何に使ったかわからないうちにお金がなくなってしまいます。教育費もかかるようになり、どのように家計管理をしたらいいでしょうか?


何に使ったかわからないうちにお金がなくなってしまいます。
教育費もかかるようになり、どのように家計管理をしたらいいでしょうか?

臼井 悦子先生 (うすい えつこ) プロフィール
  • 支出を年単位で把握する
  • 記録する費目を絞って、無理なく家計簿を続ける
  • 1ヵ月ごとに家計を振り返る

石森明子さん(仮名 40歳 主婦)のご相談

収入はわりとある方だと思うのですが、あればあるだけ使ってしまい、あまり手元に残りません。旅行や外食が多いのが原因かとも思いますが、どこをどう減らしたらいいのかわかりません。車にかかる費用が多いのも気になっているのですが、主人の趣味なのでなかなか削れません。家計簿をつけているものの、まとめてつけることが多く、何に使ったかわからないことがあるのも困っています。
これから子どもが高校・大学と進学するにつれ、教育費も増えていくと思いますが、このままで大丈夫なのかと心配です。どのように家計管理をしていったらいいのでしょうか。
子どもはふたりとも私立高校・私立大学を考えています。

夫 42歳 会社員、長男15歳、長女12歳の4人暮らし
年収:1,000 万円
持ち家(住宅ローン完済)

家計の状況

《現在の所得と収支状況》

●毎月の収支
・手取月収(円)
夫の手取月収 500,000
・支出(円)
費目 金額
食費 100,000
住居費 22,000
水道光熱費 30,000
教育費 27,000
医療費 14,000
レジャー費 25,000
交際費 5,000
通信費 20,000
夫こづかい 100,000
子どもこづかい 12,000
自動車関連 30,000
その他 10,000
使途不明金 40,000
保険料 20,000
支出計 455,000
・貯蓄(円)
金融商品名 金額
財形貯蓄 25,000
持株会 10,000
定額貯金 10,000
貯蓄計 45,000
●ボーナス(年間)収支
・手取賞与(円)
夫の手取賞与 2,000,000
・支出(円)
費目 金額
固定資産税 120,000
教育費 240,000
レジャー費 600,000
被服費 300,000
自動車費 250,000
夫こづかい 200,000
使途不明金 120,000
支出計 1,830,000
・貯蓄(円)
金融商品名 金額
普通預金 50,000
学資保険 120,000
貯蓄計 170,000
●貯蓄・金融資産 残高(円)
金融商品名 金額
投資信託 5,000,000
財形貯蓄 2,000,000
定額貯金 1,400,000
学資保険(3年後満期) 1,640,000
持株会 1,800,000
普通預金 1,000,000
資産残高計 12,840,000

ムダな支出を思い切って削減し、膨張している家計を引き締めれば、
教育費は十分に捻出できます。

1.年単位で支出を把握し、割合の多い費目の出費を減らす

石森さんの年収は1,000万円と比較的余裕がありますが、その分支出も多くなっており、思ったほどに貯蓄できていないのでしょう。これまで赤字になることはなかったようですが、ふたりのお子様がそれぞれ公立中学・私立高校に進学されると、教育費が毎月約5~6万円今より多くかかる見込みです。ここで、思い切って家計を引き締めて、教育費を捻出しましょう。
家計を客観的に把握するために、年間でどの費目にいくらかかったのかをみてみます(下表)。

●石森家の年間支出
費目 支出額 割合
食費 120万円 15%
住居費 38万円 5%
水道光熱費 36万円 5%
教育費 56万円 7%
医療費 17万円 2%
レジャー費 90万円 11%
交際費 6万円 1%
通信費・交通費 24万円 3%
子どもこづかい 14万円 2%
夫こづかい 140万円 15%
自動車関連費 61万円 8%
衣服費 30万円 4%
その他 12万円 2%
使途不明金 60万円 10%
保険料 24万円 3%
貯蓄 71万円 9%
年間支出計 800万円 100%

石森家の支出で目立つのは、レジャー費、ご主人のおこづかい、自動車関連費、使途不明金ですね。この出費を削減できれば家計はずいぶんとラクになるはずです。では、減らすためのポイントをひとつずつ見ていきましょう。

