第7回:こんな時代は、家計管理をするのとしないのとでは大違い

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「貯蓄をしているのに、これで将来足りるのか不安!」
「家計簿をつけて節約しているつもりなのに、このままでいいのか不安!」
なんていう声をよく聴きます。毎日努力をしているのに、漠然としたもやもやを抱えている、いわゆる「家計不安症」の状況も、「家計を管理する」という意識を持つことができれば、ある程度は解決することができると思います。

家計を管理するって?家計簿をつけることじゃないの?

毎日、1つ1つ買った物の記録をつけて合計している人いますよね。でも、合計で終わってしまってはただの集計で、管理にはなっていません。管理というのは、自分の収入と支出の流れを理解して、支出を目的別に限度枠をつくってその範囲内にとどめ、貯蓄を着実にしていくこと、そして貯蓄残高についても定期的にチェックしていくことを意味しています。
このような家計管理をすることが、今、どうしてそんなに大切なのでしょうか?

昔とは全然違う時代背景

私たちの親の世代は、経済も成長期で雇用も安定し、公的な保障に対する不安も少なく、銀行や郵便局などでコツコツと貯蓄に励んでいれば、何とかなる時代でした。しかし、これからの家計は、収入面、支出面、貯蓄面に関して、次の表ような要素が私たちを取り巻いています。つまり、誰かの見本をまねながら、他人と同じようにお金を管理することはできない時代なのです。

<今までの家計と今後の家計>
今までの家計の前提 これからの家計の前提 今からできる対策
収入
  • 経済成長とともに収入アップ(インフレの進展)
  • 終身雇用制で将来の収入も保証
  • 年功序列賃金で勤務年数が長ければ収入アップ
  • 日本経済も成熟し、デフレ経済の一面も
  • 収入不安定(ダウンも)←年俸制・業績次第・能力給の割合増、転職の増加による
  • 働き方、ライフスタイルを考える
  • キャリアアップを目指して自己投資
  • 運用による不労所得を得る方法も
支出
  • 教育費支出・住宅購入費・老後の準備はピークがずれる
  • 万一は公的保障(年金・医療など)頼み
  • 教育・住宅・老後の準備がほぼ重なる
  • 老後の年金制度の財政難と不安
  • 健康保険も自己負担が増える傾向に
  • ライフイベントの支出目安を決め、あらかじめ準備を
  • 予算を立てて支出のコントロール
  • 必要な保障額を無駄なく、効率的に
  • 住宅ローンも借り換え、繰上げ返済など
貯蓄
  • 銀行や郵便局中心で安全かつ利回りも期待
  • 金融機関による商品内容の差も少ない
  • 安全で利回りの高い商品はない
  • 金融機関による様々な商品
  • 安全重視か、収益重視か自分で選択
  • 年金など運用期間の長いものは投資による運用も視野に

今からできる家計管理って?

そこで、自分のペースで、家計を管理して、安心した生活を送れるようにするためには、まず、ご自身でどんな生活をしたいのか、収入の得かたや支出の目安を整理することが大切です。その上で、今できる家計の管理としては、以下を実施してはいかがでしょうか?


<今からできる家計管理>

  • 通常の支出と臨時支出とを分けて、目的別に支出の上限を決めて、その範囲内でやりくりできるようにする。
  • 固定的な支出で金額も大きく、節約効果も高いのは、民間の保険料支出。適切な保障内容を効率的に得られるように保障の見直しを検討する。
  • 固定的な支出の住宅ローンは、金利が低いものへの借り換えや、手持ちの余裕資金を借り入れ元金の返済にあてる繰上げ返済を実施し、将来の支払利息を節約する。
  • 将来使いたいお金を確保するために、使ってしまう前に貯蓄分を先取りして、計画的に貯蓄を殖やす。
  • 老後の年金など、長期間お金を運用できるものは、株式や債券、そして外国の通貨での運用も含めて、分散して投資をする。

将来の不確定なリスクにも対応できる

こうした家計管理を1つ1つ実施するのとしないのとでは、将来これから起こりうる変化の影響も全く変わってくると思います。例えば、

  • インフレ(貨幣価値の下落)が起こったとしても、預貯金のみでなく、株式などで一部運用していれば、資産価値の目減りを抑えることができる。
  • 金利が上昇する気配がでた場合には、固定金利型のローンに借り換えをしたり、繰上げ返済によってローン残高を減らすことによって、支払利息の負担を軽減できる。
  • 海外と比較して日本円の価値が下落してしまったとしても、海外の通貨建ての運用を一部組み込んでいれば、日本円だけでの貯蓄・運用に比べて目減りを抑えることができる。

といった効果も期待できるからです。

今からでも遅くはありません。家計の収支が改善し、計画的な貯蓄や長期間の分散投資ができるように一歩一歩トライしていくことで、今の安心と将来の安心を手に入れられたらいいと思いませんか?

マネーカウンセリングネットWealth
ファイナンシャル・プランナー(CFP(R))
吹田朝子