第30回:医療保険とガン保険、両方入るべきなの?


医療保険とガン保険の違いは?

入院した場合の保険を検討している時、「ガンで入院した場合の保障を確保するためには、ガン保険に入らないとならない」と思っていらっしゃる方がいますが、これは勘違い。医療保険(または入院特約)は病気やケガによる入院をカバーしているので、もちろんガンによる入院も保障の対象になります。

それでは、医療保険とガン保険は何が違うのでしょうか?医療保険とガン保険の両方に入る意味はあるのでしょうか?

ガン保険の給付対象となる入院は「ガン」のみですが、特徴として入院給付金の上限日数がないことが挙げられます。つまり無制限ということ。通常の医療保険は保険種類によって30日、60日、120日など一入院の給付限度日数が定められています。この点では、ガン保険であればガンで入院が長引いた場合でも安心です。また、診断給付金といって、ガンと診断された場合に100万円などまとまった金額が給付される保障が付いている保険が多くなっていることも特徴です。


<医療保険とガン保険の主な違い>

医療保険 チェック ガン保険
病気・ケガ 給付対象となる入院 ガン
申し込み・告知(診査)・第一回保険料の支払いが済んだ日(責任開始日) 保障開始日 責任開始日から90日間または3ヶ月など所定の期間を経過した日
30日、60日、120日等
上限日数の規定あり
一入院の
給付上限日数
上限なし
特になし 診断給付金 ガンと診断された場合に支払わ
れるもので、ガン保険には付随
している場合が多い


ガンの場合の治療費は高くなることも

ところで、ガン保険のこのような保障は必要なのでしょうか?ガンにかかった場合の平均入院日数を見てみると、胃の悪性新生物の場合39.3日、大腸の悪性新生物の場合34.1日となっており、傷病の全体の平均37.9日とさほど変わりません(平成14年 厚生労働省「患者調査」より)。

日数から見れば、医療保険でもカバーできるのかもしれません。しかしながら、一日あたりの診療費は、全体の平均は2万円強、一方で悪性新生物の場合は3万円強となっており、ガンの治療費は一般的な入院より高くなっていることがわかります(平成14年国民健康保険「医療給付実態調査」より。個人の自己負担は健康保険適用の場合はこの3割)。

また、「高度先進医療」など公的医療保険の適用外の治療を受けた場合には、該当する治療については全額自己負担となり、負担は大幅に増えてしまいます。このような状況を考えると、ガンの場合は治療費負担がかなり多くなるという可能性もあり、ガン保険を備えておくことにより、診断給付金や入院給付金である程度カバーすることが期待できます。

医療保険とガン保険はどう使い分ける?

医療保険だけでいいのか、両方入った方がいいのか、もしくはガン保険だけで良いのか、これは治療費に対する考え方や貯蓄や収入の状況によっても異なります。

  1. 入院した場合に備えている貯蓄が十分ではなく、毎月支払う保険料も抑えたい
    このような場合には、まずは医療保険を優先すべきでしょう。ガン保険はあくまでもガンに対する経済的備えしかできません。それよりも、広く病気・ケガによる入院に対する備えをすることがまず必要と考えられます。
  2. 毎月支払う保険料には余裕あり。医療保険とガン保険の両方を備えたい
    医療保険とガン保険の両方を備えるには、それぞれの保険に入る方法と、医療保険とガン保険がセットされたタイプのものに入る方法が考えられます。予めセットされたものは、保険料が割安であることが大きなメリットですので、医療保険・ガン保険とも未加入という方は検討の価値があるでしょう。
  3. 入院についての備えはある程度できているが、高額な治療費がかかった場合の保障が欲しい
    入院した場合に対応できる程度の貯蓄はすでにある、または共働きで家族が入院しても治療費などは通常の収入でカバーできるというような場合には、敢えて医療保険に加入しなくとも良いと考えることもできます。それでもガンになった場合の高額な治療費まではカバーできないかも、という場合にはガン保険を優先して加入するのが良いでしょう。

医療保険もガン保険も保障が厚いほど安心感は高まります。しかしながら、保障が厚くなれば当然ながら保険料負担も重くなります。医療保険もガン保険も最近は終身保障のものが一般的になってきており、老後まで保険料が続くケースが多くなっていますので、必要性を十分に検討することが求められます。

マネーカウンセリングネットWealth
ファイナンシャルプランナー(CFP(R))
高田晶子