親からお金を借りてマイホームを手に入れようと思いますが、 金利は何%くらいで考えたら良いでしょうか。


畠中 雅子先生 (はたなか まさこ) プロフィール
 
  • 年収の関係で、金融機関からの融資は難しい
  • 金利は3%くらい付けたほうが安全
  • 親からの借金の場合、住宅ローン控除は使えない
  • 無保険の夫は、早急に生命保険と医療保険への加入を検討

橋本 美弥さん(仮名)のご相談

我が家に突然、親からマイホーム資金提供の話がふってわきました。私たち2人の貯金(約1300万)を半分と親からの融資(1000万円)で1600万円の中古物件を買おうという話になりました。貯金は万が一のために現金を置いておいたほうが良い、という周囲のすすめにより、半額程度はとりおきしておいて足りない分を親からの融資で穴埋めしようと考えました。
夫は自営を始めて2年、大もうけのできるようなジャンルではなく、コツコツとファン層を増やそうと努力しておりますが、なかなか月収が上がらず、週3回、夜に5時間ほどのアルバイトをして20万円ほどの手取りになっています。
私は仕事に出ていませんでしたが、この秋からパートをはじめました。今回の家計簿には私の収入が入っていませんが、5~6万円くらいはパート収入が望めると思います。ただし、夫のほうが2万円程度、減収になってしまいそうです。
親へは金銭消費貸借契約書をとりかわし、現在の家賃6万3千円と同じ程度の支払いで10~15年かけて返却していこうと思っています。(実際は修繕費や固定資産税などの積み立ても考えてプラス2万円/月を住居関連費で考えています。)この返済に際する利率は何を参考にすればよいのかわかりません。
また、夫の名義による借金ですが、自営業ということもありますし、万が一のことを考えて生命保険や入院保険に入ってもらおうと思います。どの程度の額のものに入ればよいでしょうか? 私の生命保険は結婚祝いとして祖母が残りの全額を支払ってくれて、月々の支払いは実質なくなっています。もと生命保険会社にいた兄のアドバイスで見直ししていませんが、格付けで言うとちょっと危なっかしい会社なので、今のうちに乗り換えたほうがいいでしょうか?

橋本さん(仮名)のプロフィール
35歳、パート勤務。2年前、自営業に転職した39歳のご主人と2人暮らし。
 くわしい家計内容等はこちら

一般的な住宅ローンと同じくらいの水準の利息を付け、
現在の家賃を超えないような返済プランを立てよう

年収の下限に満たしていないと、住宅ローンは借りられない

金融機関から住宅ローンを借りる場合、申し込む際の年収の下限が350万円以上とか、400万円以上などと決められています。自営業者の場合は、経費を引いた所得で考えるため、現在の橋本家の場合は、金融機関から融資を受けるのは難しいと思います。

そのようなこともあって、マイホームの購入費用をご両親から借りられるのだと思いますが、身内から借金する場合、3%くらいの利息を付けないと、実質的に贈与を受けたとみなされる可能性があります。3%では、金融機関のキャンペーン金利が適用された住宅ローンよりも高いのではないか、と言われそうですが、一般の契約に比べて有利すぎる条件だったり、契約は交わしたものの、実際に返済しないままになってしまうと、贈与と認定されてしまう可能性があります。
3%というのはひとつの目安ですので、できれば税務署に相談に行かれて、「贈与とみなされない金利水準」を確認されることをおすすめします。なお、身内からの借金に対して利息を払っても、住宅ローン控除を利用することはできません

20年返済にすれば、現在の家賃と同じ水準の負担になる

橋本家では、きちんと金銭消費貸借の契約書を交わされるとのことなので、書面には借入額や金利、貸し手と借り手など、契約書として最低限必要な項目のほかに、具体的な返済方法や早めに返す場合の条件、延滞した場合の対応などについても、きちんと明記しておくことをおすすめします。

次は、実際にご両親から1000万円を借りた場合の返済額を計算してみましょう。金利は3%、返済期間は10年だとすると、ひと月の返済額は9万6560円になり、15年返済だと6万9058円になります。10年、あるいは15年返済にすると、現在よりも家計費が多くなってしまうため、20年も試算してみると、ひと月の返済額は5万5459円になります。現在の家賃や固定資産税などの出費増を考えますと、20年程度の返済で考えるのが適当ではないでしょうか。
ただし、毎月端数の金額を返し続けるのは面倒なので、ひと月5万5000円とか、6万円などのキリの良い金額に設定するのが現実的だと思います。

ご主人は死亡保障と1日1万円程度の入院保障を

お子さんがいないご夫婦とはいえ、ご主人が無保険なのは、リスクが高すぎます。マイホームを購入しても、身内からの借金で、団体信用生命保険(ローンを借りている人が死亡すると、ローンがゼロになる)に入れるわけではないので、1000~2000万円程度の死亡保障は確保しておいたほうが良いでしょう。返済途中でご主人に万が一のことがあった場合、残りの借金の返済はどのようにするのかを、ご両親から資金援助してもらうときに、話し合っておくことも必要かもしれません。
医療保険についても、自営業者の橋本さんのご主人には、日額1万円くらいは必要だと思います。橋本家は、独身時代にかなりの貯蓄をされてきていますが、ご主人が自営業になられてからは、貯蓄がほとんどできていない状態です。休業補償もない自営業者の場合、ご主人が入院でもしたら、収入がストップしてしまいますので、死亡保障と医療保障の確保は早急にするべきだと思います。

その際、死亡保障は掛け捨ての定期保険がおすすめ。医療保険は、一生涯保険料を支払うタイプの終身医療保険を選ぶと、保険料が抑えられます。奥様が仕事を始められて家計が少し楽になると思うので、その分は貯蓄とご主人の保険料に当てられると理想的だと思います。
奥様の保険については、すでに支払いが終わっていることと、予定利率のピークのときに入られたこともあって、お兄さまのアドバイス通り、解約することはおすすめできません。ただし、特約でついている医療保障は古いタイプのもので、20日以上入院しないと、1日目から給付金がもらえません。入院給付金の日額も、もう少し増やしておきたいところ。そのためご主人と同じように、一生涯保険料を支払う終身タイプの医療保険に入られることを検討されてはいかがでしょうか。

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