男性の認知症患者が増えているらしい! ~高齢期の過ごし方も影響・格差大


先日、受講したセミナーは衝撃的でした。講師の老年内科医師曰く「最近、男性の認知症患者」が増えているとのこと。長寿化で男女とも平均寿命は伸びており、認知症の主な原因は「加齢」であることを考えると当然の結果と言えそうです。また、男性と女性の高齢化の内容は異なるとのことです。
最近は夫婦2人世帯や独居暮らしも増えており、リタイア後の20~30年、社会生活の繋がりを上手く作れない男性と、社会交流が得意な傾向の女性の差(寄り合うことが苦手な人、井戸端会議が好きな人等)が関係しているようです。

私もどちらかと言えば1人が好きでしたが、複数の趣味の会に参加して素晴らしい人たちと出会い、高齢期の楽しみ方と幸せ感を学びました。毎回の参加がとても楽しみです。長生きだからこそ人との交流が暮らしの味付けになると実感しています。

人口減の中、長寿化・少子化で税金や社会保険の財政の厳しさが予想されるなか、国が色々と対策中なことは皆さんご存じの通りです。但し、判断能力が不十分になった人を支える医療・介護・福祉分野の人材不足、支える親族の高齢化・減少等マンパワー不足がこれまでに経験のないほど深刻です。

今回は、伸び続ける平均寿命を前向きに捉え、最期まで生き生き楽しく暮らすために必要な取り組みや準備に気が付いて欲しい気持ちを込めてお話します。

高齢者の実態はさまざま。90代でもお元気で他人に気配りしつつ会話を交わせる人、70代でも自分のことしか話さず学びがない人。高齢期は人生を創る発想が求められているのかも・・・

日本の高齢者人口の割合は世界最高~29.1%

我が国の総人口(2022年9月15日現在推計)は、前年に比べ82万人減少していますが、高齢者(65歳以上)は3627万人(前年比6万人増)・総人口に占める割合は29.1% (前年28.8%)と過去最高でした。男女別でみると、男性1574万人(男性人口の26.0%)、女性は2053万人(女性人口の32.0%)と女性が479万人多くなっています。団塊ジュニア世代が65歳以上になる2040年には、人口に対する高齢者の割合は35.3%が見込まれています。繋がることが苦手な男性の長寿化はより深刻な訳です。
既に主要国において日本は高齢人口の割合は先進国(?)の位置づけ。世界に見本はなく、高齢者=支えられる人でない、協力しあって老後社会を創る時代と気づくことからスタートです。

【高齢者人口及び割合の推移(1950年~2040年)】

高齢者人口及び割合の推移(1950年~2040年) 2022年65~74歳・13.6% 75歳以上・15.5% 2040年の高齢者の割合は35.3%

【主要国における高齢者人口の割合の比較(2022年)】

主要国における高齢者人口の割合の比較(2022年)のグラフ

※参照(2023年5月12日時点):総務省統計局 1.高齢者の人口 一部著者追加

高齢期の生き方はさまざま・・・さりげなく今を楽しんでいる人も

< 事例 1 >全盲のAさん(男性)の場合 ~付き添い付で昼カラオケを楽しむ

先日、友人と訪れた昼カラオケ店で、男性が歌っている間に隣席の女性に「素敵なご夫婦ですね」と思わず声をかけてしまいました。自然体でとても仲が良く見えたからです。すると女性からは「夫婦ではなく、全盲のAさんの付き添いとして地域包括支援センターの仕事として同行している」との答えが。「Aさんは、自宅で何度も音楽を聴き、歌を暗記してお店に来られる」とのことでした。
段差がある舞台への登り降りの動作や会話、歌も自然で、目が不自由と分かりませんでした。
歌う趣味があった、支援してくれる制度を知っていた、前向きな気持ちと行動力があったからこそ「居場所」を見つけられたのでしょう。羨ましい生き方ですね。

< 事例 2 >Bさん(男性)の場合 ~入院先から届いた手紙

先日、夫に届いた親友からの手紙に胸が熱くなりました。体調が相当悪い状態なのに素敵な色使いの挿絵を入れ、心配しないよう気遣いの内容でした。同窓会の企画のお知らせや近況報告等小まめに連絡をくれる夫自慢の友人です。「素晴らしい友がいて、幸せ者だね」と夫につぶやくのが精一杯の私でした。

< 事例 3 >地域の課題 ~会の役員のなり手がいない

高齢期は地域で活動が一般的ですが、①会員の多くが70・80代と高齢 ②サービスは受けるが会の運営に積極的な人が少ない等、課題は山積みです。特に、会員(男女)が多く多面的な活動している会は役員の負担が重く、ボランティア活動の限界を超えがち。高齢者の活動の場を失う前に役員も少し手抜きぐらいの緩い運営の提案も継続のコツかも知れません。

【年齢階層別認知症有病率】~今後男性の認知症が増えれば老後の地図も変わりそう!

年齢階級別の認知症有病率のグラフ

※参照(2023年5月12日時点):首相官邸 認知症年齢別有病率の推移等について

まとめ

長生きになるからこそ、高齢者の生活の場である「地域の活性化」の維持が必須です。コミュニケーション能力を養って、人のために少しお手伝いをする気持ちが、人と人の交流を活性化し、自身の心と体の「しなやかさ」を増やすことに繋がるのですね。
とは言っても、高齢期になって急に「しなやかさ」は身に付きません。自身と親の老後を意識する50代くらいから、現実に発生している課題を見落とさずに準備するしかありません。「今だけ、お金だけ、自分だけ」では解決できそうもない未来がすぐそこに来ています。

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