第3回:便利で安全な生活が欲しい、しかし、「やれること」と「やれないこと」がある


最新の設備や間取りを研究してみよう

昔の映画やドラマなどを見ていると、トイレに入っているお父さんが「おーい、紙」と叫ぶシーンがあったりします。その声を聞いたお母さんがあわてて玄関脇などの納戸からペーパーを出して持っていく――でも、いまはトイレ内にトイレットペーパーの収納棚がついていますから、こんなシーンはなくなったはずです。

主婦の家事でも、家族が出かけたあとに食事の片づけと洗濯を同時にしようと思うと、台所からリビングを通って洗濯室に出て、また台所に戻ってと何度も行き来しなければならない――ひと昔前は、こんなふうに家のなかを忙しく走り回る主婦の姿が当たり前でしたが、それも最近は、台所と洗濯室をつなげた住まいが増えて、家事もスムーズに運ぶようになりました。

住まいのリフォームというのは、そうした不便な生活を解消し、より便利で快適な住まいにすることなのです。何も多額のお金をかけて贅沢な設備を入れたり、豪華なインテリアにすることだけがリフォームではありません。実は、ちょっとした発想の転換で、生活はより便利で豊かなものになります。そのためには、勉強も必要です。

毎日の家事がたいへんだし、こんな使い勝手の悪い住まいはもうイヤとグチをこぼすだけではなく、一度住宅設備機器メーカーのショールームや、最新の分譲マンションのモデルルーム、注文住宅のモデルハウスなどを見学してみてください。そこには、最新の住設機器を設置した、生活動線に配慮したたいへん便利で快適な住まいがあるはずです。何も新築の住宅を買わなくても、豪華なインテリアや高額の設備を入れなくても、現在の住まいより快適で便利なものにするためのヒントがあふれています。

リフォームできること、できないことがある

ただ、自分の住まいだからといってなんでも自由にできるわけではありません。一戸建てなら建築基準法などの法律の範囲内で考えなければなりません。たとえば、お子さんやお年よりの部屋を増築しようと思っても、建ぺい率や容積率がいっぱいになっていると、増築は不可能です。また、構造上も増築は難しい建物もあります。工務店などとよく相談して、何をどこまでできるかを確認しておく必要があります。

マンションの場合にはさらに制約が多くなります。エントランス、外廊下などなどの共用部分を除いて、自分たちの住まいの玄関から内側は自由にできると思ったらたいへんな間違い。玄関、窓、サッシ、バルコニーなどは防火や避難などの機能を持つ共用部分なので、原則的にリフォームはできません。隣戸との境の壁などの構造壁についても、勝手に穴を開けたりはできません。さらに、水回りのリフォームについても各種の制約がつきます。最近では、水回りの場所を移動できるマンションも出てきましたが、一般的には移動はできません。

マンションに関しては、各部位別の注意点を整理しておきました。これがひとつの目安ですが、実際に何をどこまでできるのかは、管理会社などで相談した上で計画を立てるようにしてください。

マンションリフォームはどこまでできるか

キッチン
給排水管や換気扇の位置は移動できないのが普通です。最近の階高が高いマンションでは移動が自由になっている物件もありますが、その場合には当然のことながら費用もかなり高いものになります。ただ、給排水管の位置はそのままで多少延長するなどの方法により、若干の場所の移動や向きの変更は可能です。たとえば、独立型のキッチンをオープンキッチンにしたり、カウンター式にすることができるわけです。
トイレ
キッチンと同様に場所の移動はできないのが一般的です。車いすで出入りできるようにするなどの拡充も困難なマンションが多いようです。ただ最近は水を溜めるためのタンクが不要なタイプもあります。便器のサイズが小さくなるので、その分実質的に広く使うことができるものもあります。なお、トイレットペーパーなどのトイレに必要な備品の収納棚は必ずつけるようにしましょう。
バスルーム
漏水を起こすと下の階の人にも迷惑をかけることになるので、ユニットバスにするのが安全で確実です。規格品が多いので、工事の日数なども比較的短くなり、リフォーム期間中の不便さを解消できます。もちろん、安全性を考慮して床は水はけがよく滑りにくいもの浴槽の段差が少ないタイプにしたいものです。お年よりのいない家庭でも、将来のことを考えて手すりを設置するのが安心ですが、どこに設置できるかは事前の調査が必要なので業者と打ち合わせしておきましょう。
玄関ドア
玄関ドアは共用部分なので原則的にリフォームはできません。どうしても取り替えたい場合には、管理組合の許可が必要なので、管理会社などと相談してみてください。鍵の取り替えは可能ですが、オートロックのマンションだと鍵の取り替えはマンション全体で実施しなければならないので、管理組合で話し合いが必要です。
窓・バルコニー
玄関ドアと同様に共用部分なので原則的にリフォームはできませんバルコニーは避難路でもあるので、くれぐれも物置を設置したり、ガーデニングのためにレンガやブロックを敷きつめたりしないようにしてください。ただ窓に関しては遮音や断熱性能を高めるために、二重サッシにすることは可能です。

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