第11回:為替、国債、株価の関係

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そもそも為替とは何か?

「為替」とは、本来「立替」のことをいいます。
遠方に住む取引相手に対して現金を輸送することなく決済する方法です。
昔江戸は、政治の中心地として栄えていました。江戸の町は、消費の一大中心地になっていました。一方、大阪は、商人の町として商業が栄えていました。江戸の米問屋が大量にお米を仕入れるには、大阪に買い付けにいかなければなりません。しかし、小判を運ぶのは大変です。盗難の危険も大きく、運送費用も馬鹿になりません。

そこで考え出されたアイデアが、両替商による立替払いです。江戸の米問屋は、江戸の両替商(三井)に代金を払い、大阪の米問屋は、大阪の両替商(鴻池)から代金を受け取るというものでした。立替払いをした大阪の両替商は、江戸の両替商から代金をもらわなければなりませんが、別件の江戸へ送る送金と相殺して決済することにしたのです。

両替商のところには、当時たくさんの取引が集まっていて、双方向のお金の流れがありました。そこで、一定期間の双方の貸借を相殺して、その差額だけを小判を運んで清算することにしたのが為替です。

現在、為替業務は銀行が行っています。銀行は、全銀システムというコンピューターシステムで銀行間の貸借関係の相殺を行っています。決済尻(差額)を、日本銀行においてある各銀行の勘定で決済しています。銀行は、日本銀行に当座預金口座を設けているので、その勘定に入金、あるいは、引き落としをすれば決済できるというわけです。国内で行われているので内国為替(ないこくかわせ)といいます。

 一定期間の双方の貸借を相殺して、その差額だけを小判を運んで清算することにしたのが為替です。

外国為替とは何か?

外国為替は、海外との間で発生した決算を、現金を輸送することなしに、決済することをいいます。
海外には、全銀システムのような決済システムがありません。そこで海外の銀行に預金勘定を開設して、その口座に入出金を行うことで決済します。

この預金勘定をコルレス勘定(為替決済勘定)といい、コルレス勘定を利用して為替の決済を行う取り決めをコルレス契約といいます。1つの銀行が海外のすべての銀行に預金口座を作っておくのは大変です。預金口座を置いていない銀行とは、他の銀行がもつ預金取引関係を利用して、間接的に決済しています。国際間で取り交わされた個々のコルレス関係がネットワークを形成しているのです。

為替のもう一つの意味

上記の説明は為替の立替と清算つまり、遠い所との決済の仕組みのことをお伝えしました。
しかし、為替にはもう一つの意味があり、それが「交換価値」です。テレビのニュース等で毎日伝えられる為替相場のことで、為替レート(外貨との交換レート)のことを指します。

為替変動と景気と債券価格の関係

円安でも円高でも自動車会社は海外で売る車の額は急には変えませんので、円安局面では、為替が円安(ドル高)になると、輸出企業の円での受け取り額が増え、ボーナス等が増え景気はよくなります。

逆に輸入企業にとっては、円安は海外への支払い額が増えてマイナスなのですが、日本は輸出型経済である為、全体でみると輸出企業の受ける恩恵の方が大きく、景気にはプラスに働きます。したがって、円安が予想されると、経済活動が活発になると見られ金利の上昇が期待され、結果債券相場は下落します。

また、円安局面では、資産を円ではなくドルで運用したほうが有利です。為替差益が得られるからです。そのため、債券を売って作った資金をドルに投資する人が増えて、債券価格はますます下がります。

逆に、円高局面では、円高(ドル安)になると、輸出企業の円の受け取り額が減るため、景気は悪くなっていきます。景気後退が予想されるため、金利は低下し、債券価格は上昇します。
円高局面では、ドル資産を円で運用すると為替差益が得られます。そのため、ドルを売って日本の債券を買う動きがでて、債券価格は上昇します。

株価と債券相場の関係

景気がよくなると予想されると、企業業績が伸びるため、株価は上昇します。債券を売って、株式を購入しようとする動きが活発化します。
逆に、景気が悪くなると予想されると、株式を売って、安全な債券を買おうとするため、債券相場は上昇していきます。しかし、国債自体の信用性が落ちているような場合には、債券ではなく金や原油に投資資金が向かうため、債券相場は上がらない場合もあります。

景気によって左右される

債券価格変動のその他要因

債券相場を動かす中心材料は金利ですが、個別の債券の信用力によっても、債券価格は動きます。債券の格付けが下がれば、その発行体の債券価格は下落します。また、債券が大量に発行される場合には、債券は売り圧力となり、債券価格の下げ要因となります。

しかし、現在は

円安が進んで株価が上がるのはわかるのですが、円安が進んでいるのに金利は下がり債券価格は上がっています。株が上がっているのに債券価格(金利は下がり)も上がっています。

上記は金融市場が正常に機能していない事を示しています。日銀が市場にお金をばら撒いて(金融緩和)金融システムを壊しています。異常な状態は何時までも続かないと考えるべきです。
日銀が早期に金融緩和を中止しないと、日銀が買い付けている日本国債その物の価値が崩壊する危険性が出てきます。

日銀が市場にお金をばら撒いて(金融緩和)金融システムを壊しています。


執筆:チームM 代表 松井信夫(ファイナンシャルプランナー)CFP®
株式会社ウィム 代表取締役。NHK文化センターをはじめ、全国各地で年100回以上のセミナーを行う人気ファイナンシャルプランナー。
“プロのノウハウを分かりやすく”をモットーに、ジェスチャーを混じえて説明するセミナーは、笑いあり、涙あり、飽きさせない語りが評判です。
顧問契約のお客様へのコンサルティングでは、リーマンショック、ギリシャショックなど数々の金融危機の中でも、お客様の資産を増やし続けてきた実績が有名。
著書に、『金融時事用語辞典』(共著、金融ジャーナル刊)、『銀行では絶対に 聞けない資産運用の話』(書肆侃侃房刊)がある。
チームMの本部は銀座6丁目の株式会社ウイム内にあり、毎月全国からFPや金融関係者が知識向上、スキルアップ等の為に集まり、相互研鑽を行っています。