ひとり暮らしの高齢者増が止まらない ~生涯未婚・死別・離別と事情は様々だが・・・~

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年金の相談では、厚生年金に加入して働く女性や単身者から、国民年金の第3号被保険者のお得感をうらやむ声をよく聞きます。主な理由は以下のとおり。

  1. サラリーマンや公務員などに扶養されている妻(第3号被保険者)は、国民年金の保険料を自身で納付しないが第3号期間が年金額に反映されること
    (ちなみに、第3号被保険者の保険料は、厚生年金制度に加入している人で按分して拠出している)。
  2. 今後は、夫を亡くした妻が65歳以降受給できる遺族厚生年金と自分の老齢厚生年金や国民年金の総額に、妻の働いていた期間の長さ等による差があまり生じないこと。
  3. ひとり暮らしの人からは、③他人の妻(第3号被保険者)の保険料を拠出した自分が亡くなっても、遺族年金もないケースがほとんどであることに対しての不満も耳にします。

厚生年金は世帯単位の年金です。夫婦の加入年金や年金額、生年月日などによりプラス加算もあることを説明すると、①②のケースから女性は働かない方がお得?とか③のケースの単身者の不満も個人的には共感できます。以上が年金のお話。

とは言いつつ、世の中の傾向なのか、ひとり暮らし世帯がジワジワと増えています。時間も働いて得たお金も全て自分のためだけに使える単身者の気楽さは、認知症や病気になる確率が高くなる老後や終活を意識し始めたときから不安に変わって行くのが一般的です。今回は、対策ができるときに何もせず(気づかず)、イザそのときになったら何もできないという事態を避けるための小さなコツについてお話します。

ひとり暮らし(単独世帯)の増加

未婚率の増加や、核家族化の影響を受けて、ひとり暮らし(単独世帯)が増加しています。2040年には単独世帯の割合は約40%と予測されており、65歳以上の増加が目立ちます。
同居家族がいないひとり暮らしの増加は、老後施設入所(入居)になる率も高くなりますが、人材不足の介護現場での対応1つみても不安が募ります。

単独世帯率の推移と65歳以上の単独世帯数の推移(2020年以降は予測)

(出典)2015年まで総務省統計局「国勢調査」2020年以降は国立社会保障・人口問題研究所「日本の世帯数の将来推計(全国推計)2018(平成30)年推計」(2018)

50歳時未婚率 ~男女ともに年々上昇~

生涯未婚率は、結婚観の変化や女性の高学歴、非正規労働者の増加など雇用の不安定化などで、2015年に男性は約4人に1人(23.37%)、女性は7人に1人(14.06%)に増えています。
特に男性の未婚率が増えており、周りをみても高齢期を迎えるまで危機感が希薄な人が多いのが気がかり。まずは、仕事能力と、高齢期を柔軟に生き抜く対応力は別物と知っておきましょう。過去のやり方・スキルにこだわり過ぎ、かつコミュニケーション能力が欠けていると、地域などで浮いてしまったり、家に引きこもってしまう傾向があります。

50歳時の未婚割合等 1920~2015年 人口統計資料集 2019年 総務省統計局・国勢調査報告
男性
項目 未婚 有配偶者 死別 離別
1920年 2.17% 88.30% 7.22% 2.31%
1990年 5.57% 89.91% 1.14% 3.38%
2000年 12.57% 81.78% 0.96% 4.69%
2010年 20.14% 73.17% 0.67% 6.03%
2015年 23.37% 69.80% 0.57% 6.26%

女性
項目 未婚 有配偶者 死別 離別
1920年 1.80% 74.75% 20.57% 2.88%
1990年 4.33% 85.65% 4.93% 5.09%
2000年 5.82% 83.67% 3.29% 7.21%
2010年 10.61% 77.70% 2.37% 9.32%
2015年 14.06% 73.88% 1.88% 10.18%

生涯未婚率とは、50歳までに一度も結婚をしたことがない人の割合。5年に一度の国勢調査のデータを基に、45~49歳 50~54歳における率の平均値から計算。なお、政府は生涯未婚率の表現を「50歳時未婚率」に統一する方針とのこと。但し、しばらくは併記もある。

無料で(黙って)話しを聞いてくれる人が居ますか?

働いているときに気がつかないこと。自分は職場等で部下(同僚)などと話せているからリタイア後も話す人は沢山いると思っていませんか。しかし、仕事を離れると、黙って自分の話を聞いてくれるのは家族(親族)か真の友人くらいしかいないと思っておく方が無難。友人も同じように年を重ねるので話し相手も限られてきます。そのとき悲哀を感じないで済むような生き方が求められます。例えば、肩書き(前歴)がなくても会話が弾む話題を身につける、無口だけど心のこもった会話ができ存在感があるなど、どこか愛せる魅力がある人には人が寄ってきます。


ひとり暮らしの人は自分だけが頼り。現役時代や健康状態がいいときは外出して仲間と交流できますが、高齢期や健康状態が悪化したとき訪ねてくれる人や電話してくれそうな人はいますか?女性に比べ、気楽な会話の習慣がない男性の多くは、高齢期単調な暮らし・孤独になりがち。些細なことを話題にでき、笑い、楽しめる感性が試されます。
ちょっとした話題探しも、日頃から小さな感性を積み重ねてこそ可能です。単身世帯は家族や友人との会話が2~3日に1回という人がほぼ4人に1人(下表)なんて寂しすぎませんか?

家族や友人との会話(択一回答)世帯別 平成30年版 高齢社会白書
ほとんど毎日 2~3日に1回 週に1回 月に1~2回 年に数回 ほとんどなし
単身世帯 54.3% 26.1% 8.0% 5.8% 0.4% 5.4%
(男性単身世帯) 45.7% 22.3% 12.8% 6.4% 1.1% 11.7%
(女性単身世帯) 58.8 % 28.0% 5.5% 5.5% 2.2%
夫婦のみ世帯 91.1% 4.8% 1.6% 1.3% 0.3% 0.9%
親と同居世帯 92.6% 3.2% 3.2% 1.1%
子と同居世帯 91.9% 5.1% 0.9% 1.1% 1.1%
3世代世帯(子孫同居) 91.5% 7.1% 1.7% 1.1% 0.6% 0.6%

高齢社会白書(平成30年版)健康と日常生活
(注)調査対象は、全国の55歳以上の男女 (施設入所は除く)。

私の場合 ~誘われるうちが花と女子会を楽しんでます~

中年から仕事を開始した私は、いろんな人と関わり、お世話になりながら現在も仕事を続けています。初めのころはどちらかと言うとシャイで、気さくに人と話すことも苦手でした。連れ合いにも「もう少し愛想よく?するといいよ」と言われたことで年齢は重ねていてもどこか成長していない自分がいたことに気がつきました。それからは、出会いを大切に思う気持ちを前に出すことで、会話もごく自然に楽しめるようになり信頼できる友人も増えました。

今では、ボランティアや趣味の会で普段会えない人と交流して雑用も積極的に引き受け、仕事関係の仲間と隔月ごとの「女子会」をし、離別と死別で単身となった仲間2人との情報交換や屈託のない会話、そして美味しいランチを楽しんでいます。私の生きがいの判断の物差しは、「些細なことを楽しめるかどうか」。仕事と楽しみのONとOFFの切替えをしつつ、小さなソントクは切り捨て、最期まで心のままに過ごせたら最高!という心意気。一般的に単身者の老後は厳しいと言われますが、それも「人次第・生き方次第」だと仲間をみていて感じます。10年後、20年後、30年後・・・・あなたは、どんな暮らしがしたいのでしようか?