住民税ってなんでしょう? 自治体によってかなり違うのでしょうか?


住民税ってなんでしょう?
自治体によってかなり違うのでしょうか?

今回、回答いただく先生は…


村井 英一先生
(むらい えいいち)
プロフィール
  • 国に納める所得税に対し、都道府県や市区町村に納めるのが住民税です。
  • 金額が均一の「均等割」、所得によって異なる「所得割」から金額が決まります。
  • 自治体によって多少の違いはありますが、大きな差はありません。

  鈴木麻衣さん(仮名 28歳 会社員)のご相談

まもなく結婚をすることになり、新居を探しています。住んでいる自治体によって住民税が違うと聞きました。どうせなら、税金の安いところに住んだ方が得だと思いますが、自治体によってかなり違うのでしょうか? 税金は給与天引きなので、今まで気にしたことがありませんでしたが、そもそも、住民税ってどのようなものなのでしょうか?

鈴木麻衣さん(仮名)のプロフィール

家族構成
家族 年収
鈴木麻衣さん
28歳
(会社員)
年収 280万円

県民税や市民税など、お住いの自治体に納める税金が住民税です。
住む場所を考慮するほどの差はありません。

消費税や相続税など、税金にはいろいろな種類があります。そのうち、その人の所得に応じて納付するのが、所得税と住民税です。所得税は国に納め、住民税はお住いの都道府県や市区町村に納めます。
お勤めの人はどちらも給料から天引きされてあまり意識しませんが、それぞれ別々に支払っています。自営業やフリーランスの人は、2月15日から3月15日の間に確定申告をして所得税を支払います。すると、6月に住民税の納付書(振込用紙)が送られてきて、銀行やコンビニなどで住民税を支払います。県民税(都民税、道民税、府民税)と市民税(区民税、町民税、村民税)と2つの住民税がありますが、まとめて支払うようになっています。

住民税は、基本料金のような「均等割」と、その人の所得に応じて金額が決まる「所得割」によって決まります。現在は、「均等割」は都道府県民税が1,500円、市区町村民税が3,500円です。「所得割」は都道府県民税が4%、市区町村民税が6%で、合計10%です。
※平成30年度より、政令指定都市については都道府県民税が2%、市区町村民税が8%となります。
ちなみに、「所得」は、年収から必要経費に相当する給与所得控除や社会保険料である社会保険料控除などを引いた後の金額ですので、年収総額の10%よりは小さくなります。預貯金の利子や株式の配当、株式の売却益からは20%が税金として差し引かれますが、そのうち5%は住民税(都道府県民税)です。それぞれ、「利子割」「配当割」「株式譲渡所得割」と呼ばれています。

1.標準税率と異なる自治体はありますが、それほど大きな額ではありません。

このうち、「利子割」「配当割」「株式譲渡所得割」は、全国一律ですが、「均等割」「所得割」については、それぞれの自治体で定めることができるようになっています。上記でご紹介した税率は、あくまで標準の税率です。そのため自治体、つまりお住いの場所によって住民税の金額が違うことがあります。以前に、名古屋市で住民税を引き下げたことがニュースにもなりました。逆に税率を高く設定している自治体もあります。
標準税率と異なる主な自治体をご紹介しましょう。

住民税が標準税率と異なる主な自治体
自治体名 異なる部分 税率(標準との差)
名古屋市 均等割 3,300円(200円安)
所得割 5.7%(0.3%安)
宮城県 均等割 2,700円(1,200円高)
神奈川県 均等割 1,800円(300円高)
所得割 4.025%(0.025%高)
横浜市 均等割 4,400円(900円高)
愛知県 均等割 2,000円(500円高)
大阪府 均等割 1,800円(300円高)
兵庫県 均等割 2,300円(800円高)

※平成30年度より政令指定都市について、所得割の税率は都道府県民税が2%、市区町村民税が8%となる。

税率を引き下げている自治体はほとんどありません。短期間引き下げたところはいくつかありますが、現在も続けているのは名古屋市ぐらいです。もっとも、県民住民税が高いので、名古屋に住むのが必ずしもお得とは言えません。
都道府県では均等割を上げているところが多く、標準税率としているのは10都道県にとどまります。市区町村単位では、異なる税率を適用しているところはあまりありません。
標準の税率よりも高いケースでも、均等割の1,200円程度で、それほど大きな負担というほどではありません。お勤め先や仕事の事、通勤などを考えると選択できる範囲は限られます。現状では、住民税の違いで住む場所を選ぶほどではないでしょう。

住民税の多寡よりも、環境や将来お子さんが産まれたときの子育て支援や住民サービスの充実などに目を向けられてはいかがでしょうか。