年金をカバーする無理のない積み立ては?


伊藤美和先生 プロフィール
貯蓄や投資を始めてしばらくすると、誰の頭にも思い浮かぶのが1000万円という夢の数字。「1000万円お金を貯める」ということはハードル走に似ています。100万円、300万円とハードルをクリアするごとに貯まるスピードはどんどん加速していきます。この「貯める・殖やす」のコーナーでは、皆さんがハードルを楽に越え、早くゴールにたどりつけるよう、お手伝いができればと思います。何でもお気軽にご相談ください。

加藤 智広さん(仮名)のご相談

僕たちの年代は退職金や年金をアテにできない世代です。今のうちから少しずつでも老後に備えたいのですが、どんな商品がいいでしょうか。毎月1万円ずつくらいの積み立てを考えています。また普通預金に50万円ほど預けっぱなしになっているので、運用のアドバイスをお願いします。当分使う予定はありません。将来的には株式投資も考えています。

加藤 智広さん(仮名)のプロフィール

25歳 電気メーカー勤務。東京の社宅で一人暮らし。結婚の予定はいまのところなし。月収/21万円(手取り)

・家計状況

月間収入 貯蓄
手取り収入 210,000 円 普通預金 560,000 円
月間支出
寮費(食費込み) 26,000 円
外食費 18,000 円
電話代(携帯含む) 15,000 円
こづかい 20,000 円
生命保険料 16,000 円
社内預金 20,000 円

まず、月収の4か月分をプールして、それから「るいとう」を始めてみては

リストラや会社の倒産が日常茶飯事の今、サラリーマンなら月間収入の4カ月分ほどをイザという時の生活費として、流動性の高い金融商品でプールしておきたいもの。会社で雇用保険に加入していた場合でも、失業給付を受け取れるのは1~4カ月後になるからです(注)。金融商品を選ぶポイントとしては、万が一の時にすぐ使えるよう、安全ですぐ引き出せる点を重視しましょう。郵便局の「貯蓄貯金」、銀行の「貯蓄預金」、近くに証券会社があるなら「中期国債ファンド」などが第一候補です。貯蓄が80万円(月収の約4カ月分)になるまでは、これらの商品に預け分けましょう。

老後資金の積み立てには「るいとう(株式累積投資)」がおススめ。将来の株式投資に向けての勉強にもなります。結婚や住宅購入など他の目的の貯蓄が必要になった場合は、積み立て金額を減らしたり、一時的にストップすることもできます。

(注)会社の倒産などで「会社都合」扱いになれば約1カ月、「自己都合」扱いの場合なら約4カ月が、失業給付受け取り開始までの待ち期間の目安です。

1.貯蓄預金(銀行)・貯蓄貯金(郵便局)

いつでも出し入れはできますが、金利は普通預金より高め。10万円、50万円などの基準残高ごとに金利が決まっていますが、基準残高を下回ると普通預金なみの金利になってしまいます。スイングサービスを申し込んでおけば、普通預金の残高がたりなくなった場合に、自動的に貯蓄預金から振り替えてくれます。ただしスイングサービスは月間の規定回数を超えると手数料をとられる場合があるので、事前に利用条件を確認しておくとよいでしょう。貯蓄貯金は郵便局版の貯蓄預金ともいえる商品で、仕組みはほぼ同じです。

2.中期国債ファンド

1カ月たてばいつでも手数料なしで解約できる証券会社の人気商品。1円から利用でき、1カ月複利でお金が増えていきます。中期国債を中心とした公社債で運用されるので、安全性の高い商品ですが、元本保証の商品ではありません。ただし30日未満で解約すると元本1万円につき10円の手数料がかかるので、低金利の今だと元本割れする場合も。必ず1カ月以上おいておける資金で利用しましょう。解約の場合は原則として申し込み日の翌日払いとなりますが、一部キャッシング(即日払い)もできます。

3.るいとう(株式累積投資)

毎月決まった日に一定金額を払い込んで(自動引き落とし)、株式を購入していく商品。例えば毎月1万円ずつ購入する契約の場合、買い付け日の株価が2000円なら5株、1000円なら10株買うことになります。株価が安いときに多くの株が買えることになるので、リスクの分散にもなります。銘柄の分散、変更、積み立ての開始や終了、中断あるいは売却なども自由にでき、積み立てた株数が単位株になれば、晴れて普通の株主となります。