被災後の生活を立て直すのが大変で教育費を支払えるか心配です。今から申し込める奨学金はあるでしょうか。


今回、回答いただく先生は…
森田 和子先生 (もりた かずこ) プロフィール
  • 返済の有無や金額などは奨学金ごとに違います
  • 緊急時に使える奨学金があります
  • 3つのポイントをおさえて奨学金を利用しましょう

  明石徹さん(仮名 52歳 会社員)のご相談

災害で自宅と職場が大きな被害を受けました。生活を立て直すのが大変なので子供2人の教育費を支払えないのではないかと心配です。被災する前は必要ないと思っていたので奨学金を申し込まなかったのですが、今から使えるものはないでしょうか。

明石徹さんのプロフィール

家族構成
家族 職業
本人
(52歳)
自営業


(46歳)
自営業
長男
哲也
(20歳)
私立大学2年生
二男
祐介
(16歳)
私立高校1年生

災害時には特別な奨学金が設けられる場合があります。
学校・自治体の窓口に相談し、有利なものに申し込みましょう。

こんにちは、明石さん。災害に遭われたとのこと心よりお見舞い申し上げます。奨学金の多くは新年度の始まる春までに申し込みますが、緊急時の奨学金についてはそれ以外の時期に申し込めるものがあります。奨学金の種類と利用する場合の注意点について確認していきましょう。

返済の有無や金額などは奨学金ごとに違います

一口に「奨学金」と言っても、大きく二つのタイプに分けられます。一つは受け取るだけで返済しなくてもよい「給付型」、もうひとつは将来返済しなければいけない「貸与型」です。
「〇〇大学奨学金」、「〇〇県奨学金」という名称だけを見ても、それがどちらのタイプかを判断することはできません。奨学金の内容説明まで確認する必要があります。そこに「……〇万円を給付する。」とあれば給付型、「……〇万円を貸与する。」とあれば貸与型です。
自治体の奨学金には「育英資金」と名のついたものも多く見られます。こちらは貸与型の奨学金で、後から返済するのが一般的です。

返済する必要があるのか、ないのかは大きな違いですから必ず確認しましょう。
受け取り方にも注意が必要です。奨学金には1回限りのものと、「毎月○万円」のように定期的に受け取っていくものがあります。どちらの受け取り方なのか、卒業まで利用できるのか、受け取りの総額はいくらになるのかも重要なチェックポイントです。

緊急時に使える奨学金があります

明石さんが奨学金を調べるならば、最初に確認したいのが通っている学校の奨学金です。地震や台風などの大きな災害があると、学校が独自の奨学金を設ける場合があります。緊急の奨学金制度として授業料の全額や半額を免除されることもあります。哲也さんは通っている大学で、祐介さんは高校で確認してください。
住んでいる自治体が緊急の奨学金を設けることもあります。学校で情報を得られる場合もありますが、なければ自治体の窓口に問い合わせてみるとよいでしょう。

また、日本最大の奨学金団体である日本学生支援機構には、通常の奨学金とは別に家計の急変時に申し込める第一種(無利子)の「緊急採用奨学金」と、第二種(有利子)の「応急採用奨学金」があります。被災した場合だけでなく、保護者の死亡や病気、失職などでも対象になる場合があります。
通常の第一種奨学金や第二種奨学金とは違い、こちらの採用時期は「年間を通じて随時」となっています。申し込みの窓口は学校なので、他の奨学金の情報も含め、通っている学校に問い合わせてください。

緊急時だけでもさまざまな奨学金があります。大学生の哲也さん、高校生の祐介さん、それぞれについて、利用できる奨学金をリストアップしましょう。

3つのポイントをおさえて奨学金を利用しましょう

リストができたところでどの奨学金を利用するかを検討します。奨学金を利用する場合のポイントは次の3つになります。

  1. 返済不要の給付型を最優先に考える
  2. 奨学金の併用可能かを確認する
  3. 貸与型は借りすぎに注意する

(1)の給付型奨学金は、返済しなくてもよいのですから、言うまでもなく圧倒的に有利です。貸与型に比べて採用条件も厳しいのですが、申し込めるようであれば最優先で検討するべきでしょう。

(2)は2つ以上の奨学金を使う場合の注意点です。奨学金の中には他の奨学金と併せて受けることを禁止しているものがあります。1つの奨学金では不足し、複数の奨学金を利用したい場合には、併用可能なものであるかを必ず確認するようにしましょう。

(3)については貸与型の奨学金の注意点です。貸与型は将来返済しなければなりません。借りる金額が大きいほど、返済額も大きくなります。必要な分だけを利用し、借りすぎないように心掛けましょう。

2人のお子様の教育費が最も高い時期と重なるので本当に大変ではないかと思います。奨学金も上手に利用して乗り切ってください。明石さんが一日も早く生活を立て直されますことを心よりお祈り申し上げます。

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