐことができるの?

今までは、職業別に1年でどれくらいお金がもらえるかを比較してきました。
さてそれでは、一生に働いて稼げるお金はいくらぐらいになるのでしょうか。以下がデータになります。

週刊東洋経済業種別の平均生涯賃金ベスト10(2006.10 週刊東洋経済)

Ranking 職業 生涯賃金(万円)
1 放送業 44,287
2 石油・石炭製品 29,104
3 海運業 26,670
4 空運業 26,214
5 証券業 25,944
6 電気・ガス業 25,407
7 情報・通信業 25,299
8 医薬品 24,422
9 不動産業 23,733
10 保険業 23,179


学歴別平均生涯賃金(労働政策研究・研修機構2007年ユースフル労働統計)

性別 最終学歴 生涯賃金(万円)
男性 大学/大学院卒 29,000
専門卒/短大 26,000
高卒 26,000
中卒 23,000
女性 大学/大学院卒 25,000
専門卒/短大 22,000
高卒 19,000
中卒 16,000

これを見ると、「放送業」が4億4千万円と高く、2位の「石油・石炭製品」を1億5千万円以上も引き離しています。就職によって、生涯にわたってもらえるお金がだいぶ違ってくることが上の表からわかります。

しかしながら、先ほどプロ野球の金本選手の年俸が5億5千万円とご紹介しましたが、サラリーマンの中で一番給料が高いと言われる放送業の人が一生かかって稼ぐ以上のお金を、金本選手は1年で稼いでいるわけです。

また、職業以外にも学歴によっても一生でもらえるお金は違ってきます。これを見ると、中卒よりは高卒、高卒よりは専門/短大卒、短大卒よりは大学/大学院卒の方が、生涯賃金が高いことがわかります。

ちなみに、お金を稼ぐ方法というと「働く」以外にもあります。例えば株に投資をして、その株が値上がりすればお金を稼ぐことができますし、銀行に預けた利子で稼ぐこともできます。また土地や家を人に貸して、家賃や地代で稼ぐこともできます。したがって、例えば給料は安いけれども株で儲ければ生涯稼げるお金は増える、ということになります。

老後はどうやって稼ぐの?

お年寄りの方々は働いていなくても生活ができていますが、どうやってお金を稼いでいるかご存知でしょうか。実はお年寄りになると、国から「年金」というものがもらえるようになっているのです。しかしこのお金は、「働かなくてももらえる」というわけではありません。実はこの年金制度は、毎月働いたお金の中から少しずつ納めると、老後にお金がもらえる制度になっています。つまり今年金をもらっているお年寄の方々は、若いときに国にお金を少しずつ納めたので、今お金がもらえているわけです。見方を変えると、安心して老後を暮らせるために、将来の分も稼いでいた、というわけです。

では、いったい年金はどれくらいもらえるのでしょうか。例えば、サラリーマンを40年勤めた夫と専業主婦の妻を例にとると、だいたい毎月24万円*(実際には2ヶ月ごとに支払いなので、2ヶ月おきに48万円)ずつ、生きている限りずっともらい続けることができます。実際は65歳から受け取りが可能となり、夫婦で80歳まで生きたとすると、15年間ももらい続けることができるのです。金額にすると、24万円×12ヶ月×15年間=4,320万円ものお金になります。

老後にこれだけのお金を稼ぐのはとても大変です。したがって、年金をもらえるように若いときから将来のために稼ぐ、ということはとても大切なことなのですね。

*標準月額報酬を35万円として計算

執筆:坂本光(さかもと ひかる)CFP
一級ファイナンシャルプランナー・CFP®、心理カウンセラー。2006年5月週末起業を決意し、通信事業者に勤務しながら合同会社FPアウトソーシング代表を務める。ファイナンシャルプランニングに関する個別相談・セミナー講師としても活動中。