入籍・出産・マンション購入と生活が一変します これからの出費に、どのように準備すればいいのでしょう?


山根 克規先生 (やまね かつのり) プロフィール
 
  • 生命保険は、もしもの時に必要な額を知る事から逆算する
  • 掛け捨ての定期保険と医療保険の組み合わせを
  • 教育資金は、大学入学に向けて積み立てを

藤山 香さん(仮名)のご相談

来月入籍をし、来年1月には子供を出産予定です。
夫は不動産営業のため収入にむらがありますが、手取り月収約28万という状態です。
私自身は今年中に退職の予定で、退職金はありませんが、貯金があるので出産費用等へ充てる予定です。
現在月12万の賃貸に住んでいますが、マンションを購入し、3年後に返済開始予定です。購入予定価格は4200万、借入額は2500万までの予算です。

  • 夫婦になったら保険を見直したいのですが、どんな保険に入ったらよいのか全く分かりません。
  • 教育資金はどのように計画しておけばよいのでしょうか?
  • 配偶者が無職で、子供が一人の場合、平均的にどんな定期的な出費が考えられ、税金はどのようなものがかかってくるのでしょうか?

以上、よろしくお願いいたします。

藤山さん(仮名)のプロフィール
27歳。今年中に出産の為退職。28歳のご主人(会社員)との2人暮らし。世帯年収は歩合制のため年によって異なるが、最低600万程度とのこと。現在は賃貸住宅暮らし。
 くわしい家計内容等はこちら

これからのスタートですので
準備は人生設計に合わせて、いかようにも

ご結婚、ならびに妊娠おめでとうございます。これから幸せな家庭作りに励まれて下さい。

生命保険は、もしもの時に必要な額を知る事から逆算する

では早速、保険からお答えします。保険というのは「万が一」の際に経済的に困らないように準備するもので、生命保険の対応する「万が一」は主に死亡時と、入院時です。そこでご夫婦それぞれの「万が一」をシミュレーションします。つまり万が一の事態が起きたときに、どの位経済的に困るのかを考えるのです。

まずは今後生きていくために必要なお金を計算します。例えば、ご主人がもし死亡した場合、奥様はどこでどのように生活されますか?今の賃貸に住むか、別の物件に引っ越すか、実家に戻るか?これで必要なお金は大きく変わります。さらに生活費はどの位掛かるか、教育費は、耐久消費財、特に車に掛かる金額は、葬儀費用は、その他今後必要になるお金を大まかに一生分計算します。
そこから預貯金等、労働などにより得られる収入、会社からの退職金、公的年金など一生で得られる、また準備できているお金を差し引きます。その中でも大きな存在なのが公的年金です。夫死亡時には原則妻や子に遺族年金が給付されます。
ご主人はサラリーマンですので国民年金から遺族基礎年金、厚生年金から遺族厚生年金が支給されます。まず遺族基礎年金ですが、お子様が高校を卒業する(18歳)まで年間約102万が支給されます。次に遺族厚生年金ですが、これは正確な金額を計算することができませんが、もしご主人がこれまで一般的な月数分のボーナスをもらっていたと仮定するならば、サラリーマンとしてもらっていた平均年収の15%程度が年金として、一生概奥様に支払われます。さらにはお子様が18歳を過ぎて、遺族基礎年金の支給が打ち切られたあと、65歳から支給される奥様の国民年金までの間、厚生年金から約60万円が年金として支給されます
具体的に申しますと、ご主人の平均年収が仮に500万円とすると、お子様が18歳までは年間177万円、その後奥様が65歳になるまでは135万円、65歳からは155万円が一生涯支給されることになります。もし奥様が今後お仕事に就かれ、そこで支払う年金の金額が多いようでしたら、65歳以降の年金額はさらに増えることも考えられます。
これらの総支出と総収入や金融資産などの過不足を計算します。そうすることで、現在のご主人に対する備えが計算できます。もしかしたら保険で備える必要がないかもしれませんね。
奥様も同様に計算しますが、ご主人の場合と違うのが、奥様に万一のことがあっても、ご主人への遺族年金は期待できないということです。なんだか不公平感も否めませんが、そのようなルールです。

掛け捨ての定期保険と医療保険の組み合わせを

このようにして必要な保障額が判明したら、次は保険種類を考えます。一般的には一生涯保障の終身保険か、一定期間保障の定期保険か、それらを組み合わせるかになりますが、基本は掛捨ての定期保険をお勧めします。積立型の終身保険や、養老保険は、金利の低い今の時代に加入する意味はあまりありません。なぜなら保険の金利は、ほとんどが加入時のものが最後まで適用されるからです。

医療保険については自己負担3割をカバーするためには1日1万円程度は必要です。医療保険は死亡保障の特約という形よりも、単品でご加入されることをお勧めします。死亡保障は年齢とともに必要性が低くなるのに対し、医療保障は逆に年齢とともに必要性が増すからです。状況により様々な対応が可能なように別々にご加入されることをお勧めします。しかし保険は万が一の際に自己負担できない方に必要なものです。もし万が一の際にも自己負担できるようであれば、保険加入は必要ありません。また会社によっては、健保組合が独自の支援をする場合もあります。ぜひご確認下さい。なお保険加入に関しては、複数のプロからアドバイスをもらい、納得した上でご加入されることをお勧めします。高い買い物になりますから、じっくり検討して下さい。

教育資金は、大学入学に向けて積み立てを

続いて教育資金についてですが、まずお子さんにどのような教育を受けさせたいのか、夫婦でしっかり話し合うことです。教育方針によって用意する資金も全く変わってきます。例えば大学資金まで考えるのか、高校までなのか。大学も私立なのか国立なのか。人によっては海外留学や医学部への進学など様々なケースが考えられます。実際に進学するのはお子様の意思ですが、親としてどこまで援助するのか、出来るのかをしっかりと考えて下さい。
一般的には大学進学に最も資金が必要となります。それまでの費用は入学時などの費用以外、毎月のお給料の中から負担できるはずです。毎月の学費が負担できないようであれば、そもそも計画に無理があります。そこで、入学時や大学時の仕送りなどの金額を予測し、それまでに残された時間で割って考えれば、おのずと積立額が想定されます。お子さんが大学に入学するまでまだ時間もありますので、社内預金や積立定期などで積み立てていけばよろしいと思います。金利が高くなれば、他に有利なものをご活用下さい。また投資の心得もおありのようですし、時間的余裕もあるので、投資信託や株式運用などを活用した準備もよろしいでしょう。しかしその際は全額投資で用意する計画は不向きです。あくまで貯蓄等との併用が良いでしょう。またお子様が生まれたら学資保険という行動をとるケースが目立ちますが、貯蓄という点だけで見ると、決して効果が高いとは言えませんので、ご注意下さい。

次にご質問の、毎月の定期的な出費ですが、これまで掛からなかった、お子様への支出が発生します。オムツやミルクなど結構な出費です。ちなみに統計によると赤ちゃんのために使っている1ヶ月の生活費用は12,400円となっています。参考にされて下さい。

最後に税金についてですが、ご結婚、さらにお子様が生まれることで、扶養家族ができることになります。よってご主人の所得税、住民税が下がります。所得税に関しては会社に届けることにより、毎月のお給料から引かれている源泉徴収税が減り、結果手取りが増えます。

生活環境が変化することで、マネープランも大きく変わりますが、しっかり計画を立て、素敵なご家庭を築かれることを願っております。