毎月の赤字をボーナスで補填、教育費の準備や将来が不安です


毎月の赤字をボーナスで補填、教育費の準備や将来が不安です

山根 克規先生 (やまね かつのり) プロフィール
 
  • 生活は収入の9割以内が基本です。
  • お金の原則は「稼ぐ」「貯める」「殖やす」能力を身につけること。
  • これまでの常識にとらわれない、今の時代にあった家計管理をすべし。

竹田 真美さん(仮名32歳 主婦)のご相談

はじめまして、二児の母です。
家計に関してご相談があります。
現在、夫の収入のみで生活している状態ですが、最近の不況で収入も減ってきています。
そのような状況の中で、これまで多少なりともしていた貯蓄が、まったくできない状態となり、毎月の赤字をボーナスで補填する状態です。そのボーナスもこの先減らされそうで、将来が不安で仕方ありません。
マイホームの夢も、とても叶いそうに無い気がします。子どもも二人いますので、教育費だけは何とかしないといけないと思います。

そこで今の家計から見て、どこをどのようにしたら良いのか、プロのご意見をお聞かせ願いたいと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。

年齢 : 32歳
性別 : 女性
職業 : 主婦
家族構成 : 夫 35才 会社員
        子ども 5才、4才
世帯年収 : 420万円(手取り)
貯蓄残高 : 300万円
住居 : 賃貸マンション

家計の状況

月収(手取り) 300,000円
住居費 80,000円
駐車料 10,000円
水道光熱費 30,000円
通信費 20,000円
食費 50,000円
幼稚園 60,000円
生命保険 30,000円
自動車保険 10,000円
夫こづかい 50,000円
雑費他 10,000円
月間支出計 350,000円
収支 -50,000円
ボーナス(手取り) 70万円
赤字補填 60万円
帰省費用等 10万円

世帯収入を増やし、収入の9割で生活すること

アメリカを震源とする今回の不景気ですが、まだまだ根が深そうですね。真美さんのご家庭のように、世帯収入が減っている方がたくさんいらっしゃいます。ではどのように対処すべきか、お話させていただきます。

まず大切なのは、これまでの常識、考えを改めてみる必要がある、ということです。今回は急激な不況でいやおうなく対応を迫られましたが、戦後、日本人は豊かな、また平和な時代を過ごしてきましたが、そのような時代ばかりが続くことは無いということです。
今が普通で、そもそも戦後の高度経済成長が凄すぎただけではないでしょうか?

では改め直すべき、これまでの常識といえば、給料は上がるもの、不動産価値は上がるもの、学歴が将来を安泰にする、一流企業・公務員が安定・安心である、借金も財産のうち・・・などです。

実際に一流大学を出ても就職先はなく、派遣労働を強いられ、景気に左右されて仕事が無くなる。一流企業に入社しても、リストラの影響を受ける。不動産価値が下落し、給料も下がり、住宅ローンが払えずに自己破産する。
このようなことが、日常茶飯事に繰り返されています。社会は厳しいものだと、認識すべきでしょう。その上でファイナンシャル・プランニングする必要があります。

真美さんの家計も、今のままでしたら、貯蓄も底をつき、マイナスになってしまう可能性があります。ですから、早めに手を打っておく必要がありますね。

やるべきことは、「収入を増やす」、「支出を減らす」、「資産を殖やす」

まず「収入を増やす」。当たり前のことですが、世帯としての収入を増やすことが最も重要です。節約などには限界がありますし、資産を殖やすにも元金が必要です。そのためにもまず考えるべきは、収入アップです。ご主人の会社で収入増が見込めないならば、真美さんが何らかの収入を得ることも考えてみましょう。

パートなどで年間100万円収入が増えるだけで家計は大きく変わります。グラフ参照
不測の事態に備えるためにも、二人で家計を支えるお気持ちが大切です。

次に「支出を減らす」です。
もう少しいえば「無駄な支出を減らす」ということです。
お金は使えばなくなります。お金を減らさないことは、お金の管理においてとても重要な要素です。では気になる部分を見てみましょう。

まず、支出は手取りの9割以内で賄うのが鉄則です。できれば8割以内などを目指したいところです。収入の最低でも1割、2割は先を見越して、貯蓄、投資に回すべきです。つまり支出は手取り収入の9割以内が分相応となります。収入が下がったならば、それに対応させなくてはいけません

不動産の賃料も、景気に影響されて安くなっています。これを機に、もう少し安い物件を探してみても良いと思います。水道光熱費も省エネになる電化製品への交換や、使用量をこまめにチェックして、少しでも下げる努力が必要かもしれません。通信費も最近は様々な選択肢がありますから、ご家庭の使用状況からもっとも最適なものを再検討してみましょう。

生命保険も気になります。
拝見すると10年ほど前にご加入された、定期保険特約付終身保険に、ご夫婦それぞれご加入されていますね。あと1年ほどで更新時期を迎え、今のままですと掛金が1.5倍ほどになると思われます。またご家庭の状況からすると、少し過大な保険金額ではないかと思われます。
生命保険は万が一の際に、遺されたご家族が経済的に困らないようにするものです。ですから、万が一の際に、どのくらいの経済的損失があるかを検討しなくてはいけません。万一の際に、どこに住み、どのような生活をし、子どもたちにどのような教育を受けさせることになるのか?年金や退職金、真美さんの収入はどうなるのか?これらを考慮して、最適な保障設計をしていきます。

そのためには保険のプロにじっくり相談し、納得いくまでプランを検討すべきです。
保険の種類によって、各社どこの保険が良いかも比較検討して、ご家庭にぴったりの保険にご加入して下さい。それにより、掛金が5,000円以上下がると思います。

自動車保険も通販型も考慮に入れてみましょう。掛金は4,000円程度下がると思います。
ただ近くに担当者がいたほうが安心であるという事であれば、その金額の差も考慮して、ご検討ください。

もし手取り収入が変わらないなら、これらの節約により月々3万円程度の削減が望まれます。収入が増えるとしても、無駄な支出には、この際メスを入れておきましょう。
先々消費税のアップも見込まれますから、今の段階で貯蓄ができないことは、非常に危険です。ぜひ大胆にお願いしたいと思います。それによりご心配の教育資金や、将来のための資金作りが可能になります。

収入・支出・貯蓄残高 現状と改善後(表)

現状(グラフ)

改善後(グラフ)

教育資金をどのように作っていけば?

一般的には学資保険を考えますが、金利の低い現状では、あまり得策ではありません
保険というのは、基本的に契約時の金利が最後まで適用されます。ということは低金利の今ご加入されることは、今後10年以上、低金利の積立を契約するということになります。それであれば、銀行などで積立をしていたほうが良いかもしれません。
金利の状況を見ながら、そのときに有利な金融商品に変更すればよいのです。

資産運用の鉄則ですが、低金利時は資産を固定しないことです。いつでも動かせる流動性が大切です。もし学資保険に加入したら、途中で動かしたらほとんどの場合、損をします。とはいえ保険のメリットは、万一の際の保障です。親が万一の場合にも、子どもたちに教育を与えたいと思うのが親心です。しかし、そのリスクを加味して親に生命保険をかけるわけですから、あくまで貯蓄性を求めるなら、保険以外の検討が有利かもしれません
保険で貯蓄するなら、終身保険を短期で払い込む(お子さんの大学進学時期くらいまでに)契約も検討に値します。保険会社によっては、結構有利なものもあります。

ローンを組むのは危険

マイホームですが、住宅ローンを組んで住宅購入するのは非常にリスクがあります。
高度経済成長下では借金も財産のうちでしたが、今のように低成長時代においては、借金はあくまで借金です。実際、収入の減少でローンの支払いができなくなり、自己破産される方も沢山いらっしゃいます。住居はそのときの収入・環境に合わせて住み替えたほうが経済的です。
また近隣問題、年数による劣化に対するリフォーム代金などマイホームには、大きなリスクを伴います。賃貸は賢い選択という発想でよいと思います。もしご購入するなら、しっかり貯蓄してから、なるべくローンを組まないで購入できるようにしましょう。

資産運用は不可欠

最後に、「資産を殖やす」です。
日本人は貯蓄は得意だが、資産運用は苦手としています。これもやはり、高度経済成長の後遺症ではないでしょうか?
つまり何も考えなくても収入も増え、貯金の金利も高く、不動産や株はあまり考えなくても、資産は増えました。それゆえ資産運用をしなくても、大して問題は無かったわけです。

しかしそれが世界的に見たら異常だったのであって、適正な資産運用は大切です。資産運用はギャンブルと思っている方がいらっしゃいますが、まったくの誤りです。資産運用のスキルは、社会人としてのたしなみと言えます。少しずつ学んでいかれることを、お勧めいたします。
だからといって、よくわからない状態で決して投資しないことです。仕組みを理解し、しっかりご自身でご判断されることが求められます。とにかく資産運用は、家計にとって不可欠ですので、じっくり取り組みましょう。

以上長くなりましたが、家計全般についてお話しさせていただきました。
とにかく、これまでの常識にとらわれず、今の時代にあった家計管理を考え、安定した家計を目指しましょう。

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