家族全員こづかい無しでも子どもの教育費で家計が赤字 これ以上どこを節約すればいいのでしょう?


畠中 雅子先生 (はたなか まさこ) プロフィール
 
  • 無駄遣いは感じられないが、もう少し家計費を絞って
    手取り月収の1割程度の貯蓄を目指したい
  • 奥様がパートに出たら、住宅ローンを組みなおそう
  • 保険は加入内容を見直し、浮いた分は貯蓄に回す

山田 幸子さん(仮名)のご相談

子どもが3人いまして、末っ子が今春幼稚園に入園しました。幼稚園の月謝がかかるようになったら、いきなり家計が赤字に転落。貯蓄ができず、習い事などの子どもの教育費が出せずに悩んでいます。レジャーなども近場の公園に遊びに行く程度で、とにかく家計にまったくといって良いほどゆとりがありません。子どもはおろか、家族全員こづかいはゼロの状態です。夫のボーナスは年々減っており、現在年間で40万円ほど。ほぼ全額が住宅ローンのボーナス払い分に消えてしまうので、そこからも貯蓄できません。子ども3人の教育費は今後さらにかかるだろうと思われますし、先行きがとても不安です。自分自身の工夫だけでは現状が精一杯で、これ以上、どこをどのようにやりくりすればよいのかがわかりません。なにか家計に無駄なところがあれば教えてください。また保険については、一度整理したほうがよいかもしれないと思っています。解約して貯蓄に回すべきかなど、アドバイスをよろしくお願いします。

山田さん(仮名)のプロフィール
37歳、専業主婦。来年4月よりパート勤務を検討中。ご主人(41歳・会社員)と、9歳、6歳、4歳のお子様との5人家族。お子様の進路は中学・高校までは公立、大学は私立をご希望。そのほか、4~5年後にお車の買い替え、年1回の家族旅行をご希望。
 くわしい家計内容等はこちら

住宅ローン以外のローンを整理し
ボーナス払いを減らしながら毎月黒字を目指す

無駄遣いは感じられないが、もう少し家計費を絞って
手取り月収の1割程度の貯蓄を目指したい

家計費の内容を拝見したところ、家族5人分の生活費を、一生懸命やりくりをしている様子がうかがえます。そこで、家計が厳しい理由を把握するために、家計バランス表で支出内容をチェックしてみましょう。

家計費の中でプラスが目立つのは、「食費」「その他」「保険料」です。食費については、金額的にそれほど多いわけではないですし、お弁当代が含まれているので仕方がない面もありますが、節約できる費目が他にほとんどないので、5000~7000円くらいは絞りたいところです。「その他」の中には、ガソリン代と医療・衛生費、ローンの返済が含まれています。ガソリン代と医療・衛生費は減らしにくい出費としても、住宅ローン以外のローン返済は、家計管理上ではタブーです。ローンの支払いが終わったら、その後はローンを利用するのは避けましょう。

いずれにしても上のお子さんが小学生の時点で、手取り月収の1割程度の貯蓄ができていないのは、ちょっと問題です。見かけ上、家計収支は黒字になっていますが、実際には貯蓄ができていないわけですし、おこづかいも全然使っていないわけはないでしょうから、きちんとおこづかい額を決めて管理したほうが良いと思います。おこづかい額を決めていないと、使途不明金になってしまい、家計費の全体が把握しづらくなるからです。

食費を節約して、ローン返済を終了させて、まずは赤字家計から脱出することを目指しましょう。

奥様がパートに出たら、住宅ローンを組みなおそう

ボーナスが減ってしまったために、住宅ローンのボーナス時の支払いだけで、ボーナスがほとんどなくなってしまっているわけですね。そのため、自動車税などの支払いまで手が回らなくなって、ボーナスが出ても気分が弾むこともないでしょう。かえって気が重い時期かもしれませんね。しかもこの先、ボーナスがもっと減ってしまうのではないか、という不安があるかもしれません。

このようなケースでは、ボーナス払いの分を減らして、月々の返済額を増やすパターンの「住宅ローンの返済方法の見直し」を利用したいところですが、家計が赤字になっている今は、お勧めすることができません。奥様がパートに出られて、家計に余裕ができたら、ボーナスからの返済割合を減らして、月々の返済額を増やしましょう。月々の返済額を1万5000円くらい増やせば、ボーナス返済を現在の半額くらいまで減らすことができます。ボーナスからの返済が減ると、自動車税などの税金やレジャー費などの特別出費をボーナスからまかなえるようになるのではないでしょうか。

子どもが2人以上いる会社員の家庭のバランス表
(上の子どもは小学生のケース)
家計費内訳 適性
割合
理想の
金額(A)
実際の
金額(B)
(A) – (B)
収入(手取り) 100% 33万円



食費 17% 56,100 円 65,500 円 +9,400 円
住居費 23% 75,900 円 56,000 円 -19,900 円
電気・ガス・水道代 6% 19,800 円 20,000 円 +200 円
通信費 4% 13,200 円 14,800 円 +1,600 円
日用雑貨費 3% 9,900 円 10,000 円 +100 円
趣味・娯楽費 3% 9,900 円 8,000 円 -1,900 円
被服費 3% 9,900 円 10,000 円 +100 円
交際費 2% 6,600 円 5,000 円 -1,600 円
こづかい 10% 33,000 円 0 円 -33,000 円
子ども費 9% 29,700 円 30,000 円 +300 円
その他 2% 6,600 円 50,000 円 +43,400 円
保険料 10% 33,000 円 44,600 円 +11,600 円
貯蓄 8% 26,400 円 0 円 -26,400 円
支出計 100% 330,000 円 313,900 円

※通信費にはインターネット代を含んでいる。日用雑貨費と被服費は2万円を半分に割って計上した。その他の中にはガソリン代、医療・衛生費、カードの支払いが入っている。

保険は加入内容を見直し、浮いた分は貯蓄に回す

加入されている保険の中で、平成3年に入られた終身保険は、お母様のために保険料を払われているとのこと。平成3年は、予定利率がピーク(5.5%)の年だったので、解約するのはもったいないと感じられるかもしれませんが、終身保険の保険料の1万4000円を家計費にまわせれば、貯蓄が可能になるかもしれません

終身保険は加入から14年以上が経っているので、払済保険に変更する方法を利用してはいかがでしょうか。払済保険というのは、保険料の支払いをストップして、それまでに払ってきた保険料を使って、まとめ払いしてしまう方法のこと。予定利率は加入年度のものを引き継ぎますので、保障額は小さくなるものの、有利な条件のまま、終身保険の保障を継続できます。実際に払済保険への変更を検討する場合は、変更後は保障額がどのくらいまで減るのかを、加入している保険会社に確認してみてください。

ご夫婦で入られている定期付終身保険は、ご主人が3500万円、奥様が2700万円の死亡保障が確保されています。生前給付もかなり付いているので、現状ではとてもリーズナブルな保険料だと思います。ただ、保障が手厚いだけに、更新後の保険料の値上がりが心配。このあと、年々教育費の負担が増えるために、今のうちに掛け捨て保険に加入する方法もあります。

たとえば、通販タイプの定期保険に入りなおす場合、ご主人の死亡保障が3000万円でひと月1万4000円くらい、奥様の死亡保障は500万円でひと月1300円くらい。お二人の死亡保障は、合わせてひと月1万5000円ちょっとになります。保険期間は20年なので、下のお子さんが社会人になるまでの保障を、保険料の値上がりを心配することなく、確保できます。
ただ、定期付終身保険を解約すると、医療保障もなくなりますので、終身タイプの医療保険への加入も必要です。一生涯保険料を払うタイプになりますが、1日5000円の入院保障を確保した場合で、ご夫婦二人分の保険料がひと月4500円程度。死亡保障と医療保障を合わせても、現在よりもちょっと少ない保険料で、この先の保険料の値上がりの心配なく、保障を確保できることになります。

定期付終身保険の見直しについては、保険料の節約効果がすぐに出るわけではありませんが、更新で保険料がアップしないことを考えると、トータルでは数十万円の節約になると思います。

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