介護、ガン、女性疾病・・・どの保障を優先する?

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上野 やすみ先生 プロフィール
いま加入している保険で保障が足りているか、ムダな保障はないかを徹底チェック!必要保障額の目安や見直し方、保険料を安くおさえる方法など、ご家族の状況や家計全体のバランスを考えながら、1人1人に合った保険選びをお手伝いします。むずかしいと思われがちな保険の内容もわかりやすい言葉でアドバイスします。

山本 美和さん(仮名)のご相談

保険に入ろうと思っています。これまで保険は1つでいいと考えていましたが、勉強していくと両親の介護保険、主人のガン保険、女性疾病保険などいくつも必要になってくるように思えてきて困っています。終身でガン保険だけ入りましたが、ほかに加入しておいたほうがいい保険と、家計を圧迫しない上手な選び方を教えてください。また、終身保険を選ぶと一生掛け金は同額なので助かりますが、保障額がずいぶん少ないのでいざという時心配です。貯蓄も苦手なのでいい方法があればアドバイス願います。教育資金を貯めるには銀行の定期預金がいいのか保険タイプがいいのか。また老後はどのぐらいのお金を準備しておくべきでしょうか?

山本さん(仮名)のプロフィール
34歳、会社員。義父(66歳無職)、義母(66歳主婦)、夫(40歳会社員)、お子様2人(5歳、3歳)との6人家族

家計状況

1.月間収入
 手取り 415,000 円
2.月間支出費用
 住居費 65,000 円
 車両関連費 20,000 円
 食費 45,000 円
 水道光熱費 10,000 円
 通信費 24,000 円
 教育費 20,000 円
 教育娯楽費 20,000 円
 こづかい 40,000 円
 その他支出 133,000 円
3.保険料・貯蓄
 月保険料 38,000 円
 月貯蓄・投資額 0 円
4.ボーナス
 ボーナス(手取り) 250,000 円
 ローン返済費
 (H18/12月まで)
150,000 円
 貯蓄額 100,000 円
5.資産・負債の状況
 現在の貯蓄残高 300,000 円
 現在の住宅ローンの残高 1500 万円
 住宅ローン完済予定年 平成32年

基本の保障を確保し、将来設計、家計の見直しを行いましょう。民間介護保険は給付金の支給基準と保険料をよく確認しましょう。

まず基本の死亡保障、医療保障を確保する

山本さんは共働きとはいえ、お子さん2人がまだ小さいことや、ご両親がこれから病気や介護の心配が増えてくることから、ご夫婦に万一のことがあったときの保障はきちんと確保しておくことが大切です。
会社員で、持ち家の場合、死亡時の必要保障額の目安は世帯主が2000万円~3000万円、配偶者が1000万円~1500万円です。ただ、妻に万一のことがあっても子育て期間中の若い時期には遺族年金が支給されないケースが多いです。奥様の収入に頼った生活をしていたり、奥様名義の住宅ローンがあって団体信用生命保険に加入していなかったりする場合は、奥様の保障を夫並みに大きくしておくことをおすすめします。

また、入院したら仕事も家事にも影響しますので、医療保障は日額5000円~1万円程度用意しておきたいところです。現在加入しているのはガン保険だけとのことですね。ガン保険は文字とおり「ガン」にかかった場合の保障です。まず、どんな病気でもカバーされる通常の医療保険に加入し、それを補完する形でガン保険に加入するのがいいでしょう。

特に、貯蓄がいま30万円だけなので、ちょっとしたことで貯蓄が底をつく可能性が高い状態です。こういうときこそ保険にしっかり加入しておくことが大切です。同時に家計改善で貯蓄を増やし、リスクに強い家計を作ることを目指しましょう。

山本家には安い掛金で大きな保障を得られる定期保険がピッタリ

山本さんもお気づきのように、終身保険は一生の保障が確保でき、掛け金も変わりませんが、大きな保障を得るには保険料も高くなってしまいます。
でも、大きな保障は一生必要なのではなく、子育て期間など限られているので、10年、15年といった決まった期間だけ保障される「定期保険」で準備することをおすすめします。定期保険は期間が過ぎたら保障はなくなるので、その期間に何もなければ保険料は掛け捨てになりますが、その分大きな保障を買うことができます。
例えば、オリックス生命のダイレクト定期保険では、保障期間10年、死亡保障2000万円、40歳男性の保険料は月額5860円です。山本さんご自身が死亡保障1000万円に加入する場合は、月額1810円(34歳女性)です。
医療保障は、すでに加入されている終身のガン保険に特約でつけられる場合もあるので、保険会社に確認してみてください。

ライフスタイル別必要保障額の目安(会社員の場合)

ライフステージ 性別 住まい 死亡保障 医療保障(入院日額)
 シングル 男女とも ―― 300万円程度 5000円程度
 子どものいない家庭 ―― 1000万~2000万円 5000円程度
―― 300万~500万円 5000円程度
 共働き家庭・子どもあり 賃貸 3000万~4000万円 5000~1万円程度
持ち家 2000万~3000万円 5000~1万円程度
賃貸 1500万~2000万円 5000~1万円程度
持ち家 1000万~1500万円 5000~1万円程度
 専業主婦家庭・子どもあり 賃貸 4000万~5000万円 5000~1万円程度
持ち家 3000万~4000万円 5000~1万円程度
―― 500万~1000万円 5000~1万円程度

※子どもは小学生以下2人以内の場合。1人増えるごとに夫の死亡保障を1000万円程度プラス

民間介護保険は保険料と給付内容を確認しましょう

ご両親が高齢になるにつれ、介護の心配も大きくなります。公的な介護保険もありますが、1割を自己負担しなくてはならないし、重度の介護状態の場合は公的保障の範囲内ではおさまらないケースも多いようです。
民間の介護保険で備える方法がありますが、山本さんのご両親は66歳。これから加入するにはかなり保険料が高くなってしまう点が気になります。

保険料の安いところではアメリカンファミリー生命の介護MASTER(マスター)があります。公的介護保険の要介護2~5に相当する場合に、月額2万円の給付金が受け取れる保険で、66歳男性の保険料は約4500円、女性は約8000円。69歳まで加入できます。民間の介護保険の中では手頃な保険ですが、そうはいっても60代から加入すると保険料はやはり高いですね。
保険に加入するよりも、介護を予防することにお金を使ったり、貯蓄で備えることなどを検討してはいかがでしょうか。

ライフプランを立てて貯蓄計画を考えましょう

住宅を購入されているので貯蓄が少なくなったと思いますが、これからお子様の教育費、ご夫婦の老後資金を貯めていくにあたり、計画的に貯蓄をしていきたいところです。
まず、お子様の教育費。必要な時期がはっきりしているので、早めに貯蓄をスタートさせれば負担も少ないし、選択肢も多くなります
保険か預金かで悩まれているようですが、子ども保険は生まれてすぐに加入するのが最も貯蓄性が高く、子供の年齢が上がるにつれて貯蓄性が低くなります。もともと予定利率の低い時期ですので、あえて保険にこだわる必要はないでしょう。ただ、貯蓄が苦手なご家庭には「保険料」という形で引落されたほうが継続しやすいという面もあります。その場合は子ども保険ではなく「養老保険」などを利用するのも1つの方法です。支払い保険料総額と、満期時に返ってくる満期金を比較して、できるだけ多く戻ってくるタイプを選ぶのがポイントです。
それ以外は、給料天引きの財形貯蓄や、給料の振込口座から自動的に振り替える「自動積立定期預金」などで、使ってしまう前に貯めていくようにしましょう。

現在はボーナスで10万円貯蓄しているだけのようですね。家計支出を拝見すると使途不明金が10万円くらいあるので、それらの中身をチェックしてみましょう。
教育費は「子どもが18歳になるまで1人300万円」、老後資金は「60歳までに3000万円」が一般的にいわれている貯蓄の目安です。しかし、これはあくまでも一般論で、どのような暮らしをしていくかによって、家庭ごとに必要資金は異なってきます。老後の公的年金は65歳にならないともらえませんが、定年後も働くのか働かないのかで用意すべき貯蓄も変わってきます。
まずは、これから先20年分の一覧表を作って、いつ、何をするか、どんなライフイベントが待っているかを見通してみましょう。そしてそれらにかかるお金をインターネットなどで調べてわかる範囲で必要資金を見積もってみてください。

現在は、2人分の収入である程度ゆとりがありますが、将来も見通して考えるとかなり厳しいと実感するはずです。漠然と考えていては、たとえ貯蓄が増えても不安は消えません。ライフプランを立てて、それに向けて家族で協力してお金の使い方を考えてみてください。