仕事を辞め専業主婦になりました。 死亡保障1,500万円は多すぎると思うので、解約しようか迷っています。


臼井 悦子先生 (うすい えつこ) プロフィール
  • これを機会に、ご夫婦の死亡保障を確認
  • 専業主婦でも医療保障は必要
  • 預貯金を有利に運用

林厚子さん(仮名)のご相談

ずっと共働きをしていましたが、1年ほど前に会社を辞めました。これから働く予定はないので、私の死亡保障1,500万円は多すぎると感じています。

保険会社の人に相談したところ、とてもいい保険なのでやめない方がいいと言われてしまいました。解約すると、特約で付けている医療保障もなくなるとも言われ、それもちょっと不安で、どうしようかと迷っています。

保険料は払えないわけではないのですが、年払いで17万円ほどなので、ちょっと無駄な気もしています。やっぱり解約しない方がいいのでしょうか? 住宅は持ち家で、住宅ローンは繰上返済をして完済しています。

林厚子さんのプロフィール

42歳、主婦。43歳の夫と、10歳と7歳の子供と4人暮らし。世帯手取り年収700万円。

現在の貯蓄残高
定期預金(夫) 200万円
財形貯蓄(夫) 200万円
普通預金(妻) 600万円
合計 1,000万円

 
支出
生活 費 食費 100,000円
娯楽・こづかい 70,000円
住宅費 40,000円
教育費 50,000円
車費用 20,000円
光熱費 30,000円
被服費 15,000円
医療費 8,000円
貯蓄 貯蓄 80,000円
合計 413,000円
保険の加入状況
  保障内容 保険金・給付金 現在の保険料(年額)
主 契 約 終身保険 1,500万円 131,550円
特 約 災害割増特約 1,400万円 6,160円
傷害特約 100万円 660円
災害入院特約 日額 5,000円 3,940円
疾病特約 日額 5,000円 16,760円
女性特定疾病入院特約 日額 5,000円 7,380円
保険料合計 166,450円
夫の死亡保障は1,000万円で、保険料は年額18万円程度。

終身保険は解約せず、死亡保険金を200~300万円程度に減らしましょう

1.奥様の死亡保障は減額を、ご主人の死亡保障は増額を検討

林さんは、お仕事を辞めたのを機に、保険の見直しを考えたとのこと。保障の内容を見直すには、とても良い機会です。今回のアドバイスを参考にして、ぜひ実行してください。

林さんは、終身保険の解約をお考えですが、解約はせず、死亡保険金を200~300万円程度に減らすことをお勧めします。

死亡保障は、残された遺族に生活費を残すことを目的に加入するのが一般的収入のない人、専業主婦には、基本的に死亡保障は必要ありません。けれど、お子様が小さいうちは、クリーニング代や外食費が増える、新たにハウスキーピング費用がかかることが考えられます。死亡保険金として200万~300万円を準備しておけば、この費用をまかなえます。

現在、林さんが加入されている保険は、予定利率が高い時期のものです。保険料が比較的低め、というメリットを活かして、保険は解約せずに、死亡保険金を200万~300万円程度に減額することをお勧めします。

保険金を減額すると、減額した分だけ保険料は低くなります。林さんの場合、死亡保険金を200万~300万円にすると、保険料は年額1.8~2.6万円弱程度になるでしょう。保険期間は終身のまま変わりません。減額した分は解約と扱われ、解約返戻金があれば受け取れます。保険金を減額すると、特約の保障額も同時に減額されることがあります。減額されるかどうかは、保険会社のお客さまセンターなどに電話で問い合わせれば教えてもらえます。

保険金を減らすには、「減額」以外にも「払済保険」にする方法があります。払済保険は、保険料の払い込みを中止して、その時点の解約返戻金をもとにした保険金額に変更するもの。保険期間は変わりません。特約は消滅します。「払済保険」にすると、どの程度の保障になるかを保険会社に確認してみて、「減額」と「払済」どちらにするかを決めてもいいでしょう。

保険金を減らす方法
  保険金額 保険料 保険期間 特約の扱い
保険金の減額 希望額を指定
(最低金額あり)
安くなる 変わらない 減額されることがある
(消滅はしない)
払済保険 解約返戻金を
もとに決められる
保険料の 支払は
発生しない
変わらない 消滅する

なお、ご主人の死亡保障は1,000万円では不足です。ご主人が万一亡くなっても、奥様が働き続けていれば、生活費には困らないため、この程度でも構いません。しかし、専業主婦になった現在は、3,000万~4,000万円程度に増やしておくことをお勧めします。末子のお子様が大学卒業する15年後まで、不足分の2,000~3,000万円を、保険料が割安な通信販売タイプの定期保険で準備されてはいかがでしょうか。

2.医療保障は、日額5,000円を手当する

専業主婦にも医療保障は必要です。日額5,000円程度の医療保障を手当てしておけばよいでしょう。病気やケガで入院した時の治療費のほか、入院時に準備する物品の購入費用、家族の病院までの交通費などに充てることができます。

入院での医療保障を準備するには2つの方法があります。1.終身保険の疾病特約を継続する(減額されないと仮定)2.新たに単体の医療保険に加入し、終身保険の疾病特約は解約する。下の表で日額5,000円の場合の、それぞれの保障内容と総支払保険料を比較しています。2.は通販タイプの保険で試算しています。

医療保障の比較(日額5,000円)
  支払対象 支払限度日数 保険期間 年払保険料 総支払保険料
60歳まで 61歳から
80歳まで
1.終身保険の 疾病特約を継続 5日目から 1入院120日、
通算700日
80歳まで 16,760円 301,680円 保険会社に
問い合わせ
2.単体の医療保険に加入 日帰り入院から保障 1入院60日、通算1000日まで 終身
(ケガでは90歳まで)
28,800円 518,400円 576,000円

注意すべきは、1.では、保険期間は80歳まででそれ以降は入院しても給付金が支払われないこと。また、60歳時点でそれ以降の特約保険料全額をいったん支払わなければなりません。金額は保険会社に確認してみてください。2.は、保険料を一生支払うことと、1.と比べて保険料が高くなること。

それでは、どちらを選べばいいでしょうか。
終身保険を減額しても、特約が減額されなければ1.を選べばよいでしょう。保険料を低く抑えられます。特約が減額されるようなら、2.を選びましょう。その場合は、保障がない期間をつくらないために、新しい保険の契約が成立してから、現在の保険を解約します。

ところで、林さんは、現在加入している保険には女性疾病特約を付けていらっしゃいますね。今回の見直しでは、付加せずに考えています。女性疾病での入院で治療費が余計にかかるわけではないこと、林さんご自身が、必要な保障を適切な保険料で準備したいとの考えをお持ちだからです。

女性疾病特約は、子宮筋腫、子宮がん、乳がんなど女性特有の病気で入院した時に、入院給付金に加えて支払われるもの。入院給付金、女性疾病特約いずれの給付金も5千円の場合、女性疾病の入院では1日あたり1万円、それ以外の病気なら5千円が支払われます。対象となる疾病は、保険商品により違いがあります。加入することで、保障は手厚くなりますが、支払う合計保険料は高くなります。

3.預貯金は少しでも有利な運用を

林さんは、資産をすべて預貯金に預けていらっしゃいますね。金利が上がってきているとはいえ、普通預金や定期預金の金利はまだまだ低めです。ある都市銀行の金利は、普通預金0.2%、定期預金(1年)は0.35%。ネット銀行の金利はこれより少し高めになっています。あるネット銀行では、普通預金0.3%、定期預金(1年)0.62%。200万円の定期預金をネット銀行に預け替えるだけで、一年間で受け取る利息は4,300円多くなります。いずれも2007年3月現在の金利です。

現在は、多くの金融商品が溢れています。こういったものにも少しずつ目を向けて、メリット・デメリットを理解したうえで、取り入れていきたいですね。きっと10年後、20年後には大きな差がでてきますよ。

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