第1回:お金の歴史と役割の話【子供に話すお金の話】

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私たちが当たり前のように使っているお金。
今ではお金そのものだけでなく、クレジットカードやデビットカードなどもお金の役割を果たしています。また最近は、SuicaやPASMOなどの電子マネーと言われているものも広がっており、カードに残っているお金が少なくなったら自動的に追加することも可能です。更には携帯電話で支払うことができるようになったりと、今後もますます便利なものができることでしょう。

お金の歴史

ところで、一番古いお金というと、いつ頃の時代にできたかご存知でしょうか。
世界で一番古いといわれているお金は紀元前1500年頃ですので、今から3000年以上昔のことです。中国の殷王朝時代に使われたもので、インド洋や太平洋沿岸、またはアフリカなどで取れる美しい宝貝(タカラガイ)を使用したのが始まりといわれています。今でも、「財産」「貯金」「貨幣」「売買」など、お金に関する漢字に「貝」とつくものが多いのはその頃の名残と言われています。

また、加工技術が発達してくると、金属でお金が作られるようになり、中国では秦の時代(B.C.221年~)に『半両銭』を、そして唐の時代(A.D.621年)に『開元通宝』という銅銭が発行され、それが日本に入ってきて、藤原京時代(708年)に作られた『和同開珎』が日本で初めて本格的に普及しました。したがって、日本でも既に1000年以上の歴史があることがわかります。
さて、それでは更に時代を昔にさかのぼってみましょう。お金ができるもっと前の大昔の時代は、人々はいったいどのように生活をしていたのでしょうか。

お金のはじまり

お金のない時代は、欲しいものがあったときには、物どうしを交換していました。例えば、「このお魚をあげるからこの大根をください」といった感じです。
これを物々交換といいます。
しかし、この物々交換は不便でした。なぜなら、お互いに欲しいものどうしであれば成り立つのですが、そうでない場合はうまくいかないからです。
例えば、お魚を取る漁師さんがお米を欲しいとします。そこで、漁師さんはお百姓さんのところに行って「お魚をあげるのでお米をください」と言います。ところが、そのお百姓さんがお魚を欲しいと思っていなければ、断られてしまいます。すると、漁師さんは別のお百姓さんでお魚が欲しいと思っている人を探し続けなければなりません。
こうして物々交換の時代は、欲しいものが手に入るまで、たくさんの時間や手間がかかってしまったのです。
そこで人々は、「誰もが欲しいと思うものがあれば、わざわざ人を探さなくても良くなるのではないか」と考えました。そこで考え出されたのが「お金」だったのです。
こうして人々はお金があることによって、いちいち人を探す必要がなくなったため、生活が大変便利になりました。

お金の3つの機能

では、お金ができたことによって、いったい何が便利になったのでしょうか。
じつは、お金には以下の3つの「機能」があり、この3つの機能によって人々は便利に感じるようになったのです。その3つをそれぞれ見ていきましょう。

交換機能

まず、1つ目の「交換機能」について見てみましょう。
交換機能とは、物とお金を引き換えることができる機能です。
さきほどの漁師さんのお話で言うと、漁師さんは予めお魚を欲しい人に売ってお金に換えておけば、そのお金で「お米」という欲しいものを交換することができるようになるのですが、これは交換機能によって便利になったわけです。ちなみに、お金と交換が可能なものは目に見える「物」だけでなく、目に見えない「サービス」も含まれます。例えば、働くとお金がもらえますが、これは目に見えないので「サービス」にあたります。

貯蓄機能

次に2つ目の「貯蓄機能」について見てみましょう。
さきほどの漁師さんのお話で言うと、もし漁師さんがお魚とお米と交換できる人を見つけられないでいる場合は、そのうち時間が経つとお魚は腐ってしまいます。そうすると、腐ったお魚を欲しがる人はいませんから、お魚も無駄になってしまいます。
でも、もしお魚をお金に替えておけば、お金はずっと置いておいても腐りません。そして、将来何か使いたいときが来るまで、ずっと保存しておくことができます。これを貯蓄機能といいます。ちなみに「お金持ち」の人は、貯蓄機能を利用してお金を貯めているというわけです。

価値尺度機能

最後に3つ目の「価値尺度機能」を見てみましょう。
例えば、お魚が1匹100円でトマトが1個50円であれば、トマトよりお魚の方が価値があるということがわかります。そして、もしお魚1匹とトマトを交換する場合は、お魚が1匹100円なので、1個50円のトマトは2個必要であることがわかります。このように値段という物差しで高いか安いかを測ることが判断できる機能を、価値尺度機能といいます。ちなみに、トマト1個の値段がA店では30円、B店では29円の場合、「B店の方が安い」と比較できるのは、この価値尺度機能があるからなのです。
普段なにげなく使っているお金。でも、それは大昔の人たちが生活をより便利にしようとして考え出した、便利な機能のたくさんついた大発明だったわけですね。

執筆:坂本光(さかもと ひかる)CFP
一級ファイナンシャルプランナー・CFP®、心理カウンセラー。2006年5月週末起業を決意し、通信事業者に勤務しながら合同会社FPアウトソーシング代表を務める。ファイナンシャルプランニングに関する個別相談・セミナー講師としても活動中。