これから金利が上がりそうだと聞きます。 固定金利の住宅ローンは何がよいですか?


これから金利が上がりそうだと聞きます。
固定金利の住宅ローンは何がよいですか?

村井 英一先生 (むらい えいいち) プロフィール
  • 民間の金融機関では、固定金利の住宅ローンは、それほど注力していません
  • 住宅金融支援機構の固定金利「フラット35」は、民間の金融機関で申し込みます
  • 今なら、「フラット35S」の金利引き下げ幅が大きくなっています

高橋 美恵子さん(仮名 32歳 主婦)のご相談

マンションを購入する予定です。これから金利が上昇するかもしれないので、固定金利の住宅ローンを利用したいと考えています。固定金利でしたら、どこのローンがよいでしょうか?

高橋 美恵子さん(仮名 32歳 主婦)のプロフィール

家族構成
本人: 美恵子さん(32歳 主婦)
夫: 徹さん(35歳 会社員)
長男: 5歳
長女: 3歳

「フラット35」を中心に検討し、マンションの省エネ性など
条件が合致すれば、更に低金利の「35S」も対象になります。

1.住宅ローンの金利タイプによる違い。

高橋様、こんにちは。いよいよご自宅の購入に踏み切られるのですね。消費税が8%になったとはいっても、2年後にはさらに引き上げられる予定です。お子様がまだ小さいうちは、ご自宅購入の良いタイミングだと思われます。
そこで心配なのが、住宅ローンをどうすればよいか、という問題ですね。すでに固定金利のローンを検討されているということですが、改めて住宅ローンの金利タイプを確認しましょう。

< 住宅ローンの金利タイプ >
固定金利 返済の最初から最後まで、金利は一定で変わりません。住宅ローンを組んだ時の金利が、最後の返済まで続きます。
変動金利 返済している間、一般の金利情勢に応じて、ローンの金利が変化します。金利は半年ごとに見直しされますが、返済額は5年間変わりません
期間選択型固定金利 3年や5年など、当初決めた期間は同じ金利が続きます。その期間が終了すると、その時の金利で再び選択をします。一定の期間ごとに金利が変わりますので、変動金利の一種と考えた方がよいでしょう。

変動金利と期間選択型固定金利は、今後金利が変わっていきますので、将来の金利がどのようになるかはわかりません。現在の金利は、固定金利よりも低いのですが、今の状況だけで、有利かどうかは判断できません。家族の状況や今後の収入の予想によって、最適な金利タイプは異なります。ただ、今の金利は歴史的に見てもまれなほどの低金利です。借入時に決めた金利がずっと続く固定金利は魅力的だと考えられます。固定金利を中心に検討されるのは賢明な選択だと思います。

では、固定金利のうち、どの金融機関のものが良いかということが問題となります。さまざまな金融機関が固定金利の住宅ローンを用意しています。しかし、一般的に民間の銀行などで注力しているのは、変動金利と期間選択型固定金利であることが多くなっています。金利が変わらない固定金利は、金融機関にとってリスクとなるからです。また、住宅金融支援機構の「フラット35」という、代表的な固定金利住宅ローンを扱っているため、そちらを紹介されることが多いでしょう。
「フラット35」は、住宅金融支援機構の住宅ローンですが、取扱い窓口は民間の金融機関となっています。実際、民間の金融機関による、独自の固定金利ローンよりも魅力的なことが多いので、こちらをお勧めします。

2.「フラット35」の融資のしくみ

先ほど述べました通り、「フラット35」は、住宅金融支援機構という政府系の金融機関が融資する住宅ローンです。ただ、融資の取り扱いを行っているのは、民間の金融機関です。利用したい人は、一般の銀行や信用金庫、「フラット35」専門の金融機関などで申し込みます。基準となる金利に、取扱金融機関ごとの上乗せ分がありますので、金利はそれぞれ異なります。よって、窓口の対応なども含め、いくつかの金融機関で比較検討するとよいでしょう。

フラット35の融資の流れ

フラット35が魅力的な理由として、その融資の仕組みがあります。まず、住宅金融支援機構は、住宅ローンとして融資するための資金を、金融市場で債券を発行して調達しています。政府系の金融機関という安心感がありますので、低い金利で資金調達ができるわけです。そして、融資の受付や手続きは、住宅金融支援機構が自ら行うのではなく、民間の金融機関に依頼するようにしています。その方が効率的だからです。民間の金融機関は、取扱いの手数料に相当する部分を金利に上乗せして、一般の利用者に提供しています。

どのくらい上乗せするかは、それぞれの金融機関が独自に決めることができます。そのため、同じ「フラット35」でも金融機関によって金利が異なることになります。すると、利用者は金利を比べますので、金融機関としても高い設定をするわけにはいかなくなります。必然的にギリギリのところで提供することになりますので、全体として低い金利となる傾向があります。

一般に、インターネットで申し込みを受け付けている、「フラット35」専門の金融機関の方が、金利はより低くなっています。ただ、一般の銀行、信用金庫などでは、店舗で相談をすることで安心を得られるというメリットがありますので、金利だけでなく、総合的に金融機関を選びたいものです。また、金融機関によっては、その金融機関独自の変動金利や期間選択型固定金利のローンと併用できる場合があります。固定金利と変動金利の両方で融資を受け、金利情勢を見ながら繰上返済をするというのも1つの方法です。

3.「フラット35S」の金利優遇幅が大きくなりました。

もう1つ、魅力的な理由として、国の景気対策によって、金利の引き下げがなされることです。基準に適合した住宅の購入については、政府が予算を投入して「フラット35」の金利を引き下げています。これが「フラット35S」です。金利の引き下げ分には、国の予算が使われているわけで、これは民間の独自のローンでは真似のできない点です。民間の独自のローンでも、金利引き下げなどのキャンペーンは行われていますが、国の予算が使われるというのは「フラット35S」だけで、他にはない魅力となっています。

今年度予算では「フラット35S」の拡充が決まり、金利の引き下げ幅が大きくなりました。今までは一定の期間について、金利を0.3%引き下げていましたが、それが0.6%の引き下げになります。いちおうは平成28年1月28日の申込み分までとなっていますが、申込みが多く、予算金額に達した場合は早めに終了となります。住宅金融支援機構では、金利引き下げ幅の拡充が終了する3週間前までにサイトで告知するとしていますので、確認するとよいでしょう。

金利引き下げが適用される期間は、2つあります。Aプランは当初10年間、Bプランは当初5年間となります。いずれも、窓口となる金融機関の適用金利から0.6%(予算終了後は0.3%)金利が下がります。適用されるのは、基準に適合した住宅を購入する場合ですが、その基準として、次のようなものがあります。いずれかの項目で、国が定める基準を満たす必要があります。

  • 省エネルギー性
  • 耐久性・可変性
  • 耐震性
  • バリアフリー性

詳細についてはここでは触れませんが、Aプランに比べるとBプランの方が、基準は緩やかになっています。住宅を選ぶ際に、「フラット35S」が適用される物件であるかどうかを、販売業者に確認してください。新築だけでなく、中古住宅についても適用されますが、新築とは別の基準もありますので、注意が必要です。

フラット35Sのしくみ

期間が限定されていますが、この金利引き下げで、固定金利にも関わらず、変動金利に近い低金利となっています。もちろん、政府系金融機関のローンであるとはいっても、融資ですから審査があります。場合によっては利用できないこともありますが、利用できるようなら、ぜひ一度検討してみるとよいでしょう。

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