まず、レジャー費。旅行代、外食費などを含んでいるそうですね。家計に余裕があると、こういった支出は膨らみがちになります。お子様の教育を優先するなら、旅行の回数を少なくする、費用があまりかからない行き先を選ぶ、外食は1ヵ月いくらまでと決めるなどして、支出を抑える工夫をしましょう。レジャー費を年間30万~40万円程度にできれば、月4~5万円の余裕が出ます。
次に自動車関連費。ご主人の趣味が車とのこと。自動車関連費もご主人のおこづかいに含めて、まとめて管理してもらってはいかがでしょう。たとえば、車にかかる費用も含めて、ご主人のおこづかいを毎月12万円、ボーナス時36万円(18万円×2回)にすると、1ヵ月平均で約1.8万円支出が減らせます。レジャー費の分とあわせると月6~7万円分が削減でき、お子様の私立高校進学費用が捻出できます。

使途不明金は、家計簿のつけ方次第で減らせます。次の項目2.を参考にしてくださいね。
ちょっと気になるのが、奥様のおこづかいがみあたらないこと。奥様がご自身のために使うお金は、どこかの費目に紛れ込んでいるはずです。奥様がつかう分を毎月いくらと決めてやりくりした方が、家計管理はしやすくなるものです。
3年後には、お子様が私立大学、私立高校に進学されます。そのときは、さらに家計のシェイプアップが必要になるかもしれません。支出を減らせる費目がないか、引き続き検討してみましょう。

2.自分に合った家計簿のつけ方を探す

家計簿をまとめてつけると、記録漏れが多くなるものです。すると、お財布の現金と家計簿がなかなかあわず家計簿をつけるのがイヤになったり、使途不明金が多くなるものです。これを防ぐには、レシートをもらうこと、そしてすぐに記録することがポイントです。レシートさえあれば、記録モレはなくなります。レシートをもらえないときは、携帯電話のメモ機能などを利用して、「日にち」「費目」「金額」を記録しておくと便利です。そして、その日のうちに家計簿をつけてしまいましょう。時間が経つほど、家計簿を開くのは面倒になるものです。

家計簿専用ソフトや表計算ソフトなどを使うと、自動的に集計してくれるので便利です。パソコンを開くのが面倒なら、携帯電話に家計簿ソフトをインストールして利用するのもいいでしょう。自分がラクにできるものを選ぶのが続けるコツです。
もうひとつお勧めなのは、記録する費目を絞ること。石森さんの家計簿を拝見すると、費目が細かく分かれているようです。費目が多いと、どの費目につけたらいいのか迷ってしまいますし、管理しにくいものです。似たような費目をまとめてスッキリさせましょう。たとえば、住居費と水道光熱費、レジャー費と交際費などです。
分けたほうがいい費目もあります。お子様の教育費は、中学・高校・大学など進学するたびにかかる金額が変わるので、おふたり別々に管理することをお勧めします。これからの費用の変動をつかみやすくなりますよ。下の表を参考にして石森さんが管理しやすい費目を考えてみてください。

●費目を絞って家計簿をラクに続ける
費目
食費  
住居費 (水道光熱費含む)
教育費 長男
長女
医療費  
レジャー費 (交際費含む)
通信費・交通費  
こづかい 子ども
夫(自動車費含む)
衣服費  
その他 (使途不明金含む)
保険料  
貯蓄  

3.家計収支を定期的に振り返り、次につなげる

家計簿は、記録して終わりではなく、これからの支出の見込みを立てたり、家計を管理できるようになってこそ、効果があります。1ヶ月が終わったら、その月の分を集計して、支出が多かった費目はその原因を確認しておくと、翌月以降に活かせます。1ヶ月、1年など、ある程度まとまった期間の支出を把握することで、問題点が見えてくるものです。そのときは第三者の目で分析すると、客観的に見ることができ、対策がたてやすくなりますよ。
ご主人、場合によってはお子様にも家計簿を公開して支出入を理解してもらうと、協力がえられやすいかもしれませんね。ぜひご家族を巻き込んで、家計簿を続けてみてください。