わが家は「母子家庭+老人」 保障はどのくらい必要?

Pocket
Facebook にシェア
LINEで送る
このエントリーをはてなブックマークに追加

上野 やすみ先生 プロフィール
いま加入している保険で保障が足りているか、ムダな保障はないかを徹底チェック!必要保障額の目安や見直し方、保険料を安くおさえる方法など、ご家族の状況や家計全体のバランスを考えながら、1人1人に合った保険選びをお手伝いします。むずかしいと思われがちな保険の内容もわかりやすい言葉でアドバイスします。

中島 由香さん(仮名)のご相談

私(35歳)と息子(7歳)の母子家庭で、現在母(61歳)と同居中です。離婚前から持っている保険二つだけでは備えになっていないのが心配です。かといって、家計に余裕がある訳ではありません。どんな保険にどのくらいの額で入れるものでしょうか。
母に関しては、保険がありません。この先働けなくなったらわずかな年金だけです。実質的に私の収入で暮らすことになるので、医療保険に入った方がよいのか?と思ったのですが、年齢的に掛け金が高額になるので、無理して保険に入るより、その分コツコツ貯蓄しておく方がよいのでしょうか?
子供の学資保険に関しては、最終的に12万円ほど元本割れするようなので、解約して他の保険会社のものに掛け代えようかと悩んでいます。
母子家庭だからこそ、万が一に備えなければいけないし、貯蓄もしなければならないし、でも余裕は無いし・・で難しいです。アドバイスお願いします。

中島 由香さん(仮名)のプロフィール
35歳、会社員。7歳のお子さんと、61歳の母と賃貸住宅にお住まい

家計状況

1.月間収入(手取り)
 本人 240,000 円(養育費、児童扶養手当含)
2.月間支出費用
 住居費 67,315 円
 車両関連費 6,000 円
 食費 40,000 円
 水道光熱費 16,000 円
 通信費 11,300 円
 教育費 12,000 円
 交際費 5,000 円
 教育娯楽費 2,900 円
 こづかい 0 円
 その他支出 32,000 円
(内15,000円は特別支出分としてプール)
3.保険料・貯蓄
 月保険料 24,320 円
 月貯蓄・投資額 15,000 円
4.ボーナス
 手取り 0 円
 ローン返済費 0 円
 その他支出費用
(毎月赤字分決済)
0 円
 貯蓄額 0 円
5.資産・負債の状況
 現在の貯蓄残高 2,200,000 円
 現在の住宅ローンの残高 0 円

保険の加入状況

 A生命保険
種類  生存保険金付養老保険 被保険者の名義  本人
加入時期  平成 6年 払込期間  45 歳まで
保険金額  200万円 月額保険料 12,640 円
 A生命
種類  生存保険金付学資保険 被保険者の名義  子
加入時期  平成 8年 払込期間  18歳まで
保険金額  200万円  

お子様とお母様のために死亡保障4000万円程度と、医療保障を確保しましょう

遺族年金はお子様が高校卒業までしかもらえません

現在、由香さんがご加入中の生存給付金付養老保険は、死亡保障が200万円。7歳のお子様と60歳のお母様とともに暮らす由香さんにとっては死亡保障がやはり少ないですね。

由香さんに万一のことがあった場合には、遺族厚生年金と遺族基礎年金が支給されます。しかし、それもお子様が高校を卒業するとき(18歳に到達した最初の3月末日)まで。その後は遺族年金はありません。大学を卒業する年齢までの生活費や学費、お母様の生活費などを生命保険で準備する必要があります。

遺族年金の目安は約114万円、1ヶ月当たり約9万5000円で、現在の収入の4割に減ってしまいます。月24万円を確保するとなると、お子様が18歳になるまでの11年間は月14万5000円(月収24万円-遺族年金月額9万5000円)が必要で、大学生の4年間は月24万円。お子様が大学卒業後はお母様の生活費として月15万円程度を確保しておくようにします。

お子様とお母様お二人の生活になったら現在より生活費が少なくなる可能性がありますが、お子様が成長するにつれ生活費も増えますし、学費もかかるので、現状の収入と同額を目安に試算してみます。お母様の生活費は60歳時点の平均余命87歳までとします。

  • お子様が高校を卒業するまで 14万5000円×12ヶ月×11年=1914万円
  • お子様が大学生である4年間 24万円×12ヶ月×4年=1152万円
  • お子様大学卒業後からお母様の平均余命まで(75歳~87歳まで)
    15万円×12ヶ月×13年=2340万円

これらを合計すると、28年分で5406万円となります。

大変な金額で驚いたかもしれませんが、これは現時点で万一のことがあった場合であり、来年、再来年と年月が過ぎればその分必要な保障額は減っていきます。そのため、毎年保障額が減っていくタイプの保険で準備すると効率的です。
東京海上日動あんしん生命の家計保障定期保険では、由香様が60歳になるまでの保障で、毎月15万円ずつ受け取れるタイプに加入した場合、毎月の保険料は3,585円です(35歳女性・保険料払込期間55歳)。現時点で万一のことがあったら、毎月15万円が25年間に渡って支給されるので、総額4500万円の保障となります。1年経過するごとに給付金の支給期間が1年ずつ短くなります。お母様が86歳のときまでの保障となりますが、その頃にはお子様も33歳なので、お母様の面倒を見てあげることができるでしょう。

家計保障定期保険

一般的な生命保険のように死亡保険金を一括で受け取るタイプだと、お子様と高齢のお母様には大きなお金を管理しきれない可能性もあります。その意味でもこのような毎月受け取るタイプにしておくと家計管理もしやすく安心でしょう。

お子様が大学生の間は少し収入が少なくなりますが、現在の貯蓄をとっておく、給付金の一部を貯蓄に回して備える、お子様が大学生になったらアルバイトをして生活費を稼ぐなど保険に頼らない方法を考えておくといいでしょう。

家計を支える由香さんには病気の備えも重要です

死亡保障も大切ですが、由香さんが病気などで入院したら収入減少で家計に大きく影響します。現在は養老保険の特約で入院1日3000円に加入していますが、55歳で満期になります。給付額も少ないですし、老後の医療保障も無くなるので、今のうちに終身医療保険に加入されることをおすすめします。

アメリカンファミリーの終身医療保険「EVERエヴァー」は、日帰り入院から1回の入院につき60日まで保障されます。入院日額5000円の場合、毎月の保険料は1,925円(35歳女性)。保険料は生きている限り支払わなければなりませんが、60歳、70歳になっても保険料はそのまま変わりません

養老保険は貯蓄代わりにするか、減額・解約を

現在加入している養老保険は、予定利率が3.75%のときの契約なので、解約して預金するよりはおトクといえます。満期になるのがお子様が17歳のときのため、学費として使うこともできますし、ご自身の老後資金として利用することができます。いずれにしろ貯蓄をしていく必要があるので、このまま継続してはいかがでしょうか。一時的にお金が必要になったら契約者貸付を利用することもできます。

でも、新たに加入したい死亡保障と医療保障の保険料合計が5510円になるため、保険料の支払いが困難と思う場合には、養老保険を減額か解約にしてもいいと思います。

中島さんの保障見直し

お母様の保障は貯蓄で準備か、終身医療保険への加入を検討しましょう

お母様の保障が何もないのは心配ですね。たしかに60歳から加入するのは保険料が高くなりますが、前述のアメリカンファミリーの終身医療保険「EVERエヴァー」は、入院日額5000円の場合で毎月の保険料は4,340円(60歳女性)です。何も保障がないよりは、この金額で一生涯の入院保障が得られるなら安心という考えもあるでしょう。

ただ、1回入院して受け取れる入院給付金は最大5000円×60日=30万円。手術をした場合には5万~20万円の給付金が別途支払われます。入院給付金は通算で1000日まで保障がありますが、同じ病気で入退院を繰り返した場合、退院してから次の入院までの間が180日あいていないと給付金が受け取れません

それならば、現在の貯蓄のうち50万円程度を万一のときのためにとっておくようにすれば、保険に加入したのと同じ金額が確保できます。
保険は安心を買うという意味もありますので、貯蓄で準備するか、割安な医療保険に加入するか、お母様と相談されるといいでしょう。

継続的に積立できるなら教育費は預貯金でもOK

元本割れになる学資保険を他の保険会社のものに掛けかえようかとお悩み中のようですが、6歳までしか加入できない商品もあること、現在は予定利率が低いこと、満期までの期間が短いことなどの理由から、新たに学資保険に加入し直すのはおすすめできません
預金だと他の目的に使ってしまいそう、という方は元本割れでも保険で強制的に貯めていくのも1つの方法です。きちんと積立できるならば解約して定期保険などで積立するといいでしょう。ケガや病気の備えには、こども共済(掛金1000円)などがいいでしょう。