第4回:そもそも金利って何!?

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前回は、大切な経済指標GDPのお話をさせて頂きました。
GDP(国内総生産)とは「一定期間の間に国内で生み出された付加価値の合計金額」のことで、個人で言うとGDPとは1年間の所得になります。また、GDPには「名目GDP」と「実質GDP」があり、「名目GDP」とは「物価上昇による見かけの経済成長も含んだ経済成長」、「実質GDP」とは「作った物の量が増えたことによる本当の経済成長」のことです。

 国内総生産(GDP=GrossDomesticProduction)とは、「一定期間の間に国内で生み出された付加価値の合計金額」という意味です。難しいですね!

金利って何!?

では金利とは何でしょうか?そもそも金利は何故つくのでしょうか? 実は、皆様は銀行にお金を預けると金利が付くのでお金は「預ける」行為と思っているようですが、実は違います。

もし、銀行ではなくコインロッカーにお金を預けたとしたら、保管料は支払うことになります。皆様は銀行にお金を預けて保管料を払いますか? 払わないと思います。逆に利子を少しもらえると思います。また、銀行にお金を預けたならば満期になったら同じ番号の1万円札が戻ってくるはずです。でも、別の1万円札と利子が戻って来ます。この商行為は「預ける」とは言わず、「貸す」と言います。意外ではないですか?以前にお話ししましたが、1万円札も日銀の借用証書(初回号参照)でした。実は金融行為とは貸し借りの事なのです。

「銀行にお金を貸す」ということを理解すると難しい金融が理解しやすくなります。
まとめると、金利とは貸し借りの時に発生する手数料で、銀行にお金を預けるのではなく我々は貸している。だから少しだけ手数料(利子)がもらえるのです。逆の場合もありますので利子も利息も同じ意味になります。

ミカン50円+ジュース150円(付加価値)=200円(国内総生産(GDP))

金利は何を基準にしているのか

では、我々は日ごろ金利は「高い」とか「低い」とか日常生活でよく使っていますが、そもそも金利は何を基準に決められているのでしょうか? 考えたことはありますか?今回はその謎を解いていきたいと思います。
まず、貸し借りには長期で貸す場合と短期で貸す場合があります。その為、金利には「長期金利」と「短期金利」があります。

≪長期金利とは≫
期間が長い貸し借りで1年以上の金利のことを言います。通常、「10年満期の国債の利回り」を指します。国が10年間市場から借りる時の金利を示します。
貸し借りの期間が長くなる為、長期金利には貸し借りの期間中の、

「期待インフレ率=物価上昇予想率」と
「期待潜在成長率=実質GDP予想率」と
「リスクプレミアム=リスクに対して支払われる対価」を

考慮して市場取引で決まります。

将来、経済が成長すると思われたら金利が上がり、停滞すると思われたら金利は下がります。つまり、市場の期待(予想)で動くので実際の経済の動きより早く長期金利は動くといえます。貸し借りですから将来が不安定になった場合も当然金利は上がります。このことをリスクプレミアム(=リスクに対して支払われる対価」)と言います。

≪短期金利とは≫
期間が1年未満の貸し借りの金融取引の金利のことを言い、一番短い取引の「無担保コール翌日物」を通常指します。無担保コール日物金利とは銀行間の一日単位の資金融通(貸し借り)を行うコール市場での無担保翌日返済の借り入れ金利です。
この短期金利「無担保コール翌日物金利」を日本銀行が金融調節によってコントロールしています。つまり、短期金利は日銀のコントロールできる金利であり、金融政策の影響下にあります。

世界の中央銀行は、人々の予想や将来の不確実性を思いのままに動かすことは出来ないと考えています。つまり、中央銀行が誘導するのに適しているのは、ごく短期の金利と考えているようで、期間が長い金利の形成は、なるべく市場メカニズムに委ねることが望ましいと考えていたようです。しかし、日本のバブル崩壊以降中央銀行が無担保コール翌日物金利をいくら引き下げても景気が良くならないため日銀は必要以上の国債や社債を買って、マネーを増発する量的緩和を行っています。日銀はなりふりかまわず長期金利もコントロールしているように思えます。
これを「非伝統的手段」と言います。

国内総生産(GDP)と長期金利の関係

さて、ここから国内総生産(GDP)と長期金利の関係を考えて見たいと思います。
もう一度GDPのおさらいです。
GDP(国内総生産)とは、「一定期間の間に国内で生み出された付加価値の合計金額」のことです。つまり、国内総生産(GDP)は、「国内の人々や企業の所得合計金額」とも言えます。

また、GDPには「名目GDP」と「実質GDP」があり、
「名目GDP」とは「物価上昇による見かけの経済成長も含んだ経済成長」
「実質GDP」とは「作った物の量が増えたことによる本当の経済成長」のことです。
上記を変換すると、「名目GDP」=「物価上昇+実質GDP」となります。
ここから、GDPと長期金利の関係を見ていきます。
なお、名目GDPの伸び率の事を経済成長率と言います。

長期金利は
「期待インフレ率=物価上昇予想率」+
「期待潜在成長率=実質GDP予想伸率」+
「リスクプレミアム=リスクに対して支払われる対価」で表されます。

リスクプレミアムに変化がないとすると

長期金利は
「物価上昇予想率」+「実質GDP予想率」 となります。
「物価上昇予想率」+「実質GDP予想率」=名目GDP予想率
 なので、

長期金利は
 「名目GDP予想率」+「リスクプレミアム」となります。
また、「名目GDP予想率=経済成長率」なので
長期金利は「経済成長率+リスクプレミアム」
になります。

通常、長期金利と経済成長率はほぼ同じように動くのですが、上記の式より常に経済成長率より長期金利の方が高いことが予想されます。
さて、上記の知識≪長期金利=経済成長率+リスクプレミアム≫をもとに下記の日経の記事を見るとよく理解できます。

『ちらつくバブルの芽? 日米独の成長率、長期金利上回る』
バブルの足音か、財政再建への追い風か!

日本、米国、ドイツで名目の経済成長率(GDPの伸び率)がそろって長期金利を上回った。景気回復の勢いに比べて長期金利が低すぎる状態で、過去の似た局面では資産バブルにつながった例が目立つ。財政再建には追い風だが、バブルが起こる前に安定成長に軟着陸できるのか。日米欧の金融政策は微妙な局面を迎えている。 以下省略 

 (2014年5月26日 日経新聞 参照)

つまり長期金利と経済成長率の関係が分かれば経済も少し面白くなるのではないでしょうか?

 国内総生産(GDP=GrossDomesticProduction)とは、「一定期間の間に国内で生み出された付加価値の合計金額」という意味です。難しいですね!

執筆:チームM 代表 松井信夫(ファイナンシャルプランナー)CFP®
株式会社ウィム 代表取締役。NHK文化センターをはじめ、全国各地で年100回以上のセミナーを行う人気ファイナンシャルプランナー。
“プロのノウハウを分かりやすく”をモットーに、ジェスチャーを混じえて説明するセミナーは、笑いあり、涙あり、飽きさせない語りが評判です。
顧問契約のお客様へのコンサルティングでは、リーマンショック、ギリシャショックなど数々の金融危機の中でも、お客様の資産を増やし続けてきた実績が有名。
著書に、『金融時事用語辞典』(共著、金融ジャーナル刊)、『銀行では絶対に 聞けない資産運用の話』(書肆侃侃房刊)がある。
チームMの本部は銀座6丁目の株式会社ウイム内にあり、毎月全国からFPや金融関係者が知識向上、スキルアップ等の為に集まり、相互研鑽を行っています。