個人型 確定拠出年金(DC)のiDeCo(イデコ)が話題ですが・・・ ~ライフプランの発想が今求められている~


ライフプランの発想が今求められている

老後の生活に公的年金の果たす役割は大きく、老後の収入の7割弱は公的年金であり、公的年金のみの収入の人は約6割を占めています。その公的年金の給付水準の確保が財政難から危ういのは誰もが知っています。そこで、公的年金を補完する私的年金として確定拠出年金(DC)が平成13年から導入されています。但し、加入者に制限等があり今まで十分浸透しているとはいえませんでした。そこで、新たに専業主婦や公務員、企業年金のある会社員なども加入できる個人型確定拠出年金、愛称iDeCo(イデコ)が平成29年1月から施行されます。

国は、メディアを利用して普及促進のため「貯蓄から投資」の浸透を目指し、金融機関も口座開設に力を入れ始めています。しかし、DCはあくまで自分で金融機関と運用商品を選び、自己責任で運用する仕組みです。節税効果を目玉に投資教育も大事ですが、個人的にはDC以外のお金の貯め方、生き方で変わる使い方などのライフプラン(マネープラン)の発想を身につけることが必要だと感じています。今回は、公的年金の不安が大きい若い世代に関心を持って欲しいため、iDeCo(イデコ)についてお話しします。

iDeCo(イデコ)とは

iDeCoは、基本的に60歳未満のすべての人が加入できます。加入の最大メリットは、以下の①拠出時、②運用中、③受け取り時の3つの税制優遇です。但し、あくまで受け取り額は自分の運用次第であることは肝に命じておきましょう。

iDeCoの加入範囲と拠出限度額 ~ 任意加入なので拠出限度額あり

(拠出限度額は月額・平成30年1月より年単位)
厚生労働省パンフレット

※1 企業年金等とは企業型確定拠出年金、確定給付企業年金等。企業型確定拠出年金を実施している企業は、規約でiDeCoへの加入を認めている場合のみ加入可能。
※2 企業年金等(※1)に加入している方のうち、「企業型確定拠出年金にのみ加入している方」の額。」
※3 企業年金等(※1)に加入している方のうち、「企業型確定拠出年金にのみ加入している方(※2)以外の方」の額(公務員・私学共済加入者もこちらに含まれます)。

基本的に60歳未満の人すべて加入ですが ~国民年金保険料免除者は原則加入不可~

原則60歳未満はiDeCoに加入できますが、国民年金の保険料免除者は原則加入できません。
そこで気になるのが国民年金保険料の納付率と保険料免除者数です。平成28年9月末現在における、平成28年4月~8月分の国民年金の納付率58.1%平成26年度分(過年度2年目)納付率70.6%※1
※1平成26年4月~27年3月分の保険料のうち、平成28年9月末までに納付された月数の割合

地域で全額免除割合が異なります。免除割合が高い地域は公的年金額も低めになりiDeCoの恩恵を受けられる人が少なく(上記は全額納付していない人なので、一部免除者を考慮するとかなりの人が加入できない)、老後の暮らしの格差もでそうです。但し、現在の個人型の加入者の多少と必ずしも一致しておらず金融機関などの広報の影響力や地域性もありそうです。

第3号被保険者のメリット

今回の一番の目玉は、専業主婦と公務員の加入拡大でしょう。しかし、収入がない又は103万円以下に抑えている専業主婦の場合、税制3つの優遇のうち、拠出時の掛金の所得控除3ができません。しかし、主婦でも103万円を少し超えた分を、掛金の所得控除で利用すればDC加入効果大。かつ受け取り時、税優遇を利用すれば公的年金にプラスして妻自身の年金や資産(一時金)を確保でき老後の強い味方になります。

つまり、所得控除は収入(所得)が多ければ多いほど効果があると言う訳です。なお、所得控除は夫婦といえども個人単位、社会保険料控除と異るので要注意。今回の個人型DCは誰にも投資の機会を与えているようで、全額免除者の割合からも、国民年金の第1号被保険者でも本来の生活にゆとりがなければ新しく始められないのも現実。現在の広報は節税効果を売りにしており、元々お金にゆとりがある人の説得には効果があります。逆にゆとりのない人はそもそも掛金拠出もできずDCに加入できません。一番老後が心配な人がDCに加入できず、一部の人しか利用できないなら、加入対象者が拡大されるとは言え将来の高齢者の資産格差は今以上に広がりそうです。だからこそ加入者の底上げにはライフプラン的発想を身につけるような広報が一番でしょう。

<参考※3>
所得控除は誰もが使えるわけではない。収入が多くても住宅ローン減税や故郷納税などしている人は所得を圧縮しているので使えない場合もあり。

ライフプラン的発想の広報を!

DCの良さを本当に知ってもらうために、今こそ投資教育と併せてライフプランの必要性に気づかせる広報が大事です。公的年金の将来への不安をあおるだけでなく年金額の将来像を示しながら、公的年金の存在の大きさを伝えること。併せて若い世代にわかりやすく、いつまでにどれくらいお金を増やしたいのか、具体的なゴールの設定とプランニングの必要性に気づいてもらい、その1つの手段であるDCの良さを知ってもらえたら嬉しいです。
目的ができれば日々の生活内でお金を貯める面白さがわかります。また資産が増えてゆとりがでてくれば、少額でもDCで毎月積み立てる楽しみと節税効果に自ずと気づくでしょう。

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