世帯収入260万円で子どもが1人、 2人目をつくるのは無理でしょうか?


山根 克規先生 (やまね かつのり) プロフィール
 
  • 家計管理能力の高さ、お子さんへの責任から破綻は考えにくいですが、今以上の努力は必要です
  • お金には誰しも限りがあります。優先順位はご夫婦で十分話し合って下さい
  • 一番大切なのは、「将来どうなりたいか」です

鈴木知加子さん(仮名)のご相談

もう1人子供が欲しいのですが、夫に経済的なことで反対され続けています。

夫は勤続14年目ですが、今後収入が上がる見込みもなく、ボーナスなし、給料カットが続いています。退職金も無いようです。マイホーム取得は諦めました。 子供が幼稚園に入ったら、私も働く予定ですが、スキルや経験も無いので、近場でのパートができる程度だと思います。 現在の貯蓄1,000万円。そのうち300万円は子供の大学の学費です。足りない分は、本人に何とかしてもらおうと考えています。現在は、無駄遣いを抑え、なんとか年50万円の貯金ができてます。 老後、子供の世話になる事だけは避けたいと思っています。世間並みの退職金の分くらいは、老後資金として残しておきたいのですが、可能でしょうか。 夫は、2人を育てるのは不可能だと言い、1人を大事に育てたいと言い、もう1人子供を作るのを猛反対しています。

2人子供がいたら、我が家の経済状態では破綻しますか。プロの方の意見をお聞きしたいです。よろしくお願いします。

鈴木さん(仮名)のプロフィール
31歳 、主婦。ご家族は、37歳・会社員のご主人、2歳のお子様の3人。

<収入>
給与 20,7000円(手取り)
児童手当(あれば) 5,000円

<支出>
家賃 12,000円 自治会費込み
駐車場代 2,300円 会社の駐車場。自宅のは自治会費に含む
食費 23,000円  
水道光熱費 24,000円 風呂釜リース、集中暖房代含む
通信費
(電話/インターネット)
11,000円 携帯2台、プロバイダー含む
子ども費(学費など) 4,000円 紙おむつ、プレ幼稚園、絵本
自動車関連費用
(ガソリン代・自動車保険料など)
40,000円 ガソリン、保険、車検、タイヤなど消耗品含む
レジャー費用 0円 お互いのお小遣いでまかなう
こづかい 夫14,000円
妻5,000円
 
生命保険料 22,000円 夫、妻、子供
衛生費・雑費 20,000円 日用品、医療費、被服費、新聞代、NHKなど
帰省費用 10万円 冬1回、今はご主人の両親が出してくれています
<特別支出>
冠婚葬祭費、交際費 年間4万円から7万円
家電、眼鏡などの買い替え、買い足し 年間3万円から10万円
5年~6年ごと新車に買い替え 車体、諸経費で180万円

インタビュー
●お二人が考える理想の人生とは?
家族3人で仲良く暮らせればそれでいい。
仕事は生きるための糧だけでしかなく生きがいではない。
精神的には、趣味や楽しみを優先した生き方をしたい。
平均程度の生活レベル、十人並みの幸せな生活。
特に何かに秀でた暮らしは望んでいません。
●1,000万円の貯蓄はどのように作られましたか?
ボーナスが支給されたら、主人に2割お小遣いとして渡し、残りは貯金。結婚後、パートで働いたお給料、臨時収入(出産の入院給付金など)も全て貯金しました。
出産後困らないように、共働き時代も主人の収入のみ(ボーナスを除く)で生活できるように、心がけていました。

過去は変えられないけれど、未来はいくらでも変えられる

今の時代を反映する家計状況、ご相談内容ですね。
少子化が叫ばれていますが、このようなご家庭が増えているのは紛れも無い事実でしょう。

さて、家計が破綻するかと言うご質問ですが、破綻することは無いと思います。確かに数字だけを見るとかなり苦しくなります。しかしこれまでかなりの節約を実行された実績がありますから、どのような状況でも対応できると思います。 前提としては奥様がお仕事を始めるとか、ご主人のお給料が下がった場合の転職も考えるなど柔軟な対応が求められますが、その覚悟があれば大丈夫だと思います。

しかしそれはあくまでも心構えの問題であって、実際の家計を考えるとそう簡単でもありません。まずご主人のお給料がボーナスカットなどでかなり減少しており、今後もどうなるか分からないことが気になります。現在のお給料も決して高くはありませんが、その中でうまくやりくりをしていることが分かります。しかし今後お子様の教育費がかかることも考えれば、これ以上下がるとかなり苦しくなるのではないでしょうか?

次に気になるのが、もう一人お子さんを作ると、またしばらく奥様がお仕事に就けなくなる点です。お子様の教育費その他を考えれば、ご主人のお給料だけに頼るのは危険ですから、もう一人お子さんを作られるのであれば、奥様が働くのは必須でしょう。ただしそこは貯蓄でカバーすることも可能です。

そしてお子様が小学校や幼稚園に入った後は、お二人で仕事をすることで教育費や将来へ向けた貯蓄に励んでください。お二人のことですから年間100万円くらいは貯められるのではないでしょうか?

あとは考え方の問題ですね。
ご主人は一人のお子様にじっくりお金もかけ、またゆとりを持って生活したいとお考えのようですし、奥様はお子様に兄弟姉妹を作ってあげたいとお考えのようです。何を優先するかは、その方の価値観によって全く違います。周りからとやかく言われるものでもありません。 お子様が優先であれば、生活のゆとりはなくなるかもしれませんし、共働きで大変になるかもしれません。しかしお子様がいることで生きがいが増えるでしょう。
また今のご家族で、より充実した生活が優先順位であれば、選択が変わるかもしれません。 これはご夫婦お互いが十分納得するまで話し合うべきことです。 いずれにせよ家計が破綻することはないと思います。

よくファイナンシャルプランナーや保険のライフプランナーがコンピューターソフトに条件を入力して、家計の将来をグラフ化したりしますが、私はあまり重要視していません。なぜなら未来はいかようにも出来るからです。

過去を変えることは出来ませんが、未来であればどうにでも変えることが可能です。
そもそもご主人の収入も、どうなるかなんて全く予想できませんよね。ですから過去と現在のデータに基づくライフプランは、ある程度の目安にしか過ぎません。要はどうしたいか、どうなりたいかです。それが決まれば、あとはそれに向かって努力あるのみです。

ですから知加子さんも「スキルがないのでパート程度しか・・・」等と言わずに、必要であればこれまでと違ったチャレンジをしてみるくらいの気持ちが必要です。もしそこまでのお考えがないようでしたら、ご主人の言われるように、今のままが良いのかもしれません。あくまでもその点はお二人で十分お話していただきたいと思います。

「人生は思ったとおりになる」
お二人の人生を設計し、作っていくのは他でもないお二人です。
ぜひ素晴らしい人生となるよう、前向きに頑張っていただきたいと思います。

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