第12回:家計簿を活かしていますか?


私達FPは、よく「家計簿はつけましょうね」とお話します。でも、実は「家計簿を付ける」という作業自体をお勧めしているのではありません。何を隠そう、この私自身が、毎日コツコツ記録するのはとても苦手です。

では、どうして家計簿が必要なのでしょうか?それは、「今使って良いお金」と「将来のためにとっておかなくてはならないお金」の区別をする家計管理のためです(第7回「こんな時代は家計管理をするとしないのとでは大違い」もお読みくださいね)。

「いくら使っているのか」を把握するのも、もちろん大切ですが、その上で「将来のためにとっておかなくてはならないお金」をいかにして確保するかを見つけ出す、それが家計簿の重要な役割ではないかな、と思います。

固定支出と変動支出の把握

支出を「固定支出」と「変動支出」の大きく2つのグループに分けてみましょう。

  1. 「固定支出」
    毎月固定的に支出するものです。次のような支出があてはまります。公共料金は変動しますが、基本的にはあまり金額の変動はなく、出て行くことが決まっているお金のことです。
    ・ 住宅費(賃貸の方は賃料、持ち家の方は住宅ローンと管理費、固定資産税等)
    ・ 車両関係費(駐車場、保険料、車両税等)
    ・ 生命保険、損害保険料
    ・ 公共料金
    ・ 住宅ローン以外のローン返済
    ・ 授業料

  2. 「変動支出」
    固定支出以外の支出です。管理をするためには、あまり大雑把すぎても、細かすぎても大変なので、次のような費目でまとめてみましょう。
    ・ 食費(外食費含む。外食はレジャーのうち、という考えのお宅はレジャー費でも可)
    ・ 日用雑貨費
    ・ レジャー費
    ・ 美容・衣料費
    ・ 通信費
    ・ おこづかい
    ・ その他


<毎月の貯蓄が殆ど出来ないAさんの家計簿>



固定支出の割合は?

1カ月家計簿を付けてみたら、それぞれの支出が、手取り収入に対して何%だったかを計算してみましょう。まずチェックしてほしいのが、固定支出が何%を占めているかです。固定支出は、必ず出ていってしまうお金。

ですから、手取りから固定支出を差し引いた残りが、「やりくり」できるところなのです。「毎月、節約に心がけてるのに、どうしてお金が貯まらないの!?」と思っている方は多いのでは?そもそも「やりくり」できるお金が少なければ、一生懸命節約しても、節約できる額はごくわずか、ということになってしまうからです。

まずは固定支出にメスを!

「やりくり」上手の手腕を発揮するためにも、その部分の金額を多くする必要があります。そのためには、固定支出を減らす、これがコツです。目安としては、固定支出を50%以内におさめるようにしましょう。

保険の見直し、住宅ローンの見直しが効果的です。住宅ローン以外に車のローンなどがある場合は、残高を確認し、貯蓄から全額返済できないか、もっと金利の低いローンはないか、なども検討しましょう。

必要な貯蓄額を確保

次に、「やりくり」部分である変動支出の見直しです。この部分を見直すためには、まず毎月の貯蓄額を先に決めましょう。つまり、「手取り収入」-「固定支出」-「貯蓄」=「変動支出(やりくり部分)」なのです。

「やりくり」部分の全体の予算を決めて、その予算内でおさめるためには、食費やレジャー費、おこづかいなど、それぞれをどのくらい節約したらよいのか、費目ごとに減らす額を決めましょう。

家計簿は、「将来のためのお金」を確保するためのものです。ですから、毎月の貯蓄が確実にできている方は、家計簿を付ける必要もないのではないかな、と思います。ただ、もっと貯蓄できる部分はないのか?ということを確認するためには、折りに触れて家計簿を付けてみる、ということも大切でしょう。

「毎日付けるのは大変で・・・」という方も、家計の把握ができて、貯蓄ができるようになるまで辛抱して付けてみませんか?ずっと付けなくても良い、と思えば少し気が楽になりませんか?目標金額以内におさめる!という目標を持てば、家計簿を付ける張り合いも出てくるでしょう。

マネーカウンセリングネットWealth
ファイナンシャルプランナー(CFP(R))
高田晶子