第10回:景気の見通しで金融商品は動く

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金利は、資金の需給で決まります。お金を借りたい人(資金需要)が増えれば、金利は上がります。逆に、貸したい人(資金供給)が増えれば、金利は下がります。この資金需給を左右するものが景気です。景気が上向いているかどうかを判断するのがGDP(国内総生産)で金利はGDPの伸び率に影響されます。

景気が上向くと物がよく売れるので、企業は、お金を借りて設備投資をします。商品を製造するための原材料や部品を購入する資金需要がおきます。資金を調達しようとする力が大きくなるので、金利は上がっていきます。

逆に、景気が下向くと物が売れなくなるので、企業はお金の借り入れを控え、余ったお金を安全な投資に向けるようになります。
その結果、債券が買われて債券価格は上昇し、利回りは低下します。
好況が予想される場合には、金利が上昇し、逆に不況が予想される場合には、金利が低下します。つまり、金利は経済の成長に比例することがわかります。
要約すると長期金利は、GDPの成長率と信用リスク(その他の要因で解説)で成り立っています。

 金利は、資金の需給で決まります。お金を借りたい人(資金需要)が増えれば、金利は上がります。逆に、貸したい人(資金供給)が増えれば、金利は下がります。

好況の見通し ⇒ 金利(利回り)上昇
不況の見通し ⇒ 金利(利回り)低下

債券(国債)の価格は何で決まるか?

債券(国債)を満期日まで保有すると利回りが確定するため、安全性の高い預金などと同じ性格をもつ金利商品として、投資の対象になります。投資家は、預金の金利と債券の利回りを比べて有利な方に投資します。
市場金利が上昇すると保有する債券を売って他の有利な債券や他の金利商品に換える動きがでてきます。そのため債券の価格は下がります。
逆に市場金利が下降すると、有利な利回りを持つ債券を買う動きがでてきます。そのため債券の価格は上昇します。

このように、債券相場は、市場金利の動向によって動きます。
金利の上昇が予想されると債券を保有している人は、価格が下落する前に債券を売ります。
債券が売られる結果、価格が下がり利回りは上昇します。逆に金利の下降が予想されると債券価格が上がる前に債券を買っておこうとする動きがでます。その結果、債券価格は上がり利回りは下降します。

金利(利回り)上昇 ⇒ 債券(国債)価格の下落
金利(利回り)低下 ⇒ 債券(国債)価格の上昇

したがって、債券(国債)相場は、金利の見通し(景気)を先取りして動きます。
債券は、金利の動向により国債や社債という種類に関係なく同一方向に動きます。これは、個別銘柄の業績が相場を大きく左右する株式と異なる点です。

債券相場 ⇒ 金利(景気)の見通しで決まる

株価と債券の関係

景気がよくなると予想されると企業業績が伸びるため株価は上昇します。債券を売って株式を購入しようとする動きが活発化します。
逆に、景気が悪くなると予想されると株式を売って安全な債券を買おうとするため、債券相場は上昇していきます。
しかし、国債自体の信用性が落ちているような場合には、債券ではなく金や原油に投資資金が向かうため債券相場は上がらない場合もあります。

債券ではなく金や原油に投資資金が向かう

債券価格に影響する(その他の要因)

債券相場を動かす中心材料は金利ですが、個別の債券の信用力(信用リスク)によっても債券価格は動きます。債券の格付けが下がれば、その発行体の債券価格は下落(金利は上昇)します。逆に格付けが上がれば債券価格は上昇(金利は下落)します。

債券相場の見方

債券相場を見る方法は、お金の行方を探ることにあります。お金の流れは、金利という金融コストにより流れの動向が決まります。債券相場の見方とは、お金がどのように動いているのかを見通すことにほかなりません。

まとめ

1)債券相場と利回り

債券相場は、金利の見通しで決まる
金利は、資金需給で決まる
資金需給は、景気に左右される(=GDPの成長率)

2)債券相場上昇 → 利回り低下

景気後退、物価下降、金融緩和

3)債券相場下落 → 利回り上昇

債券相場下落→利回り上昇

資金需要は、景気に左右される


執筆:チームM 代表 松井信夫(ファイナンシャルプランナー)CFP®
株式会社ウィム 代表取締役。NHK文化センターをはじめ、全国各地で年100回以上のセミナーを行う人気ファイナンシャルプランナー。
“プロのノウハウを分かりやすく”をモットーに、ジェスチャーを混じえて説明するセミナーは、笑いあり、涙あり、飽きさせない語りが評判です。
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著書に、『金融時事用語辞典』(共著、金融ジャーナル刊)、『銀行では絶対に 聞けない資産運用の話』(書肆侃侃房刊)がある。
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