節約・ライフプラン

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節約マネーコラム

第18回:結婚したら、すぐに保険の見直しが必要? (2004年10月)

「結婚したので、保険を見直したい」というご相談をよく受けます。生活環境が変わったら保険の見直しを、というのが浸透してきたこともあるでしょう。今まで、一人で身軽だった状況から、守らなくてはならない家族ができた、という責任感が生まれるからかもしれません。でも、実際には必ずしもすぐに見直しをしなくても良い場合もあります。

今回は、どういう場合には見直しが必要なのか、また、結婚前のシングルの時代にはどのような保険に入っておけば結婚後も見直しがしやすいのかを考えてみたいと思います。

結婚したら、リスクはどう変わる?

自分や家族に万一のことがあった場合の経済的リスクを補完するのが、生命保険の役割です。生命保険でカバーできる経済的リスクは、大きく2つに分けられます。一つが、自分が死亡した場合、その後の家族の生活費のために残す「死亡保障」。もう一つが病気やケガで入院したときの出費や収入減のために備える「入院保障」です。

死亡保障


まず、結婚後、自分や配偶者に万一のことがあった場合を考えてみましょう。まだ子どもがいなくて、共働きだったらどうでしょうか? お互いが、生活できる程度の収入を得ていれば、その後の生活に困るということは当面ないでしょう。

ただし、妻がすでに仕事を辞めて専業主婦になっていた場合は少し注意が必要です。夫に万一のことがあると、公的年金から遺族年金(遺族基礎年金と遺族厚生年金)の支給があります。ところが、「遺族基礎年金」の支給対象者は、「子のある妻、もしくは子」なのです。つまり、子どもがいないと遺族基礎年金の受給ができないのです。

夫が会社員(厚生年金に加入)の場合には、遺族厚生年金だけが支給となりますが、十分に生活していけるような金額ではないでしょう。ですので、専業主婦の場合には、結婚当初からある程度大きな保障が必要になると考えられます。

もちろんその後、子どもができれば、その子どもの将来の生活費を補えるような保険が必要になってきます。もう一人子どもが生まれればその子の分も・・・、というように生活を守るべき家族が増えれば、その分保障も必要になってきます。

つまり、保障を上乗せするタイミングは、「結婚した」というタイミングではなく、「収入を確保してあげなくてはならない家族が増えたとき」、といえるでしょう。このように考えて、必要な保障額の推移をイメージすると、下図のようになります。



入院保障

さて、病気やケガで入院した場合の保障はどうでしょうか? 会社員の場合、通常有給休暇があり、その後無給になっても健康保険の傷病手当金※1の制度があります。治療費についても高額療養費制度※2もあるので、日額5千円〜1万円程度の保障があれば良いのでしょう。

一方、自営業者が加入する国民健康保険には傷病手当金の制度がありません。このため、入院することによって収入が途絶えてしまう、激減してしまうというような場合には多めの入院保障、または損害保険会社で取り扱っている所得補償保険などでカバーしておく必要があります。

※1 傷病手当金:病気やケガで休んだ場合、4日目から給与(標準報酬日額)の6割が1年半にわたって支給される。ただし、給与が出ている間はその支払額は調整される。
※2 高額療養費制度:1カ月間の負担に上限が設けられており、この上限を超えた分が払い戻される仕組み。

シングル時代はこんな保険に入っておくと見直ししやすい

若い頃から死亡保障が数千万円という保険に入っているケースも少なくありませんが、このような場合には加入後10年、15年で更新し、保険料もアップしてしまうような保険が多いようです。そのため、結婚後数年でその時期を迎えてしまうということもあり、全面的に見直し(加入のし直し)となってしまう確率が高くなります。

一方、シングル時代は、死亡保障はあまり必要ないので、もともとの死亡保障が少なかった、という場合には、その保険を生かして、必要な時期が来たら保障の上乗せをしていくことで対処しやすくなります。葬儀代程度(300〜500万円程度が目安)の死亡保障は、老後にも役立ちますので終身保険に加入しておくのも良いでしょう。

入院保障は、シングル時代のみならず、結婚後もそして老後も必要な保障と考えられます。そのため、若いうちに終身医療保険に加入しておけば、保険料も安く、途中で見直しせずにすみます。

このように、シングル時代はその後の保障のベースとなるようなものに入っておくと、ムダにならず、将来の見直しがしやすくなります。

マネーカウンセリングネットWealth
ファイナンシャルプランナー(CFP(R))
高田晶子
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