第25回:自賠責保険の保険料改定


クルマを保有している人にとって、5月末にかけて自動車税の納付期限もあり、出費のかさむ時期。他にも維持費として無視できないのが保険料で、平成17年4月から自賠責保険の保険料が改定されています。今回は、なぜどのように改定されたのかチェックしてみましょう。

自賠責保険の保険料ってどう決まるの?

自賠責保険(共済)は、ご存知のとおり、すべての自動車(原付含む)を保有する人が1台ごとに加入を強制されている保険です。加入していなければ、車検を受けることもできません。自賠責保険は、人身事故による被害者を救済することを目的に、ケガや後遺障害や死亡による損害・治療関係実費・休業損害や逸失利益・そして慰謝料について、一定限度額の範囲でカバーしています。

その補償限度額は、1人あたり

  • ケガでは120万円まで
  • 死亡では3,000万円まで
  • 後遺障害の程度によって、著しい障害で常時介護が必要な場合では4,000万円まで

となっています。

そして、この自賠責保険の保険料は、以下のように決まります。

基準保険料 国からの保険料等充当交付金 私たちの支払う保険料


  1. 「基準保険料」は、自賠責保険の支払保険金について、過去の事故のデータ等から予想して算出されます。
  2. 「基準保険料」から、国による補助金である「保険料等充当交付金」を差し引いたものが、実際に私たち契約者が負担する保険料となります。

今回の保険料改定はどの部分の影響が大きい?

国からの「保険料等充当交付金」とは、平成14年度の制度改正(政府再保険制度の廃止など)により、過去の累積運用益をもとに平成14年度から6年間にわたり補助金として還元されるものです。

特に平成14年度からの3年間は厚めに配分されていたので、平成17年度からは、前年度よりも「保険料等充当交付金」が減り、それによる契約者の負担は平均11.7%増といわれています。なお、この負担増の割合は、平成19年度まで「保険料等充当交付金」の残額に応じて毎年変わります。

一方で、「基準保険料」は、収支状況や運用益等から、従来より平均6.3%引き下げになりました。しかし、「保険料等充当交付金」の減額の影響が大きいため、最終的に私たち契約者の保険料は平均5.4%の負担増となっています。なお、この平均の増加率は、保険期間1年、全車種用途の平均の例なので、実際の保険料の増加幅は、保険期間や用途車種により異なっています。

どのくらいの保険料アップになる?

では、一般に私たちが利用する自家用乗用車の保険料は、どのくらい保険料がアップしたのでしょうか? 代表的なものを下記の表にまとめてみました。


<自家用乗用車の自賠責保険の契約者が負担する保険料>
本土用 〔離島以外の地域(但し沖縄県を除く)〕

単位:円
車 種 区分 37カ月
契約
36カ月
契約
25カ月
契約
24カ月
契約
13カ月
契約
12カ月
契約
乗用自動車
(自家用)
自家用/乗用 42,800 41,820 30,780 29,780 18,510 17,480
前年度保険料との差
( )内は増減率%
+3,540
(+9.0%)
+3,430
(+8.9%)
+2,250
(+7.9%)
+2,150
(+7.8%)
+1,030
(+5.9%)
+920
(+5.6%)


今後、自賠責保険料はどうなる?

今後は、自賠責保険料の段階的なアップが予想されています。なぜなら、先に触れた「保険料等充当交付金」の将来の額が減っていく可能性が大きいからです。H14年度からH16年度までの3年間で還元されたのは6900億円。それに対し、H17年度から3年間の還元額合計が1200億円という予算で、今後は更に減る可能性があります。そして今から3年経過後のH20年度には、国からの「保険料等充当交付金」は完全になくなり、段階的な保険料引き上げが再度行われる予定なのです。
なお、250cc以下のバイクは車検が不要で保険期間を選べるので、予算に合わせて長期間の契約を選択する方法がベターだと思います。インターネットによる自賠責保険加入も浸透しつつあるので、近い将来の保険料アップも見据えて選んだほうがいいでしょう。

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ファイナンシャルプランナー(CFP(R))
吹田朝子