セカンドライフデビューのヒント探し ~枠からはみ出た視点をどれだけ持てるかが勝負~

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枠からはみ出た視点をどれだけ持てるかが勝負

人生って不思議です。専業主婦だった私がファイナンシャルプランナー(以下FP)の資格を取得し独立開業してから20年以上過ぎました。自分でもこんなに長く仕事を続けることができるとは思っていませんでした。振り返って私なりに思うに、何にでも興味を持ち、思い立ったら即行動に移す集中力が私を助けてくれた気がします。そして、私が興味を持った高齢者に関する関心事(年金・高齢者施設・成年後見制度など)に、社会環境の変化により巷の需要が後からついてきた感じがします。

連れ合いは、集中すると周りが見えないのが欠点の意味を込めて、私のことを「1点集中型」と評します。まさに言い得て妙だなと感心しきりです。専業主婦期間が長かったせいか、考え方が少し世の常識から外れていることが逆に、その目のつけどころが面白いと言ってくれる人も増えました。社交的でない性格を心配したのも今は昔です。
今回は、こんな私が自分の生き方に自信を持つことができるきっかけとなった「仕事の壁」についてお話します。例は仕事の取り組み方ですが、リタイア前後の生き方、仕事、長い人生の過ごし方に応用可能です。



新聞の夕刊連載を引き受けて ~新聞は読んでもらえないと意味がない~

試練は突然訪れました。ある日、友人の第2部のセミナーで「女性の年金」についてお話しました。その受講者の中にいた新聞記者から夕刊連載の依頼がありました。記者を含めて4人で順番に書き、1人月1回担当、1行11字で計1100字+図、タイトルは「社会保障ミステリー」。単に社会保険のしくみでなく、不思議だな?何かおかしいな?的なものを書いて欲しいとの希望でした。
依頼の内容に文句はありませんが、当時、社会経験の少ないことや若くもない年齢などを理由に迷いましたが、年齢は関係ないとのことで連載が始まり、結果的に3年超続きました。

自慢ではありませんが、私は学生時代あまり勉強せず推理小説ばかり読んでいました。唯一得意分野は国語でしたが、FPになってその国語力にも自信をなくしていました。あるとき、私の書く文章は意味が分からないとFPの先輩に言われました。私が得意だったのは、問題文の要旨をぬかりなくまとめるテスト対応型のものだったことを指摘されたのです。
一般の読者向けの読者層は様々でかつ皆さん多忙です。多くの人に読んでもらうには、書きたいこと全てを書くのではなく、書きたいポイントを絞って書くと伝わり易いという単純なことに、遅まきながら気づかされました。

そんなときに連載の依頼です。担当記者の「初めの15行が勝負です」が心に染みました。
沢山の記事の中で、「社会保障ミステリー」を読んでもらうには、書き初めで読者の心をギュッと掴むことが大切です。併せて、上記の失敗から学んだ「書きたいテーマが決まったら、周辺知識も含め全てを網羅せず、限られた字数の中でテーマに絞って書く」。これを意識して毎回取り組みました。たくさんの新聞記事の中、「社会保障ミステリー」を読んでもらうことが第一目標です。



パソコンに向かう時間が長ければいいものが書けるとは限らない

連載が始まってから、次は何をテーマに書こうか毎回試行錯誤の連続。頭を真っ白にするために毎朝散歩して、タイトルと書き出しと全体の構成を決めるのが日課となりました。
面白いことに、大体の構成などを決めてからパソコンに向かうと、書く時間が短くなり、満足のいく原稿が書けるようになりました。
文を書くということは、書き始める前から始まっているのですね。それからは楽でした。電車に乗っているときも思案し、人との会話、日常生活やニュースなどで面白いと思ったことなどをこまめにメモし、連載も楽しくなりました。最近、リタイアメントセミナーの開催が増えていますが、上記の経験は大いに参考になっています。



事例一般向けのセミナーをする講師を対象にしたセミナー講師をして気づいたこと
   ~一般受講生の目線の掴みがポイント~

企業も仕事関連の講座を一般の受講者向けに開催しています。ずっとそれなりの企業にいる方は、企業内ではある意味スペシャリストですが、巷に暮らす人の暮らしを知っているようで認識不足です。レジュメも職員用に知識伝達的なものを作成するので立派 (詳しすぎ)で、一般の受講生が理解できるレベルを超えていることすら気づかない例もあります。
企業内向けは漏れがない内容、一般向けは受講者の目線に合わせた内容が基本でしょう。
受講対象者は誰かを認識し、伝えたいポイントを絞ることはそういう意味でも重要ですね。
高齢者施設の入居者の大半は女性です。その例みるまでもなく、リタイア後は女性の世界。良い悪いにかかわらず、女性の視点を取り入れることはこれから必須でしょう。今後単身者の増加が推定されています。そうした背景を押さえた上で、親しみを込めて易しい言葉でお伝えできたら最高です。かつ、仕事で学んだ思考回路の切り替えを自身に応用できるといいですね。


定年後のイメージ、夫は妻より希望を持っている様ですが・・

統計によれば、定年退職後の具体的なライフプランをもっているという回答は、夫37.5%、妻27.5%、生活イメージでも夫の方が楽天的な結果がでてます。現実的な妻に比べ夫は将来の現実を消化できずに退職を迎える人が多そうですね。


※野村不動産アーバンネット株式会社「定年退職後の夫婦の生活」意識調査2016年3月発表

現役時代とリタイア後の生活の間に横たわる「暗くて深い川」は事前の準備なしでは渡るのが精一杯で、リタイア後をイキイキ暮らす余力はなさそうです。長寿化で、待ち受けるリタイア後の長い人生を意識して、早いうちから今までの枠 (働いていたときの常識) の外に出る気づき (思考回路を変えてみる) と勇気 (実行) が試される時代になったようです。