貯金がわずかでもペイオフは関係ある?

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伊藤美和先生 プロフィール
貯蓄や投資を始めてしばらくすると、誰の頭にも思い浮かぶのが1000万円という夢の数字。「1000万円お金を貯める」ということはハードル走に似ています。100万円、300万円とハードルをクリアするごとに貯まるスピードはどんどん加速していきます。この「貯める・殖やす」のコーナーでは、皆さんがハードルを楽に越え、早くゴールにたどりつけるよう、お手伝いができればと思います。何でもお気軽にご相談ください。

原田 和雄さん(仮名)のご相談

去年、念願がかなってマンションを購入したので、貯金はわずかです。わが家にとってペイオフは関係ないのでは?

原田 和雄さん(仮名)のプロフィール

38歳 団体職員。住まいは大阪府のマンション。妻(40歳)、長男(10歳)、次男(5歳)の4人家族

・家計状況

貯蓄
普通預金 530,000 円
ニュー定期 1,200,000 円
MMF 300,000 円

貯蓄が1000万円ない場合でも「ペイオフは関係ない」とはいえません。

預金している銀行に万が一のことがあった場合、破綻直後は数日~1週間ほど、預金はすべて出し入れストップとなります。最終的には元本1000万円+その利息は全額保護されるといっても、数日~1週間も全く生活費をおろせなくなったら困ります。最悪の場合、「給与が振り込まれた直後に銀行がつぶれる」ことだってあるからです。ですから4月以降は貯蓄が少ない方でも「メイン銀行+郵便局」あるいは「メイン銀行+サブ銀行」などと財布替わりの口座を複数持つことが大切です。

住んでいるマンションの修繕積立金について、ペイオフ対策は行われているか確認は済んでいますか?マンションの管理組合は、原則として1預金者とみなされます。1000万円を超える定期預金などとその利息は、銀行がつぶれたら、カットされる恐れがあります。

「積立金が一部カット」などということになったら、その後の修繕計画に狂いが生じるなど大変なことになります。対策がまだ講じられていない場合、

  1. できるだけ早く定期預金などは解約して、普通預金(または郵便振替口座)に移したうえで、
  2. マンションの管理組合の総会で対策を話し合うよう提案する、

ことが大切です。普通預金については来年(2003年)3月までは、1000万円を超える分まで全額保護の特例が続くからです。マンションの修繕積立金は、残高が数千万~数億円という場合も珍しくありません。ペイオフは、自分名義の預金だけではなく、いろいろな形で、個人の生活に影響を及ぼすということを忘れずに。

預金保護の仕組み

○全額保護
△元本1000万円+利息を保護
×預金保険の対象外
2002年4月~2003年3月 2003年4月以降
預金保険の対象の預金 決済性預金
決済性預金
以外の預金
預金保険の対象外の預金 × ×

※決済性預金とは、普通預金・別段預金・当座預金の3種

預金保険の対象商品

預金保険の対象の預金(保護対象となる預金)

  • 普通預金・当座預金・別段預金(2003年3月まで全額保護)
  • 通知預金・納税準備預金・貯蓄預金・掛金・定期積金・定期預金
  • 保護預かり専用の金融債・元本補てん契約のある金銭信託(ビッグなど貸付信託を含む)
  • 上記の預金を用いた商品・積立・財形商品

預金保険の対象外の預金(保護されない預金)

  • 外貨預金・譲渡性預金・保護預かり以外の金融債
  • 元本補填契約のない金銭信託(ヒット・スーパーヒットなど)
  • 外国銀行の在日支店の預金
  • 金融機関の海外支店の預金

その他の金融商品

  • 投資信託
    投資者保護基金が保護(1顧客あたり1000万円が限度)
  • 農協や漁協の貯金
    農水産業協同組合貯金保険制度が保護(1顧客あたり1000万円まで)
  • 郵便貯金
    郵便貯金法によって国が元利金の支払いを保証

用語解説

郵便振替口座

郵便振替口座とは、送金などに使う決済専用の郵便口座です。銀行の「当座預金」に該当する口座なので、基本的には利子はつきません。ただし通常の郵貯口座とは違い、1000万円の預入限度額がないので、いくら預けてもOK。「国が全額保証する」という裏技的な商品性が受けて、個人ばかりでなく企業や宗教法人などにも利用が広がっていて、残高が爆発的に増えています。

ただし2003年度からは、郵便貯金業務は「郵政公社」に移管されます。その後、国の「全額支払い保証」が続くかどうかは現段階では「?」。また金利がつかないので、金利が上昇するとメリットは薄れます。あくまでも急場しのぎの「駆け込み寺」的存在と認識しましょう。