共働きですが、そろそろ仕事を辞めたいと思います。子どもの教育費、家の購入など、経済的な問題はないでしょうか?


内田 ふみ子先生 プロフィール
家計簿は、5年10年あるいはそれ以上先にある目的を達成するために有効なツールです。
ゴールを確認したらまず資金計画。今の貯蓄ペースで実現できるか、難しければやりくりできるかをチェックします。ゴールは一つとは限りません。今しなければならないことや、先のことでも大事なことなど、優先順位を考えながらアドバイスさせていただきます。

須加 樹里さん(仮名)のご相談

出産後職場復帰して仕事を続けてきましたが、体力的にもきつくなり退職したいと思うようになりました。ただ、近く実家を建替えて引っ越す予定があり、子どももこれから教育費がかかる時期です。経済的に問題はないでしょうか。大丈夫なら退職してしばらくは家にいたいと思います。

須加さん(仮名)のプロフィール
40歳、会社員。41歳会社員のご主人と14歳(中3)、13歳(中1)のお子さんとの4人家族。

家計状況

 月収(税金・社会保険料を除いた可処分所得)
 夫 350,000 円
 妻 250,000 円
 月間支出
 家賃 140,000 円
 駐車場代 10,000 円
 水道光熱費 20,000 円
 通信費(携帯・
 インターネット含む)
22,000 円
 教育費 55,000 円
 食費 60,000 円
 外食費 10,000 円
 教養娯楽費 28,000 円
 日用雑貨・被服費 30,000 円
 夫のこづかい 55,000 円
 妻のこづかい 30,000 円
 雑費 10,000 円
 生命保険料 36,000 円
 子ども保険 30,000 円
 損害保険料 5,000 円
 積立貯蓄 60,000 円
 その他の貯蓄 19,000 円
 年単位の収入
 夫のボーナス 1,400,000 円
 ボーナス 200,000 円
 ボーナスからの支出
 帰省費 200,000 円
 レジャー費 50,000 円
 パソコン買い替え 300,000 円
 貯蓄 1,050,000 円
 貯蓄
 預貯金 2,000万円
 持ち株会 140万円

<<希望・予定>>

  • 退職し、パート勤務を希望
  • 2、3年後に実家の家を建替えて引越し、費用2500万円
  • 子どもたちは、公立高校から大学へ進学

<<住居>>

  • 賃貸

退職してしばらく家にいるなら、支出の見直しは必至。辞める前に今後のライフプランンを見つめる時間を持ちましょう

共働きで収入もゆとりのある分、支出も膨らんでいます。退職で毎月4割減収となってしまいますので、ご主人の収入だけで立ちゆくような生活に変えていく必要があります。また40歳前後は現役期のちょうど真ん中。経済的なことだけでなく、ご自身のライフプランについても考えてみましょう。

退職すると、毎月約17万円の赤字。辞めるなら再就職までの期間は短めに考えましょう。

現在の家計は、住居費、教育費、保険料など固定費の割合が高く、節約できる余地は限られています。一定の貯蓄はありますが、家の建替え費用やお子さんの進学費用がかかるため、生活費として取り崩す余裕はあまりなさそうです。

時期 現在 1年後 2年後 3年後 4年後 5年後 6年後 7年後 8年後 9年後 10年後 11年後
夫(歳) 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52
妻(歳) 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51
教育費
(万円)
中3
30
高1
50
高2
50
高3
50
大1
170
大2
85
大3
85
大4
85
       
     中3
30
高1
50
高2
50
高3
50
大1
170
大2
85
大3
85
大4
85
   
イベント      家の建替え                  

※金額は、公立中学・公立高校(通塾)・私立大学理系(自宅通学)の学校教育費と塾の費用

この間、子ども保険の満期金がそれぞれ約250万円ずつあるので、現在の貯蓄のうち500万円は教育資金と考えておきます。
また家の建て替えで頭金として最低500万円、諸経費として200~300万円はみておかなければなりません。
500万円を頭金に、2000万円を借り入れた場合は、固定金利3%で15年返済では月額13万8000円、20年返済で月額11万円の返済額となります。そのほかに固定資産税もかかってきますので、住居費は建替え後もあまり変らないでしょう。
したがって、退職してしばらく家にいるとしても、半年程度にして、あとは仕事に就いたほうが良いといえます。

セカンドステージも考えて退職するしないを決めましょう。ご主人の理解も必要です。

子育てとフルタイムの仕事を続けてきた方の中には、お子さんが手の離れる頃に、疲れが溜まってきたり、このまま仕事を続けていくことに疑問を持って、会社を辞めたいというケースがあります。ちょうど現役期の真ん中なので、後半をどう生きるか考えても不思議ではない時期です。まずは有給休暇などを利用して、身心のリフレッシュをはかり、疲れを癒し、すっきりした頭で考えてはいかがでしょう。
退職してパートといっても、正社員とは違う待遇や仕事内容に戸惑うこともあると思います。辞めるのは簡単ですが、その前に、辞めたあとの時間をどう生きるか、自分の頭の中で考えるだけでなく、誰かに相談したり情報を集めてみることも大切です。
樹里様の収入が家計のかなりの部分を支えてきた場合、ご主人が退職に難色を示す可能性もあります。家族とも相談してみましょう